街の名前の由来は… お月様
リューネブルク(Lüneburg)というドイツの街をご存じですか?
エリカ街道、リューネブルガー・ハイデ自然保護地区で有名な北ドイツの街です。
あまり知られていないようですが、この街の名前の由来はLuna。
月のモチーフが市庁舎の時計の上に飾られ、その前の広場Am Marktには月の噴水Luna-Brunnen。さらに博物館には大理石の月の柱Luna-Säuleがあり、街の歴史を展示で語ってくれます。
他には、この街に繁栄をもたらした「白い黄金」(塩)の発見のきっかけになったイノシシ(狩りで仕留められたイノシシの身体に付いていた白いもの(塩)がきっかけになったそうです。)のモチーフも見かけるかもしれません。
ドイツで取れる塩といえばアルペンザルツと思っていたのですが、リューネブルクのかつての主要産業は製塩。当時は北ヨーロッパ、バルト海地域でニシンの塩漬け用などに広く使われていたようです。
ここで取れた塩はリューベックに運ばれて取引され、街は繁栄を誇ったのですが…その後、街が力を失うと価値ある工芸品などは流出し、今、市庁舎に展示されているものはレプリカだとか…
ちなみに一部はベルリンの工芸美術館にあるようです。
塩の街の繁栄がしのばれるAm Sandeという広場では、何だかオランダ・ベルギーに雰囲気が似ているような…。確かにここはハンザ都市なので、場所が離れていても同じように栄えたフランドルの都市と感じが似ているのかもしれません。商工会議所も立派です。
製塩…でちょっと気になったので、ウェブで調べたところ、このあたりもかつては多くの森林伐採があり、そのせいで荒野が広がったとか… 現在は保護区域となっていますが、こんな経緯もあったのですね。
(製塩、製鉄、ガラス・窯業といった産業には極めて多くの燃料が必要とされたので、こういった産業地域の近隣では多大な森林伐採が行われたそうです。)
さて、おしまいになってしまいましたが、この街+近郊の見どころは何といってもリューネブルガー・ハイデ。
ご覧になりたい方は、夏の観光時期に合わせて訪問のこと。
エリカの花が見られなくても荒野を散策できれば…と思って、Tourist Infoで聞いてみたのですが、車がないと無理と即答されました。電車やバスを使えば行けないことはないようですが、時間がかかりすぎて割に合わないみたいです。
このあたりはガイドブックをご参考ください。
まだまだ海外旅行には行けそうにありませんが、次の旅行を心待ちにしつつ…
(滞在: 2019年6月)