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初秋にいただきたいもの
まだまだ暑い日が続いていますが、秋になるとヨーロッパにもこの季節ならではの味わいがやってきます。
初秋になると、ヌーヴォーやホイリゲといった新酒が出回る前に、フェーダーヴァイサー(Federweisser)が楽しめます。
ワインになる前の発酵過程の飲み物で、ジュースのように甘くてちょっとシュワシュワ(微発泡)した感じ…とても飲みやすいのですが、しっかりとアルコールが入っています。
瓶に詰められていても、発酵が続いているので蓋はしっかりしまっていません。うっかり横にするとこぼれてしまうので注意が必要です。
そんな訳で、瓶もなんだかベタベタしてますし、放っておくと味も変わっていきます。
お店に置いてある場所も、ワインコーナーではなく、バターやチーズ、ミルク等のある冷蔵エリア。
この時期になると突然売り場に現れ、一ヶ月ぐらいで姿を消します。まさに季節限定。
現在は日本でも もろみワイン として提供している先があるようですが、こればっかりは現地でいただくしかありません。
フェーダーヴァイサーはヴァイス(Weiss)ということで、白ワインのジュースですが、赤(Rot)はローター・ザウザー(Roter Sauser)といわれて、やはりこの時期限定で販売されます。
このフェーダーヴァイサーに合わせるお供が、玉ねぎケーキ(Zwiebelkuchen)。
ケーキと言っても、甘いお菓子ではなく、キッシュのようなクリーム系のお食事タルトです。
あまり知られてはいないようですが、これもヨーロッパの季節の味。
他にも秋になると、栗やきのこ、かぼちゃなんかも出てきますが、このあたりは日本とあまり変わりませんね。
日本だと、さつまいもが秋の味覚に入りますが、日本食や日本文化が世界的に広まっているとはいえ、さつまいも(Sweet Potato、Süßkartoffel )はまだまだでしょうか。
おいもが甘いというのはどうも変なようで、肉じゃがに砂糖を入れるといったら驚かれたことがあります。
日本人にとって、お米をミルクと砂糖で煮て冷やした、ライスプディング、ミルヒライスが文化的に受け入れ難いのと似ているような気がします。
じゃ、ケーキ屋さんに並んでいるスイートポテトはどうなんだと思って調べてみたら、実はこれは日本発祥のお菓子!ミルク、バター、卵を使ったこっくりとした味はなんと日本のものだったのですね。という訳でもないでしょうが、学生の頃バイトをしていた洋菓子店ではスイートポテトに水あめや白あんも入れていました。
それから…9月のドイツで忘れてはいけないのは「オクトーバーフェスト(Oktoberfest)」。
10月祭というのにどうして9月なのかというと、開催期間が10月の第1日曜日を最終日とする16日間ということなので、毎年9月中旬にスタートするそうです。
ちなみに今年は9月16日(土)から10月3日(火!?)だそうですが… なんと第1日曜日が1日か2日となる場合には、10月3日のドイツ統一記念日まで延長開催となっているそうです。
ビールでもワインでもフェーダーヴァイサーでも、明るい夕辺が楽しめるうちに心置きなく楽しんでおきたいものです。
(次はいつこの時期に行けるのだろう…)