久々の読書日記
こんばんわ。今日はおすすめしたい本があったので夜にnoteを書いている。最近小説を読んでなかったから読みたいなって思って本屋さんで手にとった小説。久々に泣ける感動物語だった。
今回は、原田マハさんの「一分間だけ」という本を読んだ。小説は当事者になりきって自分を物語の中に入り込ませることができるのが好きなんだ。現実から離れ小説の世界で過ごすことで忘れかけていた喜怒哀楽を味わったり、現実の生きづらさを忘れることができる。そして、様々な想像を巡らせる機会にもなり、いくつかの人生を生きた感覚になるのだ。
「一分間だけ」は犬を通して人間の素直な気持ちを表現したり、人生一度きりだから後悔しないようにという言葉を思い返させてくれる物語。
話に少し触れると、OLの女性が主人公であり長らく同棲をしている男性と一匹の犬と暮らしているところから始まる。仕事をバリバリ頑張る主人公の傍ら、仕事はほどほどに犬の世話や家事を頑張ってくれる恋人男性。仲良く暮らしている矢先に、お互いのすれ違いがおこり、恋人の関係を辞め別居をし始めるのだ。犬については紆余曲折ありながらOL女性の方で引き取り、一緒に暮らしていくことになる。
しかし、仕事が忙しいOL女性は段々と犬の世話と自分のやりたい仕事、新たな恋などと両立が難しくなり、犬がいなくなってしまえばなって思うようになる。そんな時、なんと犬が癌になってしまい余命わずかの命になるのだ。
そこから犬に対する愛情の注ぎ方や自分の仕事と私生活の配分を見直すようになり、何とか犬と一緒にいる時間を多くしていく。そして、別れた男性にも助けを請い、犬が死ぬまでの間は当初のように3人での時間をつくることができる。
最終的には犬は死んでしまうのだが、犬の病気をきっかけに、大切なものを犠牲にしてきたこと。自分の本音を隠して生きてきたこと。そして後悔をしていることなど、自分の気持と向き合う時間が取れるようになる。
私はこの小説を読んだときに、「人生一度きりだから自分の気持に素直に生きる」ことって後悔しないために大事だなって感じた。そして、大切な人、いつもそばにいる家族、当たり前の景色に関してもっと感謝して暮らさないとなって改めさせられた。
「死」というのはいつ訪れるかわからない。それはもしかしたら明日、明後日の話かもしれない。そう考えると、自分の気持に素直になっているか。一緒にいる仲間にありがたみを感じているか。私利私欲におぼれていないか。などといろんなことが頭によぎる。
大切な人がなくなる時、「あと一分間だけ待って」という瞬間もあるかもしれない。私も祖父が亡くなるときに最後の話ができなかった経験がある。そんな時、後悔するのか、それともいつも伝えている感謝の気持ちがあるから心置きなく見送ることができるのか。普段の自分のあり方が大きく関わってくる。
とにかく後悔なく生きていようと思える小説。
人の優しさに触れられる小説。
生き物の尊さに気付かされる小説。
おすすめなので是非皆さんも読んでみてください!!