中国にもあったんだ

バイト先に中国の子が帰ってきた。
これでうちのバイト先にまた国籍が増えた。
うちのバイトは多国籍で楽しい。


もうヴィッセル神戸と言っても過言ではない


最近、バイト中は主にコンビ名を考えている。
もちろん接客や品出しもやってる。やってるさ。
24歳だし、大人だからね。


「くらし」というコンビ名は恥ずかしながら、
「あえてシンプル」という路線でつけたコンビ名だ。「暮らし」という言葉も好きだ。
時を過ごすことを陽が暮れていく様に表してるの風流だなと思う。
あと名前に色がないのでコントをやる時に邪魔にならないのも良いと思う。
これがもし「破茶滅茶元気ゴリラ」というコンビ名だったら破茶滅茶に元気な大声を出すネタをしなければならないだろう。
ひらがな表記なので意味を含ませているように見えるし誤読も避けやすい。

しかし、この「くらし」には弱点がある。
まずエゴサーチで出にくい。
この前、指摘されて「あー!!」となった。
さらに「なんか人力舎っぽいね」と言われた。
全然そんなつもりないのだが、おそらく「あそび」さんという先輩がいるからだろう。
その日の最後の方はもう「あそび」って呼ばれてた。僕は疲れ果ててたので否定をしなかった。


コンビ名を考えないといけない。
でも見たことあるような奴はつけたくない。
できたらだけど。決まらなくてライブに出ないってのが一番アホなのでそれは避けるが、
なるだけ新しい良いコンビ名を考える。
ユニットを3つも持ってるとこれが大変。


でも考えても考えても良いコンビ名が出ない。
コンビ名を考えことがもしかしたら一番苦手かも知れない。生きてると発見ばかりだ。


【僕が良いなと思うコンビ名】
・ダウ90000
僕が文系だからか、意味は分からんが、
なんかこう…、新しい気がする!!よな!?

・ハイツ友の会
建物の名前っぽくつけるの好き。
友の会の抜け感も好き。
僕も「コーポ」とか「荘」とかつけたかった。
まだ間に合うかな。

・学天即
もがなもいわずにカッコいい。

・トルクレンチガールズ
男性ユニットに「ガールズ」って付けるのカッコいい。トルクレンチはなんらかの工具らしい。
工具を持った女性。なんか素敵だ。


などなど、あげればキリがない。


ずーっと考えててもありそうな奴しか出ない。
ウゲー!苦しい〜!
人間の頭って辻褄合わせるように出来てるから意味ありげな言葉しか浮かんでこないんだな。


なんか、降ってこないかな〜。
と考えてると中国人の子が出勤してきて、
「これだ!」と思った。


僕は出勤したてホヤホヤの彼女に
「好きな日本語とかある?」
とすかさず聞いた。ヤバすぎる。


これを彼女に聞いたのは
「幼稚園児のお絵かき理論」によるものだ。
幼稚園児が書いたパパやママの絵はものすごい構図だったり、ものすごい配色だったりする。
まだ色んなことが定着していない園児は
「これはこうあるべき」という先入観がないから大人には理解できない世界を描くことが出来る。


この理論で
そんなに日本に長く滞在していないため、まだ日本の赤ちゃんである彼女に聞いたのだ!
これは妙案である!


これを受けて彼女は、
「うーん…、すきなにほんご〜?」
と戸惑っていた。
うわ、そうか。この質問大喜利チックすぎたか…
そうか、中国にも大喜利があったのか…


普通カタコトを書く時はカタカナで書くのだが、
中国人の日本語は僕にはひらがなに聞こえる。
韓国人もそうかも。その他は例外なくカタカナ。


中国にも大喜利あることを知らなかった僕が申し訳なさそうな目で彼女をみていると、
「あっ!」と彼女は声を上げた。
「きたきたきた!」の顔をしてたと思う。
「きたきたきた!」ってもう言ってたかも。



「給料!」



せっかく考えて貰ったのに、
「それちがーう!」の顔をしてたと思う。
「それちがーう!」って言ってたかも。
いや、言ってたな。
それはあなたが好きな言葉じゃなくて、あなたの好きなモノだね。って言ってたな。覚えてる。


この後
「こめだくんのすきなにほんごなに?」

と聞かれたのでめちゃめちゃカッコつけて、パワーの差を見せ付けたくて「牡丹」って言っといた。ぜんぜん響いてなかった。


今になって考えたら
「ボタン」って思ってたかもな。
だとしたら英語で答えるボケしちゃってたのか。僕は。これは恥ずいぞ。
それでスベったってことか。うーわ、はっず。


その後、彼女はコツを掴んだのか、
好きな日本語をたくさんくれた。
それはほとんど好きなモノだった。
違うのよー。


その中にひとつだけ「言葉」があった。


それは「馬鹿野郎」だった。
絶対そんなに好きじゃないだろ。
「馬鹿野郎」をコンビ名に入れるの恥ずいし。
絶対に熱い奴らじゃん。そんなの。


「なんでそんな言葉知ってるの?」と聞くと、
どうやら小さい頃、中国で流行ってたらしい。
あー!なるほど!アレだ!これはアレだ!


小学校の頃、よく訳もわからずに
「Pardon?」「What?」とか使ってたな。
アレだ!アレの日本語版が中国にあったんだ。
ちょっと嬉しくてコンビ名のこと忘れた。


退勤間際に
「今日なにも思いついてない!」
と気づいてしまった。


ミャンマー人がまだ居たので
「好きな日本語教えて!」チャンスがまだあった


この子は日本に住んで長い。
東京だけなら僕より長いので
あまり「幼稚園児のお絵かき理論」は期待できないが、聞いた。
こうなったら背に腹はかえられない。


すると間髪入れずにミャンマー人は
「ありがとう」と言った。


……


素敵な言葉だよな。

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