【現代短歌】向上心はないけど、生きてるから褒めて
時間っていつもいじわる幸せと感じる時だけ加速するから
鬼に怒られるときだけ地球儀を回して時をスキップさせたい
不適切にもほどがある父親を不適切にも尊敬してる
好きっていう気持ちいつまでも角が曲がれないわたしたちでいようよ
どんぐりコロコロどんぐり子沼男にハマって、ハマって、さあ大変
一歳の息子のもらってきた風邪がうつってこれも家族なんだな
今日もまた出逢ってしまったこの世界は天才バカりで目が回る
拝啓Kさま「向上心はないけど生きてるから褒めて」Zより
鳴かぬならそういう鳥なのほっといてダイバーシティNEOホトトギス
空き瓶の底で息する煙草と俺と一体どっちが偉いのだろうか?
釣人の眼は釣糸と水面と泡の先に未来を視ている
帰ったらレコードプレーヤーがある私の城は完成したのだ
歴史とか宇宙の秘密なんかよりあなたの好きな歌が知りたい
男1女3のグループって都会に生えた毒キノコみたい
井の頭公園のベンチはタイムマシン僕たちだけが知ってる
六本木が似合う大人にはなれないと気づいた僕のはっぴいえんど
できるだけ頭を使わない遊びしようよ今が幸せだから
誰にでも愛想を振りまくおみくじであっても大吉ならばうれしい
指の腹辷らせて目尻の皺で80年の歴史を辿る
沿道のひとりひとりとハイタッチ両手でスターのアルペジオ