牛丼食べたい
「すみません。新宿のお化け屋敷に向かいたいのですが、あちらの道には熊がおりまして、別の行き方はありませんでしょうか」
「そんなことは私に聞くよりもタクシーの運転手なんかに聞けば毎秒5デシリットルの重さで答えてくれると思うのですが、まあ今の日本は平和ですから、煙草でも吸いながら湯河原行きのバスに乗れば万事解決ドラえもんかと」
「あなたはどうやら聡明なようだ。和歌山でホームレスをしている焼肉屋の店長もニッコリですよ」
「しかし所得税が上がっていますから、焼肉屋なんて私はやりたくないですね」
「私はタクシーの運転手をしていますよ」
「脱税ですか?」
「まあ、こと消費税に限っては」
「そうですか。ではその方法を教えていただけますか?」
「そのためには私をフォローして、今すぐ特典を受け取ってください」
「ところで今から会いませんか?」
「すみません。まずは電話からお願いします」
「でも私は顔が良くて頭も良いです。親友にはエーミールのようだと言われます」
「面白いことを言う。あなたは良いところ大豆の挽き肉ですよ」
「ありがとうございます。枝豆さん」
「私のことを若くてフレッシュだと?」
「いいえ、一度会ったときの印象は温泉饅頭でした」
「ところでお化け屋敷はどこですか?」
「まだお化け屋敷に執着するんですか?」
「私にとってはお化け屋敷とナマステだけが生きる意味でして」
「奇遇ですね。私もナマステが好きです」
「私は嫌いですよ」
「ところであなたは何科のカツオですか?」
「在日ニホンオオムカデではあります」
「では私は捕食対象外来生物です」
「それでは、いただきますね」
「術式・食物連鎖──────」