コシヒカリ産業の裏側 美味しいお米の育てかた#041
note連載中の「美味しいお米の育てかた」も
いよいよ最終章に入りました。
秋に種籾を採種することろから春夏秋を経て収穫。
そしていよいよ調整段階に入ります。
その前に今回は、日本のお米産業についてのお話です。
コシヒカリ産業と早刈り
特に東日本の人々の好みと言われるお米のモ チモチ感と
お米の早刈りは良くマッチしたと言えます。
これにさらに、コシヒカリという品種の特性が
うまく利用されています。
コシヒカリは施肥を前提に交配された品種と言っても
良いかもしれません。
肥料を施しても倒伏しづらく
殺虫・殺菌剤で虫や病気を消滅させさえすれば
モチモチ成分である窒素分を
従来品種よりも幾分多く内包することができます。
多肥多収という栽培目的と
モチモチ食感の好み。
殺虫・殺菌剤、除草剤の使用による
防除と企業利益。
コシヒカリはそれら全てを満たす特性により
現代日本の米産業のスタンダードであり続けています。
また近年では、遺伝子操作や組み換えをおこなった
新しい品種も続々と登場しており
コシヒカリよりもさらに経済的で多収
現代日本人の味覚に合ったお米が開発され
すでに一般市場で販売されており
外食産業などでは珍しいものではなくなっています。
自然のタネには自然の環境とプロセスが合う
私の場合は、このような人為の加わった
最先端の品種よりも本来存在した品種に近いほうが
肥料っけのない田んぼで自力根の力で
生命力豊かに育つように思います。
また太古からの先人の見た田んぼの風景や
食味にもロマンを感じるため
比較的古い品種を採用しています。
特に「農林22号」は稲の立ち姿も美しく
食味もあっさりしていて素晴らしいお米です。
暖地であればその親の品種の「朝日」。
寒冷地であれば「ササニシキ」が適しているように思います。
ただ、ササニシキはコシヒカリよりも後の品種で
交配もコシヒカリと同様にされていますが
施肥栽培では丈が伸び倒伏することが多く
メイン品種から姿を消していきました。
しかし、味わいや栽培のしやすさなどは
自然栽培に適した品種であると考えています。
天与の味覚を見直そう
コシヒカリのように施肥を前提に開発された品種は
同じく肥料を前提にしていない田んぼでは
その力を発揮できないように思います。
タネ本来の力に加え
天候と水と大地の力という
最小限の環境要素で育つ自然栽培の稲のようには
いかないケースがあります。
前者はどちらかと言えばデザインされた
工業的特性が強い傾向にあると言えます。
しかしながら、コシヒカリは決して悪ではありません。
時代の中でそういう役割を持った品種であるというだけです。
もちろん、窒素分が多いことでの
糖尿病や慢性疾患を指摘する医師もいます。
そういった情報を満遍なく並べて
考えて選択することが重要であると考えています。
コシヒカリの系統のような
近年の品種は自然栽培に見る
生命力と環境調和のバランスに着目するアプローチとは
そもそもの目的や規格が異なっているため
コンセプトの違う環境に適合するには
自家採種の年月を要するように思います。
この場合、種苗の特許関係によっては
自家採種を行うと権利侵害となる場合があるので
注意が必要です。
自然栽培にはやはり
人為的すぎない品種が相性が良く
それこそ「天与の恵み」を感じられる
味わいがあると思っています。
みなさんもいつか命が尽きる前に一度は
自然栽培の「農林22号」や「朝日」を
お試しくださいね!
続く
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