能登半島訪問 2日目
7月6日(土)のサマリー
7月6日(土)は、
輪島朝市で地震と火事の被害を受けた地域を目の当たりにして、その惨状に言葉を失いました。そのすぐ近くで、小さなレストランをやっているお弁当屋さんに昼食をお願いしており、昼食を受け取る際にお話をしました。
笑顔が素敵なご夫婦で、美味しい食事を提供して頂きました。
白米(しろよね)千枚田では、地震による地割れの被害が少しづつ修復され、水が張れるようになった田んぼもある状況を確認することが出来、ここで天畠をあげさせていただきました。
その後、珠洲市の「海浜あみだ湯」にうかがいました。珠洲市は、今も、半分以上の家屋で水道が利用できない状況で、あみだ湯はそのような状態のこの地域の皆さんに、身体をきれいに保つこと、社会とのつながりを持つこと、安らぎをもたらす場を提供しています。ここで、運営責任者の方から相談されていたアンケートを現地の方々からとらせていただきました。珠洲市の復興に関しての現地の方々の認識やおもいをお聞きすることが出来ました。
朝食
2日目の朝、ボラキャンすずの集合テントで、早起き4人組で早朝のパソコンワークを終わらせて、前日買い出しをしてきた食材で朝食を頂きました。
のと復耕ラボ
私は本日うかがう、輪島朝市近くのお弁当屋さんの場所確認のため、みんなとは別にお弁当受け取り役の仲間と一足早くボラキャンすずを出発しました。輪島朝市に向かう途中、のと復耕ラボの拠点の茅葺庵に少し立ち寄らせて頂きました。
茅葺庵は今回地震からの復興のため本業を休業し、ボランティアの受け入れをしながら、のと復耕ラボのハード面、ソフト面の拠点を担われています。この様な姿勢が外からの共感を呼び、協力を集めていのだと感じました。
輪島朝市
輪島朝市は前回も訪れましたが、同じ場所でも見る角度や視点を変えると、物事のとらえかたが変わってくるのをあらためて認識します。
前回はまだ公費解体が始まる前で、現地はほぼ、地震と火災の被害を受けた当時のままの状態でしたが、公費解体が始まり少しずつですが、現地の様子が変わって来ているのを感じました。
前回来た時は気付かなかった、火炎熱で溶け落ちたドア枠の向こう側に重機がそびえたつのが見えます。物理的な解体・撤去と並行して、過去・現在の補償の話や今後、このエリアをどの様にして行くのかも、もと住まわれていた方々を含め、近隣の方々との話し合いを重ねながら検討をすすめて行くのだと思います。
彩花亭さん
2日目のお昼ご飯は、白米千枚田を眺めながら、お弁当を頂くことにしていました。みんなのお弁当を受け取りに、輪島朝市からすぐ近くにある、彩花亭さんにうかがいました。
素敵な笑顔を見せてくれる、親父さんとおかみさんがつくるお弁当や食事は、輪島朝市を訪れる方や近隣の方々のお腹と気持ちを満たしてくれます。美味しいお弁当、ご馳走様でした。
「地震と火災当日、場所や風向きがもう少し違ったら、ダメだったろう」というおかみさんの話から、まさに被災者の方々の人生への影響がそのような事で大きく左右されたのだと、あらためて思い知らされ、その分水嶺による国や自治体の補償や補助などの判断は、非常に難しいものだと思います。
白米千枚田
輪島朝市の後は、白米千枚田にうかがいました。
自然と上手に向き合い調和された、千枚田と海山のコントラストに目を奪われました。
1004枚ある田んぼは今回の地震で地割れが出来、水をはることが出来ない状態でしたが、白米千枚田を守る団体が力を合わせ、自分たちの力でここまで復活してきました。重機を入れるという話もあったとのことですが、団体の方々は自分たちの手で修復したいと重機を入れなかったとのことです。力を合わせて修復をして行くというその過程においても、仲間で何かを成し遂げて行くやり甲斐、生きがい、達成感があったのではないでしょうか。
夜の食材調達
夜の食材の買い出しに、輪島にあるグルメ館にうかがいました。食材が豊富にそろっており、地域の方々の生活が復興してきている様子が感じられます。やはり、ライフラインが確立されていることが、復旧がすすむ条件のように感じます。
隆起した海岸 渋田浜
1日目にうかがった「スーパーもとや」の休憩スペースでお聞きした、隆起した海岸を確認しに行ってきました。
もともとは、砂浜などは無かったこの沿岸部ですが、今回の地震で海岸が隆起した事で、砂浜が出現しました。
「スーパーもとや」でお会いしたお二人のアイデアは、海岸隆起で出来た砂浜を利用して、暑い中作業をされた方々が入る海水浴スペースを作ろうというもの。面白い考えです。
この他、現地では、やはり隆起した海岸の地形を利用して、道路を作る計画が実際着手され始めています。
自然と上手に関わっていこうというこの地域の方々の姿勢を感じ取る事が出来ました。
海浜あみだ湯の復興プラン意識調査
珠洲市にある海浜あみだ湯では、まだ半数以上のご家庭で断水が続くこの地域の方々に、無料で(私たちボランティアにも500円で)お風呂を提供されています。
移住されて来た若い方々を柱に運営されています。みなさんこの地に魅了された方々で、この地域の復興を強く願われています。その復興は地域に住まわれる方々が共感するものであってほしいですし、行政は地域に住まわれる方々と向き合いながらそれをすすめて行くものだとも思います。
現状、行政と住民の意識に乖離は無いのだろうか。乖離があるとすれば、どの様な部分なのか。住民の方々のおもいはどのようなものか。
あみだ湯に来られる現地の方々の声を集める協力をさせて頂きました。
宇出津の「あばれ祭」
能登に夏を告げるキリコ祭りの先駆け、能登町宇出津(うしつ)の「あばれ祭」にうかがうことが出来ました。巨大な灯籠(とうろう)「キリコ」が町を練り歩くさまと、神輿(みこし)が壊され、暴れれば暴れるほど神様が喜ぶ奇祭には、度肝を抜かれました。
能登半島地震の影響で中止を決める祭りもある中、模索しながらの開催だったようです。
あばれ祭りを見て感じたことは、このお祭りが地域に住む方々を一つにする行事だということ。キリコには小さな子供さんから大人までが参加して構成されています。この準備の過程においても各地域の方々が協力し合って、伝統を受け継いでいかれている様子が目に浮かびました。
祭りといいうものは地域の繋がりを醸成するもので、そのような意味でも、あばれ祭りは今後も受け継いでいくべき貴重な財産です。
2日目の振り返り
海浜あみだ湯でお聞きした住民の方々の声からは、行政の声がなかなか届きづらい、また理解されにくい印象を受けました。
行政と住民のコミュニケーションの場面を増えていけば、声が届き、理解も進んでいくように感じます。
住民の方々のおもいはそれぞれ違いますが、この地域と、この地域の皆さんを大切にする気持ちが伝わってきました。
今後も継続して、能登半島の方々の力になれればと思います。
つづく
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