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方言の台詞にときめきたい! -方言×マンガ-

方言にはめっぽう弱い。すぐにときめいちゃう。
けれどわたしは東京に住んでいて、なかなか直に方言を聞く機会がありません。だけど、東京に住んでいたってあらゆるコンテンツから手軽に方言を摂取することが出来るのです。そう、たとえばマンガとかね。

と、いうわけで、noteの新しいお題企画「マンガ感想文」と、猫野サラさんの「方言note」を勝手にコラボさせて、好きなマンガの方言シーンについて書いていきたいと思います!


1、坂道のアポロン

1960年代の佐世保を舞台にしたジャズマンガ。主人公の薫(表紙の眼鏡の男の子)は横須賀からの転校生のため標準語ですが、ジャズのドラム担当である千太郎や、その幼馴染の律子は佐世保弁を話します。

千太郎の「〜ばい」の言い方も好きなんですが(「ジャズには聴こえんばい」とかね。あとは「なんばビクビクしよっとか。間違えてよかけん」とかね。良い…!)、律子のゆったりと穏やかに紡がれる佐世保弁がとにかくかわいい。特に印象的なのは、ファーストキスを奪われた後に糸電話で話すシーンでしょうか。

「うち、初めてやったとよ」

「わたし、初めてだったんだけど」って標準語で聞くのと意味は同じなのに、ときめき度が全然違う。胸がギュンギュンしました。女の子からのこういう台詞にときめいたのって初めてかもしれません。

「だめね、上手く怒りきれん…」

その直後にこの台詞が続くんですよね。壁一枚挟んでの糸電話でのこのやり取り、むずむずするし切ないしきゅんとするしで感情が大渋滞です。「りっちゃあああん!」って叫びたくなります。

ジャズシーンもとっても格好良くて大好きなんですが(文化祭、アニメ版も映画版もどちらも良かった…!)それ以外だとやっぱりここのシーンが好きですね。



2、僕のヒーローアカデミア

"個性"と呼ばれる超常能力を使ってヒーローが人気職業として活躍する世の中を描いたジャンプ作品です。

ヒロアカってギャップにときめくことが多いんです。
主人公の幼馴染・爆豪勝己なんて、攻撃的な性格で口も悪いのに、急に自分の弱さをぽつぽつと話し出したりするんですよ。その姿にグッとやられてnoteを書いたこともあるくらいには爆豪くん大好きです。轟くんのイケメン×天然というコンボも強い。

さて今回取り上げたいのは大阪を中心に活躍しているプロヒーロー、ファットガム!個性は脂肪吸着でなんでも吸着して沈めるという戦闘方法。

(↑ 中央の大きくて丸いのがファットガム)
(両端はファット事務所のインターン生)

マスコットキャラクターみたいな可愛さ。女子高生がスクールバッグにお揃いでファットのキーホルダーとか着けてそうだもの。ね、絶対そういう女子高生いるでしょ。

「ファットさんやで〜!」

はい、自分の名前を自分でさん付けで呼ぶのかわいい。
「丸くてカワイイ!」と言われたファットさんは「お!アメやろーな!」とアメちゃんを渡したりもします。ずるい、あざとい、かわいい。

「ちょい待ちや 傷害事件のチンピラくん
このタコ焼き喰うたら捕まえたるさかい」

プロヒーローだもの、やっぱり国民から信頼されてこそなんですよ。ファットは安心できる。強いのに怖い雰囲気が無くて、ファットの関西弁には親しみやすさを感じます。

脂肪吸着って敵からの攻撃の衝撃さえも吸着出来るんですよ。沈めて抑え込んで、その貯めた分を一気に放出するカウンター技みたいなものもあるわけです。ただし、貯めている間は脂肪を消費しまくるんですよね。そうすると、どうなるか…そうです、ファットガム痩せるんですよ。初めて見た時の衝撃ったら。
今までゆるキャラみたいな可愛さで「ファットかわいくてすき」なんて思っていたんですけど、あのですね、痩せると格好良いお兄さんなんです。聞いてないわよ、ギャップにくらり。「え、ファット格好良い…?」ってなるから。

「まさか逆に守られるとは…
おおきに!!ええ矛になったわ!!」

インターンの切島くんに声を掛けてからのファットの反撃、気持ち良い。これはもう最高に良いギャップ。シンプルに「おおきに」って好きだわ。ずきゅん。



3、午前3時の危険地帯

大大大好きなねむようこさんです!ドラマ化もした『午前3時の無法地帯』は有名な気もするのですが、続編の話ってあまり聞かない気がします。

『無法地帯』は主人公のももこがイラストレーターを夢見てデザイン事務所に就職したものの、そこはパチンコ専門のデザイン事務所だった、というお話。『危険地帯』は続編です。ももこの後輩としてたまこ(表紙の眼鏡の女の子)が入社してきます。

たまこ、普段は標準語なんですが家族と話すときだけ地元である富山の方言を喋るんですよね。富山ではバカって「ダラ」って言うらしい。

「おじちゃんほんとけ!?」
「ああ本当だちゃ!」

語尾の「ちゃ」が物凄くかわいい…!
疑問形の語尾は「け」が多いのかな。他にも、

「おやつに食べるけ?」
「…いらんちゃ」

ああ、かわいい。あとは「がん」もよく出てきましたね。「あんた今何時だと思っとんがんけ!?」とか。

地元に帰ったときだけ方言になるっていうのも良いですよね。言葉が変わることによって帰ってきたなあって思ったりするのかな。方言は言葉の実家、みたいな感じなのかしら。

ちなみにこのシリーズは『午前3時の不協和音』という短編集まであるので無法地帯、危険地帯を読んだら是非ここまで読んでください。
元キャンギャルの女の子が空き箱のラッピングに「可愛いラッピングで誘っておいて中身は空っぽだなんて…」って自分を重ねてしまう話とかね、良すぎるので。

髭もタバコもあんまり好きじゃないけれど、このシリーズに出てくる頼れるチーフデザイナー・堂本さんはめちゃくちゃ格好良いです。短編の堂本さんの台詞は思わず「うっ…」って呻きます。堂本さん、好きだ。

そうそう危険地帯は装丁がものすごーく良くて本棚にあるとニヤニヤできますよ。紙質が違うんだなあ。カバー下のイラストもかわいいです。



4、ハイキュー!!

はい、出ました、お得意のハイキューです。
主人公たちの学校は宮城。烏野セッターのスガさんが語尾「〜だべ」って言いますね。青葉城西の岩ちゃんもたまに使うかな。あと「おがった」とか「いずい」とか。

でもね、出てくるの宮城だけじゃないんですよ。

スポーツ作品だと全国大会が描かれることも多いので、方言を使うキャラクターもその分出てきますよね。
ハイキューでも高校バレーの全国大会・春高で様々なチームが出てきます。そのうちのひとつが32巻の表紙にもなっている兵庫県代表の稲荷崎高校。高校界ナンバーワンツインズ、宮兄弟(侑、治)がいる学校です。主将・北さんの「ちゃんとやんねん」っていう考え方も良いんだよなあ。

「カッコええなあ…!生で見ると益々かっこええ…!」
「お前試合んなると精神年齢5歳下がんの何なん」
「喧しいわ」

関西弁特有のテンポ良い会話が双子の言い合い(?)にぴったりですよね。主人公の日向並みに楽しそうにバレーをやるところがセッター・侑の好きなところです。まあ、わたしは稲荷崎だと治推しですが。

「アンダーは腕2本 オーバーは指10本
よりいっぱいのモンで支えたんねん
セッターやもん」

攻撃体制を乱しても、低いボールの下に入ってオーバーでトスを上げる侑。セッターに対する誇りが見えるこの台詞がとても好き。
延期になってしまいましたが稲荷崎戦のアニメ楽しみですね!角名の変な笑い方はやく聞きたい。


この年の高校全国3大エースといえば「東北のウシワカ」「九州のキリュウ」「関東のサクサ」なんですが、その桐生がいるのが大分県の狢坂高校。

狢坂戦好きなんですよ…!好きなんですけど主人公のいる烏野高校との試合ではないのでアニメでカットされるのではないかと思っています…放送してくれるかしら。陸VS空と同じくOVAかなあ。

「誰も言っちょらんけん 持論引っ込めろちゃ」

狢坂も方言が良いんですよね。富山と同じく「ちゃ」が出てきます。あとは「ちょ」が多いかな。「思ちょったんやけど」とか「わかっちょん」とか。

「やけんど今日改めち分かった
トスが上がるけん がんばれたんや」

かわいい顔付きのセッター臼利くんが「ハツラツと性格が悪い」って言われてるの好きです。臼利くんも白鳥沢の白布と同じくエースに大きな信頼を寄せているセッターですね。こういうタイプのセッターの「エースは最強やけん」の姿勢に気持ちが熱くなります。



もうちょっと色々な作品を紹介しようと思っていたのですが思っていたよりも4作品分で長くなってしまったので、この辺で。

やっぱり方言での台詞はときめきますね。


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大麦こむぎ
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