宇宙旅行

終りがきた時に君の中に浮かんだものが
私の姿でなければいい
君にはもっと知るべきことがあったはずで
そうだと思いたいから
私の姿でなければいい
 
救急車を呼んでから
終りの時までは半日あったけれど
眠りの中は時計のようには進まないから
君はもしかしたら
何億年も遡って始祖の人に会ったかもしれないし
一瞬で火花のような熱と飛び去ったかもしれないし
わからないけれど
 
あれから十年どころじゃない年月が経って
私はまだ生きていて
ほとんど君を忘れて暮らしている
忘れていられるのは
もう君が私の血肉となっているからだ
今日はとても久しぶりに思い出したから書いているけれど
本当は残しておかなくてもいい
そのうち私に終りがきたら
一緒に宇宙になるのだから
わからないけれど
おそらく、そうだ

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