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自分探しの結末 【レスキューショット ブービーぼー】

母は悩んだ。
3歳差の姉妹に最初に買うゲームソフトを何にするか。


RPGはひとりプレイになってしまう
小学生の3歳差は大きいから難易度も重要
仲良く遊んで欲しいからバトルはちょっと…
できれば可愛いゲームが良いなあ


そんなふうに母がわたしたち姉妹を想って悩んだ結果、我が家に最初にやってきたテレビゲームソフトが、

レスキューショット ブービーぼーでした。



ぼーは歩き続ける

ブービーぼーはストーリー有りのガンアクションゲーム。
中央に大きく写っているうさぎ?に似た子が、このゲームの主人公である食いしん坊のぼー
ぼーは、母が懸念していた、RPGはひとりプレイになってしまう問題を解決してくれる子。

そう、ぼーは勝手に歩く
操作しなくても、ひとりで前へ進む。
敵がいたって、罠があったって、ぐんぐん進む。

このゲームは主人公を操作する訳ではなく、勝手に歩いていくぼーを見守り、ぼーが襲われそうになったらその敵を撃つ。ひとりプレイも、ふたりでの協力プレイも可能なゲームなのです。


あ、安心してください。敵を撃つといっても血が出ることはなく「ピー」とか「うわあっ」とか声を発して倒れるくらい。

というのも、ぼーを撃つ必要性もあるのです。

ぼーのお尻を撃てばジャンプ。
ぼーの頭を撃てばコテっと転ぶ。

丸太の上をジャンプしたり、転ばせて歩くタイミングをずらしたり、頭上の敵を避けたり。

あとは何でも食べちゃうぼーのために、ライフ回復のフルーツを避けて毒キノコだけを撃ってあげたりもします。まったく、世話の焼ける子なんです。


ぼーが勝手に歩くので自分のタイミングでセーブは出来ないんですが、あと1エピソードだけやろう、という区切りがあります。いつまでも際限なくプレイするのではなく「今日はあと1つにしようね」ができるのも魅力のひとつ。

ゲームの難易度も「手ぬき」「やるき」「ほんき」の3種類から選べるのでクリアしてからもまた違った難易度で挑戦できるのです。


面白い仕掛けも随所にあります。

撃たない方が良いキャラクターがいたり(ボーナスステージに連れて行ってくれる!)、撃つタイミングによって高スコアになったり。

赤ずきんを被った女の子がぼーに近寄ってきたら、しばらくはダメージを受けないように集中タイム。女の子が一定の場所まで着いて来てくれればぼーのほっぺにチューをしてライフを回復させてくれたり。逆にダメージを受けてしまうと怖がって離れて行ってしまいます。


あとは、キャラクターがかわいい。

画像1

いじめっ子な「わるぎー」たちかわいいし、「かものハッシー」というネーミングが好きでした。



ぼくは…王子さま?

さて、どうしてぼーは歩き続けるのでしょう。

ある日、ぼーは王様ごっこで遊んでいました

そこにいたずらっ子の「わるぎー」たちがやってきて
逃げ回っているうちにぼーは崖から落ちてしまいます

そのショックからぼーは記憶を無くしてしまい
近くに落ちていた王冠を見て思い込んでしまうのです

ぼくは…王子さま?

ぼーが歩く理由は、ずばり自分探し

王子さまだと思い込んだぼーはお城へ向かいます。そしてお城に着いたら今度はこう思うのです。「ぼくは…お殿さま?」と。

ぼーは果たして自分を取り戻せるのでしょうか。
わたしは妹と夢中になって遊びました。いや、本気でぼーの記憶が戻ることを願ってプレイしたのです。


ところが、

わたしたちは結局ラストステージをクリア出来ないままなのです。動く床が何回やってもクリア出来なかった。床が動いているのでぼーを転ばせ、ジャンプさせながら進むのですが、これがむずかしい。

わたしたちが小学校に行っている間にちまちまと進めていた母はひとりでぼーの自分探しの結末を見たらしいのですが、悔しいからわたしも妹も協力してもらいませんでした。

いまなら、出来る気がする。


あれから10年経ったいま、小学生のわたしでは見ることの出来なかったぼーの自分探しの結末を見るため、近々プレステを実家から拝借してこようと思います。




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大麦こむぎ
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