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もうまもなく!?iOS14.5で広告計測がどうなるかをざっくり解説

こんにちは kon です。
まもなく施行されるというAppleのiOS14.5問題ですが。どのように変わるのか媒体の資料を読んでも理解するのが非常に難しいと感じています。
今回はいろんな媒体資料を読んでみてわかりやすくざっくりとまとめてみました。

前提として

アプリ広告運用者目線での解釈
広告計測がどうなるかについての内容
使用しているSDKはAdjustのお話

現時点でわかっている情報になりアップデートにより仕様が変更となる可能性があります
個人の認識になりますのでここ間違ってるとかこういう認識が正しいとかあれば教えていただけると大変助かります。

iOS14.5でなにが起きるのか?

まず、iOS14.5問題とは何かというとAppleのプライバシーを守るポリシーのためにiOS14.5以降の計測はデータの取得に制限がかかってしまうという問題になります。

データの取得制限が起きると何が困るのか?

データの取得制限が起きると大きく分けて3つ困ることが発生します。

1.広告経由のデータがわからなくなる
2.リアルタイムの計測ができなくなる
3.リターゲティングやLTVの計測ができなくなる

つまり、広告CPAが上がって見えるようになり、さらに広告経由の分析ができなくなるので運用者にとっては辛いことしかないですね。


データの取得方法がどの様に変わるのか?

iOS14からはiPhoneの設定でデータの取得を許可する、しないを選ぶことができます。こちらで取得を許可しないと設定している人はIDFAというデータが取れなくなるため広告経由のデータがわからなくなります。
こちらはオプトアウトという機能になります。

今後はそれに加えアプリの初回起動時にアプリ毎にデータの取得を許可するしないを選択する画面が表示されることになりました。
そのタイミングでデータ取得を許可しないと選択した場合、インストールしたアプリに対してだけデータを送らないという設定になります。
こちらはオプトインという機能になります。

オプトインで許可してもらって計測する方法をATTといいます。


ATT計測

ATT計測を簡単にまとめると

1.アプリの初回起動時にデータ取得の許可をしてもらわないと獲得経路がわからなくなる
2.広告媒体側+アプリ側で許可してもらわないといけないのでハードルがかなり高い
3.許可してもらえたら今までと同じ計測ができる

となります。

オプトイン、オプトアウト共にデータの取得を許可するになっていれば今まで通りの計測ができますが、こちらが拒否されてしまったときに広告の計測ができなくなってしまいます。

広告経路の情報が取れないため該当するユーザーはオーガニックとして計測されるため広告CPIが上がって見えることになります。

さらにオプトインの場合、広告媒体側+インストールしたアプリ側両方で許可してもらわないとデータが取得できないため難易度がかなり高いです。

オプトインの許諾の文言についてはアプリ側で変更できるので許諾率を上げるABテストが重要になります。
すでに実装しているところで許諾率10%-15%と聞いたのでその場合CPIが10倍になりますね(恐ろしい)

オプトインで拒否された場合でも経路は計測できる

データの取得を拒否されたら全然広告効果わからないのでAppleより対応する計測システムが提供されます。
それがSKAdnetworkというものになります。

SKAdNetworkとは、Apple社が2018年から提供している問題解決方法でユーザーのプライバシーを守りつつ広告の計測ができる仕組み。個人情報を取得しないで広告の計測を行うということ。

広告の計測できるじゃん、助かった !と思いますがこちらも大きな問題があります。

SKAdnetwork計測で困ること

1.リアルタイムな計測ができなくなる
2.キャンペーンレベル以下の情報もわからなくなる
3.LTV計測もできなくなる

広告の経路は取れるんですが大きく困ることが上記になります。

SKAdneworkの特徴
Appleから計測データが送られてくる

今までの計測
インストールが発生→adjustがどのメディアの成果か紐づけて計測

SKAdnetworkの計測
Apple独自の基準でどのメディアの成果か紐付けられる

できないこと
web計測不可
リタゲ不可
不正検知不可
キャンペーンレベル以外のデータ取得不可
ROAS/LTV分析不可
リアルタイムな計測不可
広告主や代理店へポストバック不可
SKAdnetwork自体の管理画面なし

できないことが大きく分けたこと以外もたくさんあります。

インストールデータがリアルタイムで計測できなくなるためCPIが今までとずれる可能性が高いです。

SKAdnetworkのタイマー機能

SKAdnetworkにはタイマー機能という機能がありこれがリアルタイムで計測できない、LTVとかが追えなくなる原因の機能となります。

タイマー機能とは?

1.アプリの初回起動で24時間のタイマーが起動
2.24時間以内に指定のイベントが発生するとタイマーの時間がリセットされ再度24時間のタイマーが起動する
3.タイマーが切れるとその後24時間以内にAppleよりデータが送られてくる
4.タイマーの状況を知る方法はない
5.イベントが続いた場合最大2ヶ月くらいデータが送られてこない
6.データは一度だけポストバックされる

タイマー機能がわかりにくい機能だなと思いました
結構日にちがずれるということは理解しておいた方が良いかと思います。


コンバージョンバリュー

1.タイマーが発動するトリガーになるもの
2.6つまでイベント設定できる
3.最大63回繰り返すのでイベント発生状況によって時差がかなりでる

今まで チュートリアル突破、登録、課金などユーザーの行動を調査するため様々なイベントを設定していたかと思いますがSKAdnetworkでは6つまでしかイベントを設定することができなくなります。
こちらの6つのイベントのどれかが計測された時にタイマーがリセットされ再度発動します。これを最大63回繰り返すことができるので最大2ヶ月ほどデータが遅れて送られる可能性があります。

またデータは一度しかポストバックされないためタイマーが切れてポストバックされてしまったらその後課金などがあったとしてもイベントとして計測されることができません。

こちらがLTVなどをきちんと把握することができない理由になります。

設定するイベントが簡単なもので24時間以内に何度も発生するものだと63回繰り返す可能性が高くデータが遅れて届きやすくなります。
逆にイベントを少なくするとデータのタイムラグは短いが取れるイベントが少ないためユーザーの行動分析などが難しくなります。

どんなイベントを設定するかは重要ですね。

adjustではコンバージョンバリューの期間を設定することができるためそちらもイベント設定と合わせて取得したい数字を出すための重要な設定の一つになるかと思います。

広告管理画面ではどうなるのか?

広告媒体ではSkAdnetworkに連携している媒体としていない媒体が出てきます。

連携していない媒体はATTの計測となるのでオプトインを許可してもらわないとデータが取れません。
連携している媒体はSKAdnetworkの計測ができますが、媒体毎に対応が違うので注意が必要です。

下記は僕が把握している媒体のiOS14対応に関する情報になります。

Facebook
iOS14専用キャンペーンを作る必要がある。
1アプリに1アカウントまで、アプリごとにキャンペーンは9件、キャンペーンごとに広告セットは5件まで
*実際に配信したら初日はCV0 翌日、翌々日にCVがついてきました
管理画面上で連携設定が必要

TikTok
iOS 14専用キャンペーンを作る必要がある。
稼働キャンペーンは1アプリ11個まで、11個キャンペーンがあって停止した場合新しく稼働できるまで72時間かかる

Twitter
広告グループ70個までが上限、上限になって広告グループを停止した場合新しく作れるまで1週間かかる

その他管理画面上でどの様に表示されるのか,ATTとSKAdnetworkを併用するのかキャンペーンを分けて配信されるのかなど媒体によって違う様ですので広告配信している媒体全てに細かく仕様を確認することをオススメします。 

ATTだけの媒体
通常計測URLの数字を媒体管理画面にポストバックしているのでSDK上でオーガニックに入ってしまった場合は媒体管理画面上にもポストバックされないと予想しています。そのため許諾率が10%だった場合は媒体管理画面のCPIは本来の10倍になってしまいますね


媒体の情報については媒体側にまだ詳しい方針が降りてきていないということもあり引き続き情報収集していこうと思います


adjust 連携パートナー

facebook、snapchatは連携の作業が必要、それ以外の連携パートナーはadjsut側での設定は不要
連携しているとSKAdnetworkで計測できる、連携してない場合はATTでの計測になりそうです。

- Aarki
- Appier
- AppLovin
- Chartboost
- Curate Mobile
- Dataseat
- Facebook
- Feedmob
- Inmobi
- IronSource
- Jampp
- Lifestreet
- Liftoff
- Mintegral
- Moloco
- Nend
- Reddit
- Remerge
- RevX
- Smadex
- Snapchat
- SpykeMedia
- Tapjoy
- TikTok For Business
- Twitter
- Unicorn
- Unity Ads
- Vungle

まとめ

広告CPAが今までの計測と大きく変動することが予想されるので広告運用者はそれにどう対応していくかが課題となるかと思います。
広告媒体毎の細かい調整はできないと振り切ってブランド施策を強めるとか、取れる数字から適正なCPAを算出してそれに合わせてチューニングするとかそれぞれの方針などがあるかと思いますので事業担当者と相談して対応を決めていきましょう。
まもなくiOS14.5がリリースされ計測が変わると噂されてますので早めに準備を進めていきましょう。

本日14.4.2が確認できました。
こちらから適用なのかもう一回アップデートがあるのか調査中です。


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