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フルマラソンを完走し、9年前のリベンジがおわった
2024年10月13日、人生で初めてフルマラソンを完走した。32歳
2015年10月11日、人生で初めてフルマラソンに出場した。23歳
初出場のとき、41キロのところで時間制限が来て完走できず。悔しかったのは嘘ではないけど、当時まだノリと勢いで生きていた私はこんなコンディション
9月に入ってから一度も練習していない、大会前一週間はほぼ毎日終電で帰宅し見た目がボロボロ、2日前から生理、ランシューは前日に新潟で購入…などなど、決して良いとは言えないコンディション
だったこともあり、どこかで、無理せず楽しく走れれば良いやと思っていて、あと1キロだし来年リベンジしよう!とポジティブにその大会を振り返っていたのでした。
ところが、2016年の同大会エントリー時はうつ病で休職中。体力回復のために数キロのランニングをすることはあっても、とてもじゃないけどフルマラソンに挑戦できるような心身状態ではなかった。
うつ病自体が一応寛解したあとも、なんとなく自分に自信のない日々が続き、フルマラソンを完走したいという気持ちはいつのまにかどこかに行ってしまっていた。
でも走ること自体は好きだったので、2018年くらいからちょこちょこランニングを習慣にしようと試みていて、このnoteの初投稿をしている2018年1月末にも、今月は29.5キロ走れた、という記録があった。そしてさっきnoteを振り返るまで完全に忘れていたけど、この年にフルマラソンにエントリーしていたらしい。でも夏頃から大AD時代に突入し、noteも書けていなかったようだしランニングも全くしていなかったと思う。(テレビの制作会社でADをやっていたのはたったの1年半だったけど、自分の中であまりにも強烈な出来事ばかりなので「大AD時代」と呼んでいる)
本格的にまた走ろうと思えたのはやはりコロナ禍。
今の夫と同棲を開始し、一緒にハーフマラソンに出たのが2020年12月。でもこのときも今思うと心配になるような記録が残っている。笑
いつも通り計画倒れで十分な練習ができず、あとは当日のコンディション次第だったが、朝起きた瞬間からものすごい冷気と雨で、メンタル的には終了していた。いろんな奇跡が起きて完走できたけど、本当は今でも信じられない。思えば、行きの電車の中で調べた"ピッチ走法"に助けられたのかもしれない。走り方くらい、練習の段階で調べておけよな…。
とはいえ、ハーフ完走という事実が自信になってくれたことと、身体的な限界にチャレンジするヒリヒリ感が気に入って、そろそろフルマラソンをリベンジするときが来たのでは?と思えたのだった。
2021年からランニング仲間が少しずつ増えてきて、リレーマラソンに出たり、10キロの大会に出たりしていて、けっこう自然な流れで2024年の頭には「一緒にフルマラソンに出ない?」と数人に声をかけた気がする。人を巻き込んだからにはやり遂げなきゃ…!といい感じのプレッシャーもあり、2024年の大会には今までの「ノリと勢い」ではなく、「習慣と戦略」をもって挑めた気がする。(書き方かっこいい。笑)
【習慣】についてはもともとかなり苦手意識があったけど、これまでの経験から練習なしでいきなり長距離を走るのは無理だとわかっていたので(当たり前)、とりあえず土日のどちらかに5-10キロくらい走る、というゆるい目標を立てていた。春頃から一緒に走ってくれる仲間が見つかったこともあり、だるいなーという日も友人との約束に間に合うようになんとか準備をして、走り出すと全然楽しくて、真夏をのぞいて月30-50キロくらいを積み重ねることができた。
ランニングを習慣にしようと考えた当初は、シンプルにその時間を確保することしか考えていなかったけど、土日元気な状態で走るには必然的に金土の酒をセーブする必要があったり、平日もただがむしゃらに働けば良いということではなくなったので、実はランニングを習慣化したことが生活習慣の改善にもつながって、これには驚きだった。
【戦略】の部分は9年前とは違い、YouTubeでマラソンの練習や大会前後の過ごし方について発信してくれている人が多かったので、先人の知恵をお借りすることでうまくいった。とくによかったのは
①ランニング前後のストレッチ(膝が痛くなるのは股関節がかたいから…!)
→いつも見ている動画
②長距離走るときは足の指の間にワセリンを塗ると靴擦れしない(これを発信してくれた方には本当に頭が上がらない)
③大会前日も当日もしっかり食べる(皆で朝牛丼を食べたのは良い思い出)
④ミズノのマルチポケットパンツが優秀すぎる(全部ポケットに入るので身軽に走れました。ミズノさんありがとう)
エントリーしたのは学生時代にお世話になった土地、新潟の大会。2014年にハーフ、2015年にフルを経験した【新潟シティマラソン】。ラン仲間では新潟発上陸の人もいたけど、みんな楽しく参加してくれて、半分旅行気分で全部で8人で行った。(そのうち2人は応援隊!ありがたかった…)
今回の目標はタイムではなく、とにかく完走。
2015年に5時間だった制限時間は数年後に延びたらしく今回は7時間だったので、前半10キロくらいは体力温存のためにキロ8分くらいをキープして、そのあとも7分半前後で我慢の走り。
しんどくなったら友人たちがおすすめしてくれた「元気が出る曲」のプレイリストを聴いて。2週間後に迫る結婚式の残タスクを思い浮かべては、式当日を無事に迎えるために走り終わったあとどのように身体を回復させていくか考えて(そもそも出るタイミングが間違っているというツッコミも挟みつつ笑)。そしてたまにすれ違える仲間と励まし合って。あとはひたすら信濃川と日本海の美しさに見惚れながら走っていた。20キロ超えたあたりで目の前に一面真っ青な景色が広がったときの感動は今でもはっきりと覚えている。
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9月末に一度練習で30キロの大会に出ていたこともあり、そこまではなんとなくイメージできていたけど、そこを超えてからは9年前の記憶もほぼないので完全に新しい世界。初めて!を脳が喜び、ワクワク感が背中を押してくれて35キロくらいまではなんとか頑張れた。でも35キロ地点って歩く人がどんどん増えるので走り続ける孤独感もあり、日差しが強くて飲んだ水がすぐ身体から消えてしまい、、え、けっこう練習してきたつもりだけど、全然足りてなかった?もしかしてもう無理・・・??となった。仕事で来られなかった夫に
37通過した
つらいです!!!笑
とメッセージを送っていたけど、本当は笑えないほどきつかったことを覚えている。
途中もう歩いてしまおうかなと思うこともあった。歩いたとしても時間内にゴールすれば完走だし。でも、一度歩いてしまったらもう走れないんじゃないかという不安と、そもそも歩いたら「完走」じゃないよな?という自分のおかしなこだわりで、結局最後まで走ってゴールすることに。
37キロからの5キロを支えてくれたのは
①シャッフル再生でドンピシャの曲が来たときの感動(予測不可能性、偶然性に興奮するタイプ)
②グループラインで仲間がゴールしたことを知れた喜び
③9年前よりも老いているのにリベンジができるほど健康になった自分の肉体への感謝
という感じでした。
どの大会に出てもそうだけど、最後はなぜか火事場の馬鹿力が発揮され、50mくらいダッシュしてゴールすることができた。タイムはネットで5時間42分。グロスで5時間53分。
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ということで、無事に、9年前41キロ地点でうずくまってしまった自分を迎えにいけました。
一緒に走ってくれたり応援してくれた友人、そして結婚式前に無謀な挑戦をさせてくれた夫や家族に感謝しています。ありがとう。
・・・
これでフルマラソン物語は終わりかと思いきや、本当の意味でリベンジをするならやっぱり5時間切りたい!と考えてしまう性分なので、今年も走ります。まずは制限時間5時間半のあおもり桜マラソン。桜の中を走れるなんて、最高じゃないか。2/10までエントリーできます。
あともうリベンジとか関係なく、各地のマラソン大会に出てみたい!というシンプルな欲望もある。
なんでもない32歳社会人のフルマラソン挑戦記。最後まで読んでいただきありがとうございました。
このあともう1記事、飽き性で運動も特別好きではない私がランニングを継続している理由やそのコツについて書く予定です。