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【入社エントリ】プロダクト開発重視のBackend EngineerがIVRyでSREになった理由
11/15から業務委託で働いていましたが、12/16からIVRyのソフトウェアエンジニアとして正式入社しました。Architectureプロジェクトに所属して、SREやSecurity、Platform Engineeringの役割を担っています。人員が増えて今この瞬間もサービスがスケールしてて、やることもドンドン増えていきます。
組織図上SREというチームはないものの、ジョブディスクリプションはわかりやすさからSREだったため、当初プロダクト開発重視の私はSREという職種に興味がなかったので入社するとは思ってませんでした。
それにもかかわらず、なぜPlatformチームに入ると決めたのか振りかえってみます。「IVRyで働くのちょっと面白そうかも」と興味を持っていただけると嬉しいです。
技術面以外での入社した大きな要因には、「T2D3の圧倒的売り上げの伸びと利益率」「サービスの中核にAIがあるチャレンジングさ」「Work is Fun」もあるのですが、それは奥西さんのこの2記事を読んでください。
居心地の良い前職
IVRyの前職は、弁護士ドットコム株式会社で6年半在籍してPHPフレームワークのYiiやLaravelで開発したり、フロントエンドをTypeScript ×Vue.js / Reactで実装してました。第二新卒で採用してもらい、既存サービスのグロース、新規事業の立ち上げ、開発チームの立ち上げと最後はテックリードとしてはば広くやらせてもらいました。
社会貢献性が高いサービス特性から、どのチームでもメンバーに恵まれて居心地がよかったです。経験を積んで、失敗しそうな匂いがわかるようになりチーム開発でもそれっぽく立ち回れるようになりました。
でも2年くらい前から「在籍年数による信頼貯金で仕事をしているだけで、他の会社で通用しないのではないか?」「チーム開発の勘所やコミュニケーションは最低限とれるようになったが、技術力が伸びているのか?」という疑念がでてきて、危機感を感じていました。ただでさえIT業界は流れが速い上に、2022年末にChat-GPTも出てきました。
どういう会社で働きたいか
そこで、子供の保育園が落ち着いたタイミングで転職活動を始めました。急いで転職する理由がないので「ここで働きたい!」と思える会社と出会えるまで気長に取り組む覚悟で、下記の特性にあう会社を探しました。
事業
シリーズB / C。シリーズAだとPMFしておらず不確実性が高い。
売り上げと利益の高い成長率
数十億以上の資金調達ができていること
競合差別化ができており、市場規模が大きいこと
社会のインフラになりえるようなサービスを提供していること
開発
PHP以外の言語であること。型がつくGoかTypeScriptが理想
自社サービスのプロダクト開発がしたいので、バックエンドかフロントエンド
働き方
保育園の送り迎えのため、リモートワーク中心の柔軟な働き方ができること。
週1日の出社が理想。出社はある程度した方が、生産性があがるという考え方のため。
フルリモートは不可
SREとは何か
最初は、ビズリーチでSREのジョブディスクリプションで声をかけられていただきました。弁護士ドットコムで経験した技術スタックがIVRyと近いことから、「カジュアル面談どうですか?」と。
しかし、正直に話すと個人的にSREにいいイメージを持てていませんでした。なので「事業特性が条件に合致しているが、SREはプロダクト開発から遠い。またオンコール対応が大変そう。でもSREにならないことを再確認するために話聞いてみよう」と思ってカジュアル面談を受諾したのをよく覚えています。
Googleが定義したSRE
そもそもSRE(Site Reliability Engineering)とはGoogleが提唱した、ソフトウェアエンジニアリングを運用に適用し、システムの信頼性と効率性を高める手法です。DevOpsの一実践形態とも言え、信頼性重視の運用文化を構築し、システムの安定運用を支えるため、具体的に以下のプラクティスを採用します。
SLOとSLIの定義: システムの信頼性目標を明確にします。
エラー予算の導入: SLOを基にエラー予算を設定します。
自動化ツールの活用: モニタリングや障害検出、デプロイの自動化を進めます。
ポストモーテム文化: 障害発生後に必ず事後分析を行い、学びを次に活かします。
Toilの測定と削減: 運用作業の量を定量化し、自動化や最適化を図ります。
現実のSRE
ですが、SREほど会社によってやっていることが違う職種もないです。蓋をあけてみたら、オンコール担当、単なるインフラ部署のリブランディングだったり様々です。ベンチャーにおいては人が足りないので、情シスを兼務しているケースもよく聞きます。
SRE本として有名なオライリーの「Site Reliability Engineering」を書かれた「Niall Murphy」さんのブログ記事 SRE in the Real Worldでも、Google外でSREをやることの難しさが書かれています。
- Working outside of Google SRE is more of a culture shift than a tooling shift, though it is both.
- The cultural shift is harder.
- The tooling shift is hard, but tractable, and you can use some approaches you’re already familiar with to make progress.
- What SRE is called and what it means in the outside world varies a lot. You can’t just read the text of a job advertisement and expect to understand what’s required. In some ways, the closest analogue in the real world might be staff engineer.
IVRyでのSRE
ですが、IVRyでは「事業数値を見る会」や「インフラコストを見る会」などがGoogle Meetで開かれ、ビジネス視点でプロダクトを改善するためにどうすればいいか頻繁に議論がされています。mirakuiさんのような「1行のログの向こう側には1人のユーザーがいる」と想像できている人が集まっています。
またValueの「Beyond the Wall」のように、職種を超えて仕事をすることが推奨されています。だからこそサイトの安定性やパフォーマンスをあげるため、インフラだけでなく広い視点でバックエンドやフロントエンドのコードにPull Requestを出して改善できることがすごく良いと思いました。IVRyならGoogleが提唱した本来の役割が果たせると思いました。
将来の自分の市場価値を最大化できる選択肢は何か
マネージドサービスを組み合わせることが企業の利益を最大化する
まず前提として、自身が文系出身で複雑なコンピューターサイエンスの知識がありません。
さらにGCP GKEなどの高度なインフラストラクチャを自動化する技術がでてきていて運用コストはドンドン下がっていくと思っています。そのため多くの企業では、自前で全てを構築するのではなく、サービス運用のコストを抑えるためどのサービスを組み合わせるかという方向になっていく。もちろんGoogleとかの技術で競合優位性を保つ一部のテックカンパニーは除きます。
そうなった時、中途半端なインフラエンジニアはいらなくなるのではないでしょうか。
生成AIの台頭とプロダクト開発
さらに生成AIが出てきてエンジニアの仕事が変わりつつある中で、多くのコードが自動生成されています。つい先日も、Googleで4分の1のコードが自動生成されていると発表がありました。
このトレンドが進んでいった時に、生成AIが学習していないようなサービス固有の特殊なビジネスロジックに関わる部分の実装を人がやる世界になると予想しています。だからこそプロダクト開発の近くにいることが自身の価値の最大化につながると思ってます。
IVRyというLLM * 高いサービスレベルのプロダクト
高いサービスレベルを求められるサービスでは、高い負荷に耐える設計やシステム運用が求められます。しかもIVRyはLLMを活用している最先端で、チャレンジングなプロダクト。LLMを運用する手法はまだ手探りで、これから需要がドンドン増える。
こう考えたときに、今まで7年以上バックエンドやフロントエンドをやってきて、技術的な視野や能力をより広げるためにIVRyでSREになるのはありだと思いました。これまでの延長線で半ば惰性でテックリードをやるより、IVRyでチャレンジした方が得られるものは大きいはず。
実際に二次面接では、ここに書いたことをCookpad元CTOのmirakuiさんに質問しながら壁打ちしてもらい、自分のスキルややりたいことがいっそう深掘りできました。T2D3で伸びるSLAの高いサービスの運用と開発に挑戦できる。さらにはmirakuiさんだけでなく、US GoogleでOK Googleを開発していたべいえりあさんなど優秀な方々と働くことは絶対楽しいと判断して入社を決めました。
まとめ
まだ入社して一か月程度ですが、たくさん刺激を受けて自分の技術力の幅と深さがドンドン広がっていると感じます。サービスの成長が信じられない程はやく、やりたい課題がたくさんあります。優秀なメンバーと共に議論しながら、プロダクトを開発できるのは楽しいです。
一方で、IVRyではみんなが責任を持ちながら、遊び心をもって自由に働いていて、自由すぎて戸惑うことも多いです。やっぱりリーガルテックでルールを重視する前職とはカルチャーが全然違うので、少しずつ体を慣らしてます。それでも多様性を重んじるカルチャーだからこそ、あと数ヶ月したらうまくやれている予感があります。
ぜひ興味がある方は、気軽にカジュアル面談を申し込んでください。