日本人は感情を出さない…?

「日本人は控えめで、感情や意見をあまり表に出さない」とよく言われますよね。でも私には、少し疑問があります。

実は感情を丸出し!?

日本で働いていた頃、社会人としての基本を学びながら、周りの人たちからもたくさんのことを吸収していました。ただ、職場にはこんな人もいました。機嫌が悪いのを隠さない先輩、怒ると怒鳴り散らす上司…。現在アラフォーの私なので育った環境からも、当時はそれについて「あぁ…社会人は大変だなぁ」くらいにしか思っていませんでした。

もちろん最近は、そういった人は減っていると思いますが、それでも「話しかけにくい雰囲気を醸し出してしまう人」はどの職場にもいるような気がします。これは、「感情を表に出さない」という日本人のイメージとは少し矛盾しているように思えませんか?

英語圏での「感情のコントロール」

カナダをはじめとする英語圏では、「感情を表に出さない」というのはビジネスマナーの一環として非常に重視されます。たとえ仕事中に腹が立ったとしても、プライベートで嫌なことがあったとしても、それを仕事中に表情や態度に出すことは「プロフェッショナルではない」とされるのです。

もし本当に感情がコントロールできないほどの状況や体調不良であれば、むしろ「休む」ことを推奨されます。なぜなら、感情が乱れている状態では良いパフォーマンスが期待できないからです。これは冷たく感じるかもしれませんが、組織として効率を重視した考え方です。

職場では「仕事」をする

もちろんカナダの人々全員が常に心穏やかに働いているわけではありません。路上や店頭で感情を爆発させている人も見かけます。ただ、ビジネススキルとしては「感情のコントロール」が基本として求められます。お客様はもちろん、同僚や部下など社内の人全員に対してです。その結果、ポジションが上がるほど、穏やかで優しそうな印象の人が多いように感じます。部下が上司の機嫌を伺ったり、怒られるかもしれないと怯えるような環境は、仕事を効率よく進める妨げになるからです。

感情教育は子どもの頃から始まる

この文化は子どものころから教え込まれます。例えば、カナダの小学校では低学年でも、嫌なことがあったときに大声を出したり手が出てしまった場合、暴力が許されないことはもちろん、「自分の気持ちを言葉で伝える」ことを繰り返し教えられています。教室には隅っこに、自分の気持ちが落ち着くまで座るスペースがあり、落ち着いて話ができるようになったら、先生やもめてしまった友人との話し合いが始まります。


感情の「出し方」

感情は湧き上がってくるものだし、コントロールすることは簡単ではありません。でも、少しだけ冷静になることはできます。なぜなら、感情的になってうまくいかないこともたくさん見てきているから。ちょっと深呼吸して落ち着くことでうまくいくことがあるならば、そうしたい!と、公私ともに精進していく日々です。

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