見出し画像

#20. 泣いてばかりいたあの頃


私は昔からめちゃくちゃ泣いてばかりいる子供だった。20歳になる頃には、人が一生で流す涙の量を優に超えていたと思う。泣く理由は色々あったけど、それを語りだすと長くなりそうなので、私の泣き虫ライフを軽く振り返ってみようと思う。

~幼少期~


「日本語で、あそぼ」がテレビで流れると「そろそろバスが来るよ」と母に連れていかれる恐怖。そして通学バスに乗った瞬間から号泣スタート。家では元気いっぱいなのに、外に出た瞬間、顔の筋肉が死ぬ。泣いて息が出来ないあの感じ。あれを毎回繰り返す、地獄の通学バス。お昼ご飯の時間はブルーシートのど真ん中で一人ぽつんと弁当を食べた。これが一番の思い出です…

~少年期~

ここでもまだまだ人見知り。給食の時間、机を合わせて班にして食べる時間が死ぬほど怖かった。(のちに知った、会食恐怖症というやつ)とかく緊張が食欲を大幅に上回り気持ち悪さで一口食べて腹いっぱい状態・・・この時代は給食ノルマ?みたいなのがあって、
「半分は食べようね~?」の先生の絶対的な圧に追いやられ、給食の時間が終わってからも一人で泣きながら食べた給食の時間。クラスの子たちが「もうちょっとだよ~!」「あと少し!!がんばれ~~~!」「絶対いけるよ~!」などと応援してくれた。(毎日一人だけマラソン大会してる気分だった)応援させてしまうのが申し訳ないし給食の先生にも食器を毎度遅れて持ってくのが申し訳ないので心がいっぱいになった。その1年後、わたしは横にかけてた手提げのバックに、パンを食べたふりしてポロっと。。魚の時もあったな、、(まま、給食の先生、ほんとすみませんでした。)



~青年期~

中学に上がり初めての部活動、『何コレ楽しすぎ!?』と卓球にハマる。家に帰ってからも壁打ちをし続け、みんなで使っていたこたつのテーブルをひっくり返し、勝手に卓球台にしてひたすら練習に励む。まるで昭和時代のような練習法。ただし、お金がな過ぎて高校は夜間高に行くしかない、となった途端に、優しかった先生たちにあからさまに距離を置かれ、それが悔しくて中3の時は泣きまくった。

高校に入ってからは、
ひたすらお金を稼ぐことに熱を入れた。
初めて自分で稼いだお金で買ったものはコンビニのツナマヨおにぎり。
罪悪感を感じずに物を買えたことが初めてでおにぎり食いながら嬉しくて泣いた。(千と千尋か。)
花屋、居酒屋、ラーメン屋、カフェ、レストラン、イベントスタッフ、給食のおばさん、宴会会場セッティング…なんでもやった。
夜の学校の時間以外は全てバイトに費やした。知識なしに働き続け、一瞬で扶養を抜けてしまい、お金は稼げたが寝る時間も無く心はズダボロ。
死ぬほど頑張って貯めたお金も、家&自車校費用&ケータイ代&車代ですぐに消えてお金の儚さに泣きそうになった。
そのうち、ママとパパが2人して病気で入院。
起きる、バイト、学校、病院、バイト、寝る。
の繰り返しで、家に帰ってからも独りぼっちで心細く、誰にも弱音を吐けずにいた。
そしてその後、なぜか霊に取り憑かれるという謎の現象が2回も起きた。お祓いに行き、なんとか心を取り戻し、過酷な時代をなんとか乗り切った。


~社会人~


介護施設に新卒で入社。初めて9時間労働と聞いた時、「たったそれだけ?」と驚いた。だって高校時代、バイトで体力売りまくりだったから会社員の生活は天国みたいに感じた。仕事内容は大変だったけど、時間的な拘束が少なくて、仕事後の時間をどう使えばいいのか分からなくて、気づいたらまた職場でおじいちゃんおばあちゃんたちと一緒に過ごしてた。
そのうち「生きる=働く」「働く=誰かのために生きる」「誰かのために生きる=我慢する」と思い込むようになった。でも、その中で人の優しさに救われることも多かったし、だからこそ、今こうして生きているんだと思う。



全部ひっくるめて、今

悲しくて泣いてばかりいた時代を乗り越えて、今は、
嬉しくて泣いてばかりいる時代を生きている。
友達からの何気ない電話で泣くし、
母の顔を見ただけでホッとして泣いてしまう。
一人で寂しい時は泣かないけど、人の温かさを感じると、つい涙が溢れてくる。

前は「なんで私ばっかりこんなに辛い思いしなきゃいけないんだろう。人生ハードモード過ぎ!」とか、まるで悲劇のヒロインかの如く思っていたけど、今は「私、まじで恵まれてるなぁ。本当に幸せすぎるなぁ」としみじみと感じるようになった。
そして周りの人たちに救われてばかりいるからこそ、私ももっと成長して頼れる人間になりたいと、日々頑張れている。

泣きたくなるほど嬉しい日々に感謝しながら、これからも泣き虫女で居続ける。
できることなら泣くより笑ってたいけど、
私の幸せの最上級はおそらく嬉し過ぎて泣くことなのかも知れない。

これからも色んな人と感情を分かち合いながら、
たくさん泣いて、たくさん笑って生きていくんだろうな。

人生、いろいろあってよかった。



   

                 No.20



いいなと思ったら応援しよう!