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馬と鉄の馬の話-おとなのための童話①

おとなのための童話1



のどかな土曜日の午後のとある牧場。
horse鉄の馬iron horseが牧場の柵の内側と外側で休憩中でした。

🐴 ねえねえ、バイクくん。君はすごく長い距離を走れるんだって?すごいよね!

🏍️   たいしたこたぁねーよ。ま、500キロくらいは軽いけどな。それよりおめーの方がすげ〜じゃん。森の中を道がなくても走れるそうじゃん。

🐴 すごいかどうか分からないけど、僕らは自分が通れる幅さえあれば、どこでも走れるよ。
それに岩山だって急な斜面だって登れるんだよ。

🏍️    それがすげ〜ってんだよ。俺たちの仲間の、荒れた道用のモトクロッサーだって、ハンドルの幅がないと走れねーしよ。
それにロードレーサーときたら、道が無いと、からっきし役にたたねーんだからよ。

🐴  そうなんだね。ハンドルって不便なんだね。そう言えば、君たちの餌って、ガソリンだよね?餌がないと走れなくなるの?

🏍️    おう。そーだぜ。最近は、電気を食って走る奴も出てきたみたいだけどな。
とにかく、餌が切れたら俺たちはお陀仏だな。

🐴  それは不便だね。僕らは森に入れば、おやつがそこらじゅうにあるよ。食べながら移動することもできるね。それに僕らのうんちも森の中なら森の土にもどして栄養になるらしいよ。

🏍️    うんち。。。ああ馬糞ばふんの話か。そいつはcoolだなぁ。俺らは二酸化炭素とかの毒を吐き出すから、SDGsつーの?あれで、目の仇にされてるらしーな。

🐴  あ、馬糞(ばふん)とかもろに言われるとちょっと恥ずかしいね💦 
人間は馬糞ボロって呼んでるけど。森の中でなくても、畠ではいい肥料になるらしいよ。

🏍️      そーか。おめーら、人間の役に立っててえれーじゃん。ま、俺たちも、「バフン」は出すんだぜ。

🐴  え? バイクなのに、馬糞を出すの?

🏍️    あは。俺たちのバフン!は、エンジンをふかす時の音さ。バフン、バフン❗️

🐴 あはは。駄ジャレ? 僕の鞍の下に敷く座布団を一枚持ってくるよ。

🏍️    し、『笑点』かよ! 

🐴 あはは。実は君たちのエンジンの音が大きいから、僕らそれが怖かったんだけどさ。意外にいいひとなんだね。ワルぶって、カッコつけてるだけなんだとわかったよ。

🏍️    まあ、お前らもなんか、ずーたいデカいからちょっと怖かったんだけどよ。話してみるといい奴らなんだってわかったよ。
これからは、お前らの側を通る時は気をつけてやるよ。

🐴 それはどうも。
あ、君のご主人様が戻ってきたよ。
僕セルモーターの音好きじゃないから離れるね。
バイバイ!これからもよろしくね!

🏍️  おうよ!これからもヨロシクな!
あばよ!

バイクは爆音と共に去っていきました。

馬場に残されたその馬は、去っていく鉄の馬を見送りながら、新しい友達ができてなんだか嬉しいなと思いました。

しばらくして、馬のライダーが馬場にやって来ました。

「お、お前、なんだか今日はやる気出してるな。よし、今日は天気もいいし外に出ようか?」

馬は、やったー❗️と思いました。

おしまい。





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大村義人(ペンネーム )/じーちゃん
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