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岸田総理!NPOを超パワーアップさせて、「新しい資本主義」を実現できちゃう秘策があります!


追記:

動画でも解説しています。文章読むのが辛い方はこちら。


【はじめに】

 資本主義は他の全ての主義よりもマシだけれども、完璧なシステムではありません。
その歪みから格差や貧困、孤独・孤立等、さまざまな課題も生み出されます。


 それらの社会課題を手当てし、解決していく役割を担っているのが、NPO等のソーシャルセクターです。


 が、しかし!知っていますか。


 今、NPOの新設数が減っててやばいんです。8年連続、新設数が減少しちゃっているんですね。


 さらに、NPOの規模が大きくならなくてやばいんです。
NPO法人の収益の平均値が2476万円。中央値は684万円。
町工場とかも含めた日本の中小企業の売上の平均値が1億7600万円だから、企業の7分の1くらい。


 しかも、NPO代表の58.7%が65歳以上という高齢化っぷり。まずい。


 規模も大きくならないし、新しく生まれる法人数も減ってるし、経営者の高齢化は進みまくっているし、このままだとかなり危機的な状況です。社会課題はより複雑になって広がっているのに、それに対応する主体は育たない。


 これじゃあ資本主義の課題を乗り越える、新しい資本主義なんて夢のまた夢です。


【NPO法人への「非営利株式」の導入】

 しかし、この危機的な状況をブレークスルーするアイデアがあります。


 「株式」の仕組みを、NPO法人の中に取りこみ、NPO法人制度をアップグレードするのです。


 やり方はこう。


 まず、今のNPO法人に「出資型」の類型を創ります。
そしてこれまでのNPO法人を「一般型」として整理します。


 で、出資型NPO法人は、普通の企業が株式を発行するのと同じように、「非営利株式」を発行できます。


 「非営利株式」は、普通の未上場株式と同じように、売ったり買ったり渡したりできます。なので、非営利株式を売ってNPOを売却したり、非営利株式を買ってM&Aをしたり、ということもできるようになります。


 だけど、「非営利」と名前がついている通り、配当はできません。そこが普通の株式と違うところです。


【非営利株式のメリット】

 でも、それじゃあ金銭的メリットないじゃん、って思いますよね。


 そうでもありません。非営利株は売ったり買ったりできるので、値段が上がったりもします。面白いことをやっていたり、未来を創っていそうなNPOの非営利株は人気が出て値上がりするので、それを売れば金銭的なメリットも出てきます。


 例えば、イーロン・マスクが日本で出資型NPOを創ろうって言い出したら、僕は絶対出資したいんですね。多分、日本の経営者の半分くらいは出資したいと思います。


 そんで、イーロンNPOがすごい良い感じで事業が広げていって、非営利株式のオーナーたちはイーロン・マスクと1年に1回リアルでご飯食べれて写真撮れる、って言ったら、僕の持っている非営利株式の価値はめちゃ上がると思います。買った時よりも高いお金で売れます。


 そうすると、面白くなりそうな、活躍しそうな出資型NPOに、最初にお金入れておこう、っていう風になりますよね。そう、スタートアップNPOに資金が集まりやすくなります。俄然、NPOを立ち上げやすくなるのです


【M&Aが可能になり規模化への道が開かれる】

 規模の問題もクリアできます。良さげなNPOがあったら、M&Aできるようになります。例えばフローレンスは国内の子どもたちを助けているNPOですが、昨今のウクライナ戦争もそうだし、アフガニスタンもそうだし、世界に目を向ければ困っている子どもたちがたくさんいます。


 そうだ、世界の子どもたちを助けよう、と思った時に、0からオペレーションを組み上げるのは途方もない時間がかかります。


 それであれば、海外で展開する、志を同じくできる日本の小規模NGOを買った方が早い。フローレンスとしては時間を買えるし、小規模NGOとしては、より大きな団体であるフローレンスの傘下に入った方が、運営が安定する。フローレンスはそのNGOをグループに抱えることで、海外の寄付者からの寄付も得られるようになるでしょう。


 こうして、NPOも規模を大きくしていくことができるのです。


【事業継承もしやすく】

 さらに、創業者の高齢化問題も解決しますよね。引き継ぎたくなったら、創業者の非営利株式を、買ってくれるNPOやインパクト投資家に売れば良いんですもん。その現場やオペレーション、施設に関心があるNPOは買ってくれるでしょうし、インパクト投資家は創業者株を買ってあげて、良い経営者連れてきて、事業存続させてくれるかもしれない。

 今だと創業者が高齢化して経営やれなくなったら、誰かやれそうな社員に任せる、っていう一択しかない。経営者育てるってほんと難しいから、大体代わりがいなくて、潰れていく、っていう末路。もったいなさすぎる。


【「エグジット」できるようになり、何度も社会起業できるように】

 んで、こうやって非営利株式を売ったり買ったりできるようになると、創業者利益が得られるようになります。これまでは、NPO立ち上げても何の金銭的メリットもないから、本当にお金にまるで興味ないような奇特な人たちしかやらなかったし、何だったらNPO経営している人の経済状態がまずくて、困窮者が困窮者支援してる、みたいな状況でした。

 それが、創業者が株を売れれば「エグジット」できるので、退職金的なお金は手に入るようになります。そうすると、随分NPO起業のハードルも下がります。

 さらに、エグジットができれば、社会起業家は「じゃあもう一回違うNPOを立ち上げようか」となります。シリアル・ソーシャルアントレプレナーの登場ですね。社会起業の才能ある人なんて希少なので、何度も社会事業創ってもらった方が、社会的には良い。そうやって社会事業やNPOがどんどん増えていくわけです。


【合弁や子NPO等、企業もNPO経営ができるように】

 さらにさらに、非営利株式があると、合弁(ジョイント)NPOも創れますよね。環境系NPOと、環境に負荷かけちゃうメーカーが一緒にNPOつくって、自社工場の環境負荷下げるための取り組みを始める、とか。


 あるいは企業が子会社ならぬ子NPOできますよね。SDGsにガチで取り組みたい。自社の営利事業だけだと中々それは難しいから、非営利事業をグループ内に持って、そこは資本の論理から自由に事業をやるぞ、みたいなことも可能になってきます。
スクラッチから出資型NPO創っても良いし、どこかの出資型NPOに資本参加して、一緒に運営していくのも良し。選択肢は広がります。


【株式の発明で資本主義は広がった。非営利株式の発明で、新しい資本主義は広がる】

 こんな風に、今のNPO法人格をアップグレードしたら、NPOが創りやすくなってめちゃ増えていって、かつ規模も拡大していって、新しい資本主義を支える主要アクターになっていくわけです。


 資本主義が株式会社の発明によって爆発的に広がったように、「あたらしい資本主義」は非営利株式の発明によって爆発的に広がるのです。


 しかも、法人格の改定って、別に莫大な予算が必要なわけでもないんで、やらない理由がないですよね、っていう。


 岸田総理、コンサル料は無料で良いので、ぜひこの政策、やってみませんか?
日本の社会課題解決が今よりも確実に進むことは、お約束しましょう。



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