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コミネキ緑樹園

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今まで読み溜めてきた森林、樹木、木材から環境や生物、水資源等に関するまとめ
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2022年11月の記事一覧

死んでいるのに生きている? 樹齢1000年 樹木が送る長い生涯

私たちを取り巻く緑の植物… あまりに身近でありながら、あまりにも異なる存在です。 同じ世界に存在していても、同じように年月を経てことはできそうにありません。 人に関して言えば、現在では100歳を越えるような方々も珍しくなくなってきていますが、長寿な樹木は1000年以上も生きていきます。 人がここまで長く生きるのは無理ですが、なぜ、樹木はこんなにも長く生きられるのでしょう? 樹木は動物よりとても長く生きるだけでなく、老化もしないように見えます。例えば、10年生のスギの葉と10

街や学校で季節を告げる 公孫樹と桜はちょっと特別な樹木です

秋になり、街路樹が黄色く色づき始めました。 日本の街路樹で最も多いのは公孫樹。学校の付近に植えられていることも多く、この季節になると、黄色の絨毯の上を銀杏を踏まないよう気をつけながら通学したことを思い出します。 イチョウといえば葉の形が特徴的。 扇形に広がって真ん中に切れ込みが入っていますが、植物を葉の形で分類したとき、この仲間に入るものはまずありません。 イチョウは針葉樹でも広葉樹でもなく裸子植物に分類されるのですが、なんと世界で最古の現生樹種の一つで、中生代(約2億5