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谷川俊太郎さんの訃報について

 ゆうべ、午前3時半ごろ、DQXの討伐動画も録らずにぼんやりとスマホのソシャゲを辞め時を見つけられないまま回していた頃。
「そろそろ切り替えなきゃ」とソシャゲを落として、なのにまた、スマホはTwitter(ことX)のアイコンをタップしていて。
 そして、谷川俊太郎さんの訃報を知ったのでした。

 まず思ったのは「友達の〇〇さん、ショックだったろうなぁ」。
 谷川俊太郎さんのファンであり、ポエトリーリーディングに演者として参加するくらい「表現」についてマジメに考えていた人だったからなぁ。

 そして、次に心に浮上してきたのが「私が谷川俊太郎についてツイートしちゃったせいで、お亡くなりになったのだろうか……?」という不安。
 11月の初旬にとあるツイートに考えさせられて、なんとなく連続ツイートした結びの段に谷川俊太郎さんのお作を引用していたのでした。

 いわば「自虐ネタ」なんでしょうけども、詩を読んでる間の読者の心境としては「お前っ、そんなこと考えてんの!?」みたいな飛躍の仕方がすごすぎて、その点でも谷川俊太郎先生の凄みを感じられるので、「俺ほどシリアスに性欲に悩まされているものはいない」などと、人類代表みたいに性にお悩みの方はぜひ一度、目の前の箱や板で検索してでも【なんでもおま◯こ】をお読みになっていただきたい。(今ならサービスで、外部サイトへのリンクも付けときます)
「俺の方が谷川俊太郎より業の深い妄想をしている」という自信のある方には、妄想の作品化をお勧めしたい。私は普通なので、読んだ時にはスケールのでかさにビックリしたもんです。
 リンクを探したついでにお作を読み直してみたらそのスケールの違いに、「私が行きたかったあのお店、昨日行ったら潰れちゃってたんだよね……。私のせいなのかな?」みたいなチンケな悩みはどうでもよくなってしまいました。
 そう。死因は老衰だとのこと。つまり「大往生」です。彼はよく生きたのです。人間としてまっとうな死を迎えたのだ。私はそう思います。

 上記記事紹介ツイート中の「俗は大事」ということばは、残念ながら有料記事部分で言及されているのですが、無料会員登録すると月1本(前は月10本まで許されていた)の有料記事が全文読めます。でも「俗は大事」その言葉だけでもなんだか素敵なかけらをもらった気がしませんか?

「詩人」というと、一種の「文学者」「文壇人」というようなお堅いイメージを感じて、心に壁を作ってしまいそうですが、80歳を超えてからTwitter(ことX)でSNSデビューを果たし、享年92歳の現在も約28万フォロワーを抱えるアルファアカウントっぷりです。
「老いてなお盛ん」を体現するような活動ぶりは、先に触れた「ポエトリーリーディング」にとどまらず、詩作・翻訳(シュルツの代表作コミック「スヌーピー」の日本語翻訳をされたのが有名ですが、海外の絵本作品の翻訳も名著が多いとのこと。「スイミー」はボカロ曲ではなく絵本が原作だということも教養として覚えておきたいもの)などでも活躍されているし、今年に入ってからもインタビュー取材に応じたりされていたようです。
 私はそんな呼び方知らなかったのですが、「国民詩人」と日経新聞が呼んでしまうくらいには「平易な日本語」でつづられつつ深遠と評される詩世界は戦後以降の日本人の語彙にマッチしているからこそ、いまもなお老若男女問わず心にしみる言葉たりえているのだろうと思います。
 最後に、誰が聞いても名作だと思う「朝のリレー」をご本人が朗読するというスペシャルな動画がありましたので、その紹介をもってこのご訃報への私感の結びとさせていただきます。

 



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山口小夏
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