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銭湯の話
今晩の銭湯のために頑張ろうと思う日がほとんどだ。
実家にいた頃は母が温泉や銭湯が好きではないらしく、親とお風呂に入りに行くことはなかった。記憶にあるのは、祖父母の家に泊まった時、温泉施設にある家族風呂に行ったことくらいだ。
そのため、従兄弟や友人の家でのお泊まりや、修学旅行の時に、温泉や銭湯に行くたびワクワクしていた。
銭湯にどっぷりハマるようになったのは、大学生の時だ。
大学生活を過ごした熊本で、家の近くやアルバイト先の近くに銭湯があり、一人暮らしでシャワーばかりの生活になっていたことから、よく通うようになった。
お湯が気持ちいいのはもちろんだが、何よりどの銭湯も人が温かいという印象が強かった。
これは地域の人に愛されるよな…と思った。
アルバイト先の近くの『世安湯』は、熊本市内唯一の薪焚きらしく、壁際ではなく左右のカランに挟まれて真ん中に浴槽が飛び抜けている形がお気に入り。
熊本でもいろんな街に住んでみたいと思って3回も引っ越しをした自分だったが、引っ越しを通して住む街を決める条件の一つが「近くに銭湯があること」になった。
最後に住んだ家の近くにあった『大福湯』。一番通った場所だから、今も恋しい。
東京に引っ越す時も、もちろん地図で銭湯をチェックした。すると、高円寺・中野あたりに銭湯多い!と気付き、もともと気になる街でもあったため、高円寺に住むことにした。
気になった理由のひとつに、これも結局銭湯繋がりだが、『小杉湯』で撮影された地域の魅力を伝える取り組みのひとつである『URBAN SENTO』の映像だ。
大好きな映画『わたしは光をにぎっている』の中川監督と、主演の松本穂香さんのコラボが再び!ということで観たのだが、これをきっかけに高円寺が住みたい街候補になった。
銭湯と地域は本当に密接な関係にあって、人が集い、心と身体を癒してくれ、自分がどんな人間なのか関係なく居場所をくれるような所だと強く感じた。
おそらく一番通っている『上越泉』。
番台のご夫婦おばあちゃんがたくさんおしゃべりをしてくれ、仕事で疲れた夜もお湯と共に心が安らぐ。「これ常連さんにもらったから〜」とたまにチョコレートや飴玉をくれて、それだけで本当に温かい気持ちになる。
映画を観に行ったり、買い物に行ったりするときも、その街の銭湯をチェックする。
江戸川区に住む友人の家の近くに2階建ての銭湯があったり、住宅街の中にあり近所の方で毎日賑わっていそうな場所など、街によって銭湯の雰囲気が違うのも楽しい。
特に東中野エリアに湯もサウナも種類豊富で面白く、別の街の銭湯好きも集まっているような銭湯がいくつかある。
東中野に引っ越したら、毎日通ってしまいそうだ。
銭湯の何が好きかと言われると、お湯が気持ち良くて癒されるというのが一番の理由かもしれないが、
銭湯の中にいる人はとても穏やかな表情をしていて、銭湯だけの温かい空気が流れている気がするということもある。
湯に浸かりながら何かを考えるのもあり、嫌なことを忘れて何も考えない時間にするのもありな場所で、どんな日でも包み込んでくれる温かさがあると思う。
昨日は23歳の誕生日だった。
東京に友人が少なく今年は一人で過ごしたが、小杉湯の湯に浸かりながら、どんな1年になるかな〜とのんびり考え、湯上がりに番台で台湾ビールを買った。
さっぱりした後にビールと共に家に向かって商店街を歩いていると、熊本の友人が電話をくれて、近況を話しながら帰った。
それだけで良い一日だったと思える銭湯の優しさをずっと大切にしたい。
★おまけ
九州にいた頃は、銭湯というより温泉があちこちにあったため、ドライブで1日温泉巡りをすることも楽しかった。熊本の阿蘇や山鹿…大分はまだ巡れていない…恋しすぎる…
というひとりごと
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