#46 年に数回の「業績評価面談」では遅すぎる
先日、3ヶ月に1回の頻度で開催している、組合との定例労使協議会がありました。組合から、幾つかの提言の中に、上司と部下との間で行われる「業績評価面談」に関するリクエストがありました。年に二回(9月折り返し,3月年度末)の「業績評価面談」では足りない、もっと頻繁に行って欲しいとのこと。面談を受ける側として8割近い方は、業績評価面談は役立っていると答えている一方で、もっと自分について知って欲しい、仕事上のスキルだけでなく、まだ発揮されていない能力もあることを知って欲しい、という声もありました。
「役立っていると答えた方」「役立っていないと答えた方」それぞれの具体的なコメントを集めてみると
役立っているという意見は
✔️日頃言えないことを言えたり、確認できたりするので、貴重な機会である。 ✔️問題を整理したり、優先順位を決めたり、問題点を解決するヒントとなる。 ✔️会社の方針と、自分の目標が一致しているかどうかを確認できる。 ✔️自分の業務に対する思いや考え、目標を聞いてもらえる。 ✔️目標を設定することによって、スキルを向上させることができる。 ✔️人に話すことで自分の考えがまとまり、仕事に対する責任感が増す。
一方で、役立っていないという意見は
✔️一時的には効果があるが、一年に二回の面談なので、結局は自助努力になる ✔️目標をかかげてなくても、やらなくてはいけないことは決まっている ✔️長期目標の重要性よりも短期目標の緊急性が肥大し、近視眼的になっている ✔️面談者が、人事権を持っているため、本音での話を切り出しにくい ✔️上司に業務知識が無いため、面談時に適切なアドバイスをもらえない ✔️面談結果が、自分の評価にどう結びついているのかわからない
「業績評価面談」は、上手に活用されれば、メンバーについて把握できる効果的な場となる一方で、リーダーの傾聴力や行動に個人差があるし、面談だけで、部下について知るのには限界があります。タイムリーな情報が不足しているので。
観察して、「今」のその瞬間をとらえ続けていたい
面談の場で、始めてメンバーの活動に気づくようでは、遅すぎます。さらに、半年、一年と時間をあけてしまっては、「今」のメンバーの状態を知ることができません。常に、組織が、日々進化しているのと同じように、人も<on going(現在進行形)>であります。実際、一回の面談よりも、日頃のコミュニケーションが大切、とも言えます。
メンバーがどんな場面でリーダーのサポートを必要とするかは、一人一人異なります。その場面、その瞬間を知るにも、日頃からメンバーをよく観察し、何をしていて、何を欲しているかを知ることが大切であると、組合との定例労使協議会を通じて感じました。
人事の立場として、組織のコミュニケーション量と質を見直す策を検討し始めることにしました。