日本の『食の至宝』
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日本の食文化を守るため、料理人ら職人を「食の至宝」として国が顕彰する制度が生まれる。文化庁が25日、有識者会議の提言を発表した。
2026年度からの実施を目指すといい、将来的には食分野からの人間国宝(重要無形文化財保持者)の認定にもつなげたい考えだ。
日本の食文化は、ユネスコの無形文化遺産に「和食」(2013年)や、日本酒などを造る技術「伝統的酒造り」(24年)が登録されるなど海外からの評価が高まっている。一方で、担い手不足は深刻で食文化の保護・継承は大きな課題となっている。
提言では、最高峰の技術を持つ職人を「食の至宝」として顕彰することを提案。料理人だけでなく、酒造りの杜氏や仲居など日本で食文化を支える多様な人材を対象とするいう選考はまず、専門家ら推薦委員が分野ごとに候補者を選ぶ。そのうえで学識経験者や料理人、文化人らからなる選考委員会が1年に1回選び、文部科学相が決定する。
選考過程では、歴史的に価値の高い技術を持っているか、芸術的価値があるかといった点のほかに後継者の育成や普及啓発に取り組んでいるかなどをみるという。年齢は考慮しない。
食文化では、国の登録無形文化財に「伝統的酒造り」や「京料理」が登録されているが、重要無形文化財の指定はない。文化庁の担当者は「『食の至宝』から将来、人間国宝が認定されれば」と期待する。
同庁は4月以降、推薦委員や選考委員の選定などを決める有識者会議を設置する予定。
↓文化庁HP↓