V知らぬオタク、Marprilを知る
谷田ー!
立花ー!
「Marpril」の魅力について語っていきます。
Youtubeを中心に活動しているバーチャルデュオユニット 「Marpril」。
「谷田透佳」「立花鈴」の2人が繰り広げる活動と世界観に、僕はここ2週間でグッと引き込まれてしまった。
ファンとしては新参者で無礼になってしまうかもしれないけど、書ける範囲で愛をもって語っていきたいと思います。6000字程度ですので、流し読みでも結構です。
1.飾らない故の新鮮み
Marprilを語るうえでまず触れておきたいのは、その「飾らなさ」。
Vtuberやバーチャルタレントにはキャラとしての魂がある。そんなキャラの魂のなかにも、素の部分が見え隠れすることがある。
Vtuberには中の人など居ないというのが定説だろうし自分もそう考えていたが、キャラのソウルに別の設定が混じっていることがあるのもまた事実。
このキャラソウルの濁りを逆に利用しバーチャルと現実の境目を曖昧にする手法は、他のVtuberやバーチャルタレントにも見られる傾向のひとつだと思う。
そのソウルの混じり具合を楽しむ風潮もあるだろうし、一部のVtuberに限ってはリアルな人間として扱うこともあるのだろう、と考えていた。そもそも例の四天王と初期のビックバンを目撃しただけで、全くVには詳しくない。
自分はV沼にハマれていなかったのだが、その理由もこの線引きの曖昧さ・キャラとして矛盾がある感じに納得がいかないからだった。
もっと明確に言うなら、バーチャル配信の見方に自分の中で答えが出ていない感じがしたからだ。
たとえば、「高校生と謳いながら高校生の頃の昔話をする」みたいなキャラとしての矛盾があるとして、これをどう楽しめばいいのか。イマイチわかっていなかった。
人として見るのか、仮想タレントとして見るのか。わかんねぇ。ポイー。
こうしてVtuberやその手の配信を見ることはあまりしてこなかった。V知らぬオタクだ。
そんななか、たまたま目についたのが「Marpril」だった。(カートゥーンネットワークのあるある動画から入ったので本当に偶然でした)
初めて見た時の印象は形容しがたいが、Marprilはキャラの矛盾のなさに特化していると思った。
キャラの矛盾がないというか、そこに谷田と立花がいる。人間性を見てくれと言わんばかりの自然体。テンションやキャラを取り繕っている感じがしない。
全身をモーションキャプチャーで映す形を取ってくれていることも大きな要因だと思う。広いスタジオで左右へ奥へ手前へめちゃめちゃ動くし、なんか脱力してブラブラしてる。声質もバーチャルというよりは教室で駄弁っている女の子感がある。”そこにいる”感覚が強かった。
キャラデザインと本人のソウルの親和性も高いのかもしれない。谷田は自称サブカルクソ女だし、立花は他称声量クソデカパワーバカだ。実は2人とも若干頭が弱かったりネガティブ思考だということを後から知ったが、表向きに飾っている感じはない。
思えば「谷田」と「立花」であること以外は、「見た目hiphop寄りのサブカル好きそうな少女たち」ということしか読み取れない。しかも実際に「見た目hiphop寄りのサブカル好きそうな少女たち」であることは間違いない。
16~18歳感がすごい。実際にそうでなくともここまで雰囲気があるのはすごい。ひしひしと若さを感じる。
どんなにキャラ設定をもっても「人間性」として数えられる矛盾のなさが、ガワでない谷田と立花をかたちづくっている。
言ってしまえば、現実で出来るタレント業をわざわざVtuber界で展開している感じだ。
バーチャル配信者の見方の答えはひとつじゃないだろうけど、僕にとってMarprilはそのひとつを教えてくれた存在だ。Marprilのおかげでバーチャル配信者の分かりづらさのフィルターが消えたように感じた。
この「バーチャル配信活動をする人が画面に存在している」という考え方が大事だったんだと気づき、MarprilのおかげでVtuber全体の楽しみ方が分かった気がした。
「飾らない」ということはバーチャル配信者としての新鮮さでもあるし、わかりやすさでもある。バーチャル配信者として誰もが同じ土俵に立った時、Marprilの武器は「飾らなさ」なんじゃないかと僕は思った。
同じ傾向を持つVtuberが複数いるとした時、Marprilを知って好きになることができたのは本当に偶然でしかないが、今は心の底から惹かれている。
2.楽曲と動画のギャップが凄い
日常動画だけ見ていたものの、日常動画を見進めるうちにもっとMarprilのことを知りたくなった。
そうして楽曲の沼にも落ちた。そこで驚いたのは日常パートと楽曲のギャップだ。
これは楽曲配信と日常動画の配信の両方を行っているVtuber全体にある傾向だろうけど、この手のコンテンツは本当にギャップが凄い。そうはいってもヒメヒナくらいしか知らないのだけど
教室の後ろの方でキャッキャしている女子の覗き見感覚で見ていたあのMarprilが、バキバキに歌って踊っている。
かっこいいし、かわいいし、楽曲がいいし、MVの魅せ方も最高だった。ホントに。
この瞬間、完全に沼に両足を突っ込んでいってる感じがしていた。
Marprilは、ただhiphopっぽい恰好してるあどけな少女二人組じゃなかった。
こういうギャップにオトされる仕組みは不思議で、計算された罠にガッツリ嵌ってしまった感じがして少し悔しかった。EDMのバキバキ踊れる上空感と低空飛行の日常シーンの差はギャップを加速させているし、打算的に組み込まれている感じはある。
してやられた。Marprilにしてやられている。
3.アイドル的システム
一度ハマってしまえばもうファンとして生きるしかない。
しかし、低空飛行な日常シーンとバキバキの上空シーンの差を見せつけるのは演者としての技量が試される。
そんな中で谷田と立花がゴリゴリに洗練されきっているかといえば、そんなこともない。打ち込みではないモーションキャプチャのダンスシーンは若干ズレを感じることもあるし、歌唱も言ってしまえば素人に近い部分がままある。当たり前だ。
それでも、まだ未完成な感じが「推さなければ」という気持ちにさせてくれる。洗練されていく過程を見ていきたいし、洗練された時の感動も味わえるかもしれない。味わえなくても親ごころを感じられるし、推すとは思うけど。
これあれだ、日本のアイドルシーンのやり方と一緒なんじゃないか。と僕は思った。思ったが、止まらない。愛が。恋?
(そもそもアイドルシーンにはたまたまハマれていないだけで、それ自体に対抗意識なんてないので愛が止まらないのは当然かもしれない)
曲を見聴きしてアイドルシーン的成長を感じたのは、「sheep in the light」から「city hop」にかけてのダンスのキレの成長。練習したんだろうな~、と感じられる1年かけての洗練ぶりだ。
打ち込みじゃないことは彼女たちの動きをよく見ていればわかる。フリがおそらく決まっていない部分の腕の動かし方などでも、特色が出ている。仕草推しのオタクになってしまいそうになる。
最新のカバー楽曲「love is over」でもコンテンツとしての質の上がり幅の凄さを感じられる。love is overは本人たちも「よくね?」と言っていたが、本当に良い。供給していただきありがとうございます。
供給が行われるたびに、Marprilの知らない一面が見え成長していくこともわかる高揚感。お金を落としてしまう気持ちがよくわかる。アイドルファンもこんな感じなんだろうか。
4.取り巻くビジネスライクな関係性
Marprilの周りにはコンテンツクリエイターがいる。
コンテンツを作りたい人が集まって、楽しめるコンテンツを本気で作っているのだろう。
アイドル的システムがあることからもわかるように、Marprilは本気で計算されたビジネスコンテンツだと思う。(言い方がめちゃめちゃ悪く聞こえるけど、褒めているつもりです。気分を害した方がいればごめんなさい)
趣味や片手間でV活動をする人もいて当然だし実際にいる。深堀りするとバーチャル界隈の分類が難しいという話になってくるが、Marprilは趣味や片手間じゃなく、間違いなくビジネスのコンテンツだ。
そういうわけで取り巻く関係性がビジネス的。
公式チャンネルの概要欄には”2019年3月にデビューした、岩本町芸能社所属タレント「谷田透佳」「立花鈴」のガールズ・デュオ「Marpril」”とある。
Marprilの二人は紛れもなくビジネスのために選ばれた”タレント”だ。プロデューサーがそういう形態や名称を取っているだけ、と言えばそれまでかもしれないが。
また、二人のTwitterアカウントを見ると、双方とももう一人のリンク先を「ビジフレ(ビジネスフレンド)」としている。そもそも谷田と立花に元々の繋がりはない。
見た目は仲良し二人組だが、同じ学校出身だったわけでも、同じ趣味を通じて知り合ったわけでも、幼なじみでも血が繋がっているわけでもない。
志が似ていただけだ。
何の因果か組まされている二人だからこそ、見ていて心地のいい距離感とお互いを知っていく過程が生み出せる。このつかず離れずたまにつく、みたいな関係性が見ていて本当に心地良い。
”志が似ていただけ”の二人がお互いを知っていく過程だとか意見が揃ったり揃わなかったりだとかが垣間見えるのが、Marprilのひとつの売りでもあるのかもしれない。
コンテンツが作りたい人たちがビジネスで集まり、本気でコンテンツを作り、そのコンテンツが面白い。最高。素晴らしすぎる。ただ認知度とお金が足りない、個人的にはそれだけだとすら思う。
このMarprilの面白さを共有できる人はもっと沢山いると本気で思っているし、もっと儲かっていいと思う。というか儲かってほしい。
5.バックストーリーと楽曲詞の一致
こういったコンテンツクリエイターたちの「私だって踊りたい!!」といった本気の思いは、楽曲にも詰め込まれている。
そのうえ、クリエイターの作りたい・関わりたいという想いもMarprilを通して繋げているように思う。
そもそもキャラデザインはVのファンアートを描きまくって活動をしていたRY-2(らいつ)さんという方らしいし、MarprilのMVなどイメージイラストを度々担当している水井軒間さんはバーチャルという世界に本気で恋をしている人みたいだ。下記リンクはその二人がそれぞれ語っているnoteです。
追記:らいつさん本人から訂正のツイートを貰いました、みくらさんという方がキャラデザインだそうです。本当ににわか晒して申し訳ありません…!!いわくめちゃくちゃすごい方らしい。こんなに可愛いキャラデザインが生み出せるのは確かにめちゃくちゃすごい
真に詳しい事や経緯は傍からMarprilを通して見ているだけの僕にはわからないが、本気度は確実に伝わってくる。
バーチャルへの恋。バーチャルという世界に対しての恋。そう考えていくと歌詞の深読みと解釈が止まらなくなってくる。
「Hacked Fruity Luv」ではド直球に制作欲の受容と決意が描かれているし、始まりの曲「sheep in the light」には紡ぐストーリーへの期待と活動の刻限への不安がある。活動から1年経ってリリースされた「city hop」には少しの後悔と力強い再びの決意が感じられる。
「シンフォニア」は共に作り上げることの楽しみとそれに関連する怒り。その不安定さをメロディに込めているように思う。「Girly cupid」は輝く楽しさへの止まらない欲求が歌われているし、「ブレーカーシティ」は後悔と日々のあどけなさを優しく描いている曲なんじゃないか、なんて。
ここまでくるとカバー楽曲の「love is over」やコラボ楽曲の「digitalize」の歌詞すら深読みしてしまう。「love is over」の歌詞でも全く解釈違いが起きないのは、流石に選曲にこだわっている気がする。1st LIVEでこれを見られた人がうらやましい。
初めてリリースしたカバー楽曲がchelmicoさんのこの曲である意味もよくわかる。Marprilはストーリー性にこだわって楽曲をリリースしているんではないか、と思う。(もちろんそうでなくてもこちらが解釈しているだけだから全く構わないのだけど)
曲をまたいでの押韻や同じフレーズの流用も意図的にされている気がして、「作りたい・輝きたい」といったストーリーが一貫しているのが伝わってくる。
しかも、歌詞やサウンドに込められているのはコンテンツクリエイターとしての想いだけではないように思える。
Marprilは、「谷田透佳」「立花鈴」が描くストーリーだ。この二人の想いもうまく汲み取り歌詞を綴っているのかもしれない。
Marprilを読み取っていくうちに頻出している「街」「夜」「踊る」に関連する単語。これらは、都会に出てオーディションを受け輝こうとする二人の姿に重なる気がする。
夜というのをハイリスクで怪しげなバーチャルでの芸能活動とするのなら、これ以上ない比喩だと思うのだ。Marprilは考察自己解釈オタクにも優しいとは。オタクに優しすぎんかね???全部気のせい???どっちでもいい。好き。
あとcity hopのMVは1年経って過去のMVを踏襲している場面もあって、オタクくんこういうの好きでしょ?って豪速球投げられてる気分になります。
好き~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
たまたま動画をクリックしたMarprilとの出会いでこんなに人生が輝いて見えると思っていなかった。僅かでも供給さえあれば人生を楽しんで生きていけるかもしれない。
そのためにお金を落とさなければならないし、お金を落とす人を増やさなければならない。これがビジネス、これが経済か~~~~~~~。
6.なによりMarprilの二人が最高
ここまでウダウダとオタク・ライティングをしてしまったが、Marprilの本来の魅力について触れていない。僕が偶然クリックした理由と、Marprilに惹かれた理由は何だろう。
理由。まずキャラデザがめちゃめちゃいいのよ。そんでもって仕草がかわいい。しゃーねえ、オタクだからこればっかりは。好み。見たことないVtuberでキャラデザインが好みだから見た、といえばそれまでかもしれない。
だけど、ブラウザバックすることも興味を失くすこともなかったのは、谷田と立花だったからだ。
谷田ー!立花ー!と始まっていなかったら見るのをやめていたかもしれないし、ダラダラ動いている姿じゃなければ画面に惹きつけられることはなかったかもしれない。
Vtuberにしてはあまり見ない声質と設定だな、と思わなければ2本目の動画は見なかったかもしれない。なんか違うな、と思ったら3本目の動画を見る途中のころには離れてしまってもおかしくなかったのだろう。
だけど今、どハマリしてyoutubeに楽曲リストを作ってループ再生しながらこの記事を書いている。
谷田と立花だったからだ。それ以外にない。
谷田がゲラだったから。立花がボケ続けるから。谷田と立花の一人称が谷田と立花だったから。谷田の笑いのツボが理解できるし、立花の脱力仕草が可愛いから。谷田のワードセンスが好きだから。立花の声がデカいのは頑張っているからだと知ったから。
谷田と立花の見た目と本質が逆だったり、逆かと思えば合致していたり、どこか補い合っているような気がするから。仕草の違いや好みの違いにグッとくるから。塩と砂糖。暑がりと寒がり。月と太陽。太陽…?
雰囲気がゆるいとこ・動きが大きいとこ・テンポがいいとこ・日常とパフォーマンスのギャップが大きい・掛け声が合わない・たまに掛け声が合う・スタッフの笑い声もたまに聞こえる・脚・スパッツ・演出がバラエティっぽい・楽曲が素晴らしい・声質・詞が深い…挙げればまだまだある。
それらをまとめていうなら、”谷田と立花だったから”だ。
MarprilがMarprilだったからだ。クリエイターたちの術中に嵌っているといえばそうだろうが、運命的なものを感じるほどにハマってしまっている。
きっかけから言語化するなら、冒頭に言った「飾らなさ」から遡っていくのかな、と思います。2週間前だから”ハマってる”に説得力ないけど、早く誰かに伝えなきゃ!と思って。
最後に
語りたいことは以上です。
失礼なことも多々書いてあったと思いますが、少しでも目を通して頂いてありがとうございました。
Marprilをもっと推していきたいし、みなさんもそうだったら、またそうなってくれたら嬉しいです。
動画ごとにここがいいよね!!みたいな共感オタトークしたさもあるんですが、youtubeのコメント欄かTwitterでいいと思うので文量抑えるために控えます。文をいっぱい読む人のために書いたんじゃなかったはずだけど、そこそこ書いてしまったかもしれない。
すぐさまお金をガッと出すのは難しかったので、とりあえず布教記事だけ書きました。
進みたいよ 辿り着いた最後のEXIT
こちらからは以上です。ありがとうございました。Marprilすき
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