泣き出す程の晴れ空に
先日Mayoに行って来た
Mayoってどこ、という疑問が先ず浮かぶと思う
地理的な説明をすると
イギリスの隣国は、アイルランドの北西部に位置する
大西洋に面した自然豊かな市
中心となる1番大きな町でも
人口5000人ほどらしい
だから住民はほとんどの人が知り合い同士なんだとか
おそらく人生で初めて大西洋の風を
肌で撫でているのだろうと
感じる風は
夏の入り口に立っている
6月下旬でも冷たくて
日本で知る場所では
どこも比喩に喩えられない
穏やかで、でもひんやりと感じる街
町の説明をしているだけでも
長いこと続きそうなので一旦、閑話休題
アイルランドに住んでいる今の内に
どうしても訪れたい場所
おそらく一番人気のモハーの崖は後回し
(いい加減そろそろ行けよっていうのは、
それはまた今度)
なんといっても、このMayoは
我らがPeggy Gallagherさんの故郷
だから、どうしても訪れたくて
首都ダブリンから、電車で3時間少し
夢かと思うほど長閑な景色が続く車窓
ひたすら緑と羊
その間にはまるで、
遠い昔に絵本の中で見たような
そんな勘違いを起こす
可愛らしい西洋造のお家が流れていく
PeggyさんとNoel、Liamのギャラガー兄弟
大好きなエピソードはたくさんあるけれど
1番印象的な話は、家の話
oasisで成功を収めて大金を手にしたLiamさん
大好きなPeggyさんに豪邸を贈ったところ
要らないと、突き返されたという
(なので門を送って、Noelはフェンスをプレゼントしたらしい。外構兄弟。)
誰もそんなもの欲しいなんて頼んでいないし
今の家で満足しているし
そんなPoshな家になんて住みたく無い、と
突き返したんだとか
oasisの大成功にも
ただ、自分達で生きていけるようになってくれたら、
それだけを望んでいたみたいで
ところで、マンチェスターへの移住は相当嫌だったと語られていた
マンチェスター、悪くないのでは、思っていたけれど
MayoのWestportを訪れて、ようやく分かった
この街は、とても居心地が良い
夜は、本当の静寂が
まるでふんわりとヴェールが掛けられるように訪れる
でもそれは不安を誘うような
深い暗闇ではなくて
休息のための黒
次に動くため
羽を休める、その時間
日中は、陽が燦々と眩しく
でもそこはやはりアイルランド
すぐ曇る、気づいたら雨
そして振り返った瞬間
雨はまたどこかへ消えている
街の人達もそんな穏やかさを気に入っている様子
東京に比べたら
ダブリンでさえ時がゆっくりに感じられるけれど
ダブリンはもっと忙しいから、ここが好きなの、と
語ってくれた優しい女性に
東京を知ってしまった私は
何も言うことができなかった
Mayoの人達は
きっと、あの街で暮らして
必要なものを
きっと、どこかでちゃんと分かっている
これを知りたくて、ここまで辿り着いたのだろうか、
私は、そんなことを考えながら
帰りの電車から、また羊を眺めて
慌ただしい、首都に帰ったのだった
きれいなのどかな素敵な街
といくら並び立てても
アイルランドが経済的に立て直したのは
わりと最近のことらしく
大好きな故郷を離れる決断をしたPeggyさん
あの強さはどこからきて
Gallagher兄弟に影響を与えたのか
それを知りたいという目的は
少し、ほんの少しだけ、
叶えられた、気がしている