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そして出穂へ 美味しいお米の育てかた#039 

除草期間を終えれば、あとは収穫まで稲の生命力に期待するばかりです。

ここまでたいへんお疲れ様でした!


自然栽培稲作で人が関わるパートは

残すところ収穫のみとなり

自然栽培稲作もすでに9割は終了です。


穂が出るまでに残っている田んぼでの作業は主に

①畦草の管理
②畦の管理
③入水

になります。

畦の管理は前述の記事を参考にしてください。




水を入れるタイミング



畦が弱く水持ちの良くない田んぼは

都度、水を入れる必要があります。



用水路の水の水温が低い場合は

出来るだけ日が昇って気温が温まった昼頃に入れるほうが

稲にストレスをかけずに済みます。


また、水位の下がり具合にもよりますが

水を入れるときもできるだけ穏やかに入れるようにしましょう。


このような入水のやり方のためにも


できるだけ畦をしっかり作っておくことを

お勧めします。


中干しの意味


中干しとは通常、稲の分げつを止める目的で行われます。

出穂前の一週間程度

水を排水し乾かします。


ですがこれは品種や地域差、天候にもよるため

画一的な方法や目的はありません。

一般的には施肥栽培の場合は過剰な分げつを止め

食味を向上させたりする狙いがあります。


自然栽培の場合は過剰に代謝する肥料分はないため

基本的に中干しは不要です。

分げつの多い品種は中干しして抑えると

食味が向上する傾向があり

逆に分げつの少ない品種は

出来るだけ分げつを促進するため

中干しの必要はないと考えています。


また、収穫までに乾きにくい田んぼであれば

コンバインなどの機械が入りやすくするために

田んぼを固める目的で実施される場合があります。


さて、ここで稲の成長の過程を振り返りましょう。




出穂から落水


8月の中旬から下旬ともなれば

稲も穂を出してきます。

これを出穂、しゅっすいと呼びます。

穂が出る「出穂」は現在でも中国語でシュースイと発音され、「水稲」もまたスイダオと発音される。ルーツがどちらかというよりも重要なのは、日本の稲作文化の中にアジアとの関連と民族の変遷が感じられる興味深い共通点である。


まさに生命が再び誕生したかのごとく

神秘的で感動的な瞬間です。

まるで人間や動物でいうところの

お産同様の節目といって良いでしょう。


あの小さなお米の粒が何倍にもなって復活してくる

実に生命力豊かな営みの象徴的な現象ではないでしょうか。


この時、稲はその体から新しい命たちを産み落とすべく

そのエネルギーはピークを迎えま すので

水をしっかりと張ってお産をサポートしてあげます。


やはりこの時も温かいお昼時に

優しくそそいでいくほうが良いでしょう。


優しく注ぐように入れても水位が上昇するようにするには

やはり、田作りの工程で畦塗と代掻きを丁寧に

水持ちの良い田圃であることが前提になります。


出穂し終え収穫まで登熟していく田んぼの景色は

なんとも形容しがたい美しさがありま す。


このときしっかり水をキープし

田んぼが乾 かないようにします。

登熟のスピードはその地域差や

年の気候、品種、植え時期によって異なります。


その後だんだんと、稲穂が実り田んぼが黄金色に輝いてきます。


稲穂の半分~2/3が登熟してきたら排水します。


秋は夏のように一気に圃場が乾くのは稀です。


雨が続きなかなか乾かないこともありますので

登熟のタイミングと天候のタイミングや

圃場の乾きやすさのバランスをとって

排水時期を見定めていきます。



さあ、自然栽培稲作のいよいよ終盤

ここから収穫が始まりますが

収穫からの工程は

もうお米の調理が始まっている感覚が重要です。

次回にくわしくお話しします。


続く

ご覧いただきありがとうございます♪


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山田憲吾
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