水切り

一日に一度、水切りをする。
すべらかで程よさそうな重みの石を探し出し、投げる。
水面を走ってくれたなら、特別な日。
だいたいの日は、ぽちゃり、と沈むだけ。
下手な水切りを一日に一度、する。
投げ方のコツは、わからない。
適した石の選び方すら、知らない。
慣れていないし、教わったこともない。
だから、沈む。
走っていった石も、いつかは、沈む。
沈んでゆく石を水の中にみて、
本当はこの水の一部になりたいだけなのだと、気づく。
だから、また今日も。

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