ストリームライン2
前回のストリームラインから更に深く解説していきたいと思います。
前回の記事はこちら⇒ストリームライン
前回の記事では以下の事に触れています。これについて、一つずつ追及していきたいと思います。
①上半身より下半身の筋量が多すぎると、重心は浮心より離れてしまい、足が沈みやすくなる ②腕を頭の上で組む時に、肘が伸びない又は腕の組み方がゆるいと、浮心へ重心の位置が近づかないため、ストリームラインの維持が困難 ③肺への空気が下にはいっておらず、上にばかりに溜まっていると、浮心が重心に近づかない
①上半身より下半身の筋量が多すぎると、重心は浮心より離れてしまい、足が沈みやすくなる
これについては単純に下半身のみ鍛えて上半身の筋力が少ないと、ストリームラインを取った時に下半身のみ沈んでしまう事になってしまいます。下半身の筋量が現在の体組成の状態から低い・標準・高いのどれにあてはまるのかを私のお店ではInbodyを使用して確認できます。
②腕を頭の上で組む時に、肘が伸びない又は腕の組み方がゆるいと、浮心へ重心の位置が近づかないため、ストリームラインの維持が困難
肩甲骨や胸郭の柔軟性が乏しいと頭の上でのストリームラインが取りづらく、腕と頭が下がってしまいます。この状態を無理に上げようとすると、腰が沿ってしまい、水中での抵抗を上げてしまう事にもなります。腕と頭が下がらず、腰も反らない状態だと、重心位置が上方へ移動し浮心へ近づくとため、安定した水中での姿勢へとなります。肩甲骨や胸郭の柔軟性について別で書かせて頂きます
③肺への空気が下にはいっておらず、上にばかりに溜まっていると、浮心が重心に近づかない
浮心とは水中の中で体へ作用する浮力の中心であり、重心より頭の方へ2~3cm上にあると言われています。この浮心と重心の位置が近い方が水中の中で安定するため、先ほどの腕や頭が下がると浮心へ重心が近づかないとは反対に浮心が重心へ近づかないという事も考えられます。先ほどの胸郭の柔軟性は、この肺の下まで空気がはいりにくいという事にもつながるため、胸郭の柔軟性向上や呼吸訓練も必要となってきます。
まずは、このような基本的姿勢であるストリームラインをとる事が大事であり、これが選手によってとれていないのであれば、泳ぎの前にチェックをする必要があります。自分の姿勢というのは、鏡でもみないと意外に分からないものであり、何が正しいのかを分かっておらずに、長期間その姿勢でいると、脳がその姿勢を覚えてしまい、当たり前の正しい姿勢になっている事があります。私が選手へ伝えていくことも改め、今後は練習前にストリームラインの修正から入ろうと思っています。