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父の葬式で泣き崩れたあの女性は誰だったのか
1月は何かとあった月だ
父が亡くなった月でもあるし
子どもが生まれた月でもある
生と死が重なる月
父が亡くなった時
私は大学生だった
癌を患い、闘病し1年も経たないうちに亡くなった
そんな父の葬儀で
今でも覚えていることがある
父の棺を前に
脇目も振らず大泣きしている一人の女性がいた
喪主の母は「あの人、誰?」と声にならない声で
つぶやいたのを私は聞き逃せなかった
今は分かる
きっと父を慕っていた一人の女性だったのだろう
でも、分からないこともある
不倫相手の葬儀に出れるような立場って
どういう関係だったのだろうか、、と
おそらく
会社の人だったんだと思う
泣き崩れているその女性を何人かの人が
支えていたけれど
たぶん、あの大人数に紛れているから
会社の人だったんだと思う
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父は51歳でこの世を去った
まだ現役の会社員だった
働き盛りで仕事人間だった
けれど家族との時間も大切にしていた人だった
単身赴任も多かった
母、私、妹の女ばかりで週末に帰る父を待った
父が帰る週末は夕食が2品くらい増えるから嬉しかった
父はモテたと思う
仕事も出来たし人づきあいも大事にしていた
稼ぐのが男の甲斐性だとよく言っていたし
実際に評価もされていたと思う
私の友達にも「かっこいい」と言われた時期があった
母はそんな父を射止めた
いつも母は「お父さんが勘違いしただけ」と笑いながら言っていた
いつも父は「毎日会社に弁当を作ってくるからてっきり料理上手な子なんだって思っていたら、実は違った」と笑いながら言っていた
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それから時が経ち、私も妻になり母になった
どの姿も私の父は知らない
大学生の娘の時で止まってしまった
この世があって、あの世があるならば
今の私の愚行をなんというだろうか
(愚行と書いたけれど
心の中では一切そんなことは思っていない
世の中にあっかんべーとしている気持ちです)
この年末年始、彼とは連絡を取っていない
彼から来たLINEに返事をしていないのは
自分からあえてそうしているからだ
家族との時間を大事にする彼を尊重するならば
私は連休中は控えておこう
そう思えるようにやっとなった
私自身も自分の時間を大事にしたいと思って
今こうやってnoteを書いている
そして、自分に時間をかけることを
優先してやっていきたいと思うようになった
これは見返す自分のために書いておく
ネイル(親指だけデザインしたい)
メイク(シェーディングとハイライト)
料理(おつまみ増やす&作り置き)
お酒(カクテル揃えていく)
ライブ参戦(友達かっこよかった)
後ろ髪刈り上げる(復活させるw)
彼との時間も大事だし
自分の好きを満喫する時間も大事
バランスを取ることは
双方のためであるし
長く続いているカップルは
お互いの時間や趣味を理解しているとも
何かに書いてあった
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きっと私は彼のお葬式に行くことはできないだろう
今は別の職場だし私も転職する可能性も高い
だから職場関係の人として一斉に声がかかることはない
彼の奥さんとは知り合いではない
だから、知る由もない
それは今であっても同じだ
彼と音信不通になるだけである
彼の棺の前で泣き崩れるようなことはないだろうけれど
彼と別れるその日までは
お互いリスク管理を怠らず
家族を大事にし
自分の時間を大事にして過ごしたい
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父の名誉のために言うならば
子どもである私に不倫がバレた事実はない
もしかすると
父にもそういう存在の人がいたかもしれない
あの泣き崩れた女性がそうだとしても
いや、むしろ来ていない人がそっとどこかで
涙を流していたとしても
父を軽蔑する気持ちはない
バレなければ
墓場にまでもっていったもの勝ちだと
父の17回忌を前に思った娘の私なのでした
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