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母校からの支援が生んだルワンダと日本の交流|1月6日〜1月12日

はじめに

ムラホ〜!(久しぶり!)

久しぶりすぎる日記です。
と思ったら、あと2回ほどでこの日記もおしまいです。
あと少しだけ、お付き合いいただけると嬉しいです。

冬休みが終わり、今週から新学期(2学期)がスタートしました。

選手たちも全員帰ってきた。
これがどれだけ幸せなことかを噛みしめながら指導する日々でした!

では、スタート!


1月6日|2学期がスタート!

新学期が始まった。

生徒たちが帰ってきた。

「久しぶり〜!」
「会いたかったよ〜!」
「New Year!」

生徒たちの元気な姿が見れて、とても嬉しかった。

今日、明日とで、学校ではWelcome Testが行われる。

冬休み期間、勉強をしていたかどうかを確認するためのテスト。
体育は実技テストを行うため、来週以降の授業の中でこのテストを実施する。

新学期は始まったものの、私が学校に行くのは残り2週間。

この2週間で、私のできることは限られている。

加えて、報告書や最終プレゼンの準備に加え
引越し準備や、研究のデータ収集・・・
まだまだやらなければいけないことがたくさんある。

頑張ろう、、、

1月7日|現地コーチのモチベーション

昨日から、正確には先週の1月2日から陸上競技の練習は開始した。

最近は、継続的に20〜25名以上の選手が参加してくれている。


近隣の学校との連携がとてもうまくいっている。
活動終了直前にとても良い形で、
現地コーチに指導を引き継ぐことができそうだ。

それに伴い、最近のコーチのモチベーションが凄まじい(笑)

彼らのコーチング実施の促進要因のひとつとして、
選手数が影響しているのかもと思った。

夏休みや冬休み
この1年間かけて築いてきた
近隣校との信頼関係のおかげもあるけど、
一番大きいのは、選手の口コミだ。

練習に参加してくれた選手が、友だちを連れて練習にやってくる。
そして、そのまた友だちが練習にやってくる。

そうして参加してくれた選手の中にはキラキラ光る才能をもった選手もいる。

能力測定会の継続は確実に難しいし、私がいなくなったあとの持続可能性を担保できる取り組みはできなかったけど、選手の口コミで陸上競技に興味を持ち、専門知識を有したコーチの練習に参加できる環境はつくることができた。

こうした環境をつくることができただけでも
私がここにきた意味はあったと思っている、。

これからも続くことを祈るばかりである。

1月8日|「こいつはタバコ吸っている」

長距離選手は走り込みの日。

なかなかキツい練習だったように思う。

私は短距離担当なので、長距離のコーチングは現地コーチが行っていた。

選手のひとりがめまいを理由に、途中で練習を抜けた。

その後、現地コーチと練習の振り返りを行っている際に
「こいつはタバコを吸っているんだ。
 だから、途中で肺が苦しくなって、練習をやめたんだ」
と口にした。




絶句した。


なぜ選手を疑いの目で見るのか。

なぜ状況もなにも確かめないで、そのようなことが言えるのか
本当に意味がわからなかった。

途中で練習をやめた→タバコを吸っている。

単純というか、選手に対するネガティブな思考を持つ現地コーチ。


まじで、引いた。


2年間、彼と真摯に向き合ったつもりである。

でも、正直、人はそんなに簡単に変わらない。
特に、自分の好きなモノ、自分なりの哲学を磨いてきた彼は
きっと変わるつもりもなにもないのだろうと思ってしまった。

簡単じゃないのはわかっていたけど、
こういう姿を2年間見続けてきたこと
何も変えられなかった自分自身がとても情けなかった。

1月9日|日本の無償資金協力

今日は、お世話になっている方がルワマガナに訪問してくれることになり、同じ任地で活動している隊員さんと共に任地の灌漑施設、活動先の学校の見学に行った。


灌漑施設の改修と用水路によって
農家さんの生産性が向上するかもしれない。

https://www.rwandainjapan.gov.rw/ja/translate-to-japanese-info/translate-to-japanese-info-details/jica%E3%81%8C%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E6%9D%B1%E9%83%A8%E3%81%A72000%E4%B8%87%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%81%8C%E6%BC%91%E7%94%A8%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%92%E5%BB%BA%E8%A8%AD

2年間過ごしてきたはずの任地なのに
全く知らない景色を見ることができた。


あちこちをまわりながら
私はこの街が好きだなと改めて思った。


観光地のような場所はないし、水も出ないし(笑)
不便もあるけれど、そこで生きる人々、景色
あちらこちらに魅力を感じる。

1月10日|最近の練習環境の変化

冬休み前から、カウンターパートだけでなく、
同僚の体育教員が陸上競技の練習に参加するようになった。

参加すると言っても、カウンターパートの金魚の糞というか、
ただ横にいて、口出しをする程度なのだけど
選手たちにとっては大きな変化である。

さらに、現地コーチの練習に対するモチベーションが高まったことで
トレーニング時間も伸びた(笑)

本来、18時05分までしか行えないはずのトレーニングが18時40分頃まで行われている(笑)

これまで全くケアするどころか、帰ることすらあったコーチだが
ストレッチまで入念に教えている。

私がいなくなっても、現地コーチと共にコーチングを実施してくれるコーチがいることはきっと選手にプラスに働くはず。現地コーチのモチベーションが高まったことで、選手のモチベーションにも少なからず何かしらの影響はあるはず。

今日はコオーディネーショントレーニングの日。

最近はユース選手が多いので、ジュニア選手がトレーニングの見本を見せてくれたり、私に代わってトレーニングの説明をしてくれる。

コーチが練習にこなくても、トレーニングを自分たちで進めていける環境は整えてきたし、コーチのモチベーションも少しは高めることができたはず。

残りの1週間も選手に向き合い続ける。 

1月11日|母校からの寄付に感謝を込めて。

今日は自分にとってとても大切な日だった。

母校である大学の体育会陸上競技部から
靴やTシャツの寄付の話をいただいたのは、たしか2023年の10月とかだった。

そこから、学生主体で靴やTシャツを集めていただき、
送る手段などを相談し、ようやくルワンダまでたどり着いた。

大学から私の彼の住所まで送っていただき
そこから彼がルワンダまでスーツケースで届けてくれた。

今日はその靴やTシャツを選手たちに渡す日。

実際に母校の学生と監督とオンラインで繋ぎ
選手たちから直接感謝を伝える機会。


アフリカの人=明るい印象を抱く人が多いけど
ルワンダは少し特殊で、人見知りしがちな人が多いと思う.
(私が関わっている人だけかもしれないけど(笑)

いつもお調子者の選手がいる。

彼もいざ画面の前に立つと、緊張して
モジモジとこちらを伺ってくる(笑)

クラブのリーダーから日本の方々に挨拶をしてもらった。
英語に詰まる場面もあったけど、よくがんばった。

気持ちは伝わったはず。

モノの支援について、この2年間考えてきた。
いまだに答えはでないけど、ひとつだけ言えることがある。

モノの支援を通じて、
日本のこと、逆にルワンダのことを知るきっかけをつくる、
興味をもつきっかけをつくる、
すなわち、交流する機会には大きな価値がある。


選手たちが嬉しそうに靴やTシャツを手にしている姿を見れて
モヤモヤはあまり感じず、純粋に、私は嬉しかった。


1月12日|アドバイスをあげるよ。


「アカベンジ食べに行こう」

アカベンジとは、豚肉料理のこと。

ルワンダで、活動先で一番信頼しているジャドーから連絡がきた。

引越し準備や報告書の作成など
やらなくてはならないことがいっぱいあるのだけど、誘われたなら行く!

ということで、11時から飲み始め
気づいたら19時になっていた。


ジャドーと、バレーボールクラブのフィジカルトレーニングコーチのサミュエルと3人で飲んだ。

飲んでいる中で、いろいろな話をした。

下ネタはもちろん(笑)、真面目な活動の話もたくさんした。

その中で、同僚の体育教員に関する悩みを全て打ち明けた。



実は、昨日、選手から体育教員が私の悪口を言っていたことを聞かされた。

この前、練習の終わりに呼ばれて、その時に、体育教員が「りさには問題がある。俺らに壁を作っている。りさの話を聞く必要はない。」と言っていた。

はじめに、選手に競技とは関係しない、コーチ同士で解決すべき問題を選手に持ち込んで選手を困らせていることにイライラした。

そして、もうすぐにいなくなる私と、選手との信頼関係を壊して、自分の指示に従うように洗脳したいのだろうと思ってしまった。

でも、選手たちは、コーチの言葉以上に行動を見ている。

普段、練習に来ない。練習に来たとしても、練習を見るわけでもなく、別のクラブのコーチと話したり、電話をしているコーチを選手は信頼するだろうか。

「コーチたちは、お金しか気にしていない。
 だから練習だって、大会の前にしか来てくれない。
 この先、どうなるのかとても不安。
 だけど、僕がチームを引っ張っていくから大丈夫だよ、コーチ」

選手の言葉を思い出して、泣きそうになった。

このままじゃ、来週選手の前で、コーチに切れてしまうと思った。

感情をコントロールできるほど、私はまだ大人じゃない。


- ウォッカとエナジー・・・二人とも危ない飲み方をしていた(笑)
私はビールオンリー -


ジャドーとサミュエルを前に、私は泣きそうになりながら、こう伝えた。

「選手のことを何もケアせずに、電話している彼や練習に来ないこともある彼に対して、とてもイライラしてしまう。なんで二人はそんなに大人なの?
私は嫌なことがあったら、態度に現れてしまう。あとちょっとってわかってるけど、もうどうしたらいいのかわからない。」


すると、ふたりは「アドバイスをあげるよ。」
と私の悩みに向き合ってくれた。

「伝えたいことがあるなら直接伝えるべき。」
「だけど、冷静に、キープクワイエットが良い時もある。」


「キープクワイエットしてきたけど、どうしてもイライラするの。
 考え方が違いすぎて、あとちょっとなのに、本当に挫けそう。。。」

「あのね、りさ。大切なことをひとつ教えてあげる。
 りさの目的はなに?イライラする瞬間も絶対あるだろうけどほっときな。
 選手の競技力を向上するのが目的でしょ?その目的を達成するために
 アイツの機嫌をとったり、様子を伺うのはそんなに大切か?
 ほっときな。
 自分の目的に向かって、行動する。それが大切なんだよ。」

ハッとさせられた。

ジャドーは「That is Africa」と言っていたけど
それは絶対に違う。(そう思いたい。)

結局はパーソナリティだ。

「人の考えは変えるのは難しいよ。
 だって、人の性格は家族のバックグラウンド、教育、環境で形づくられるのだから。

間違いない。。。

わかってはいるけど、こうしてルワンダ人に話を聞いてもらえたこと、
アドバイスをもらえたことでとても気持ちが楽になった。

そうだ、私は選手のためにコーチングをしているんだ。

よい関係を築くのは大切だけど、それにフォーカスするあまり
選手を後回しにしては本末転倒だ。

最後の最後まで、両手を思い切り握りしめるくらいに
苦しい瞬間は絶対にある。それでも、選手のために
歯を食いしばって、耐えて、私は選手に向き合おう。

ヒトやモノに向かうな。
コトに向かえ。

分かっていても、とても難しい環境だ。
それでも、コトに向かう。

最後の最後で、ヒトに向かいそうになった私を
コトに向かう道に導いてくれたのは、やっぱりルワンダ人だった。

おわり

任地で過ごす日も10日を切りました。

終盤であったとしても、悲しい出来事はあるし、結局、私が残せたものはあるのか、これまでの自分の活動に対して、ため息をつきたくなる瞬間もあります。

ただ、私ができることは、目の前の選手たちに全力で向き合うこと。

明日から、任地で過ごす最後の1週間がスタートします。

後悔のないように、選手と向き合う毎日を過ごしたいと思います。

この日記も残り2週間です。

それでは!


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