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【一介の町人気取りしショートショートショート】
ちびこい雨粒がぽつりポツリ落ちて来とるで、心配性の我は、店に寄って、書物を預け、帯刀した後に、見廻りに出向こうか。もう開いている蕎麦屋もうどん屋もなかろうな。此の門前町には、なんと町全体に屋根が付いておるし、昼夜問わずに燈が灯っておる。ありがたいことよ。ただ今宵は風が無く、風鈴も鳴らぬのだけが、残念でならぬ。しかしまぁ、梅雨前のジメジメした鬱陶しさもまたイトヲカシというものか。今宵辺りは川の水もま
もっとみるやまとばしを渡りながら作った、ちっぽけな恋のショートショートショート。
君の街と、僕の街をわけているのは、この坂の上に流れている、一本の川だ。
僕はいつでも朝寝坊で、働き者の君とは、生活のリズムがまるで違う。
でも、深夜1時をまわった頃に、僕が部屋で待っていると、君は大概1時半頃に帰って来る。
君は、僕と一緒に食べる晩ご飯を、大慌てで作り、トン、トン、トンと、軽快な音を残しながら、いくつかの小鉢を丸い机に置いて行く。
晩ご飯を食べ終わったら、君が歯を磨き、テレ