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デブエットは共感されにくい
ダイエットレシピにダイエットエクササイズ、○○ダイエットなど、世の中にはキレイに痩せる方法についての情報が溢れている。
テレビやネット、書籍、SNSなど、色々な媒体からそれらの情報を得ることができる。
だけどキレイに太る方法についてはほとんど情報がない。
痩せてキレイになりたい人や健康のために痩せたい人がそれほど多いのだということは分かるが、痩せすぎや太れないことに悩む人だって存在する。
何を隠そう私がそれだ。
私は周りから「鶏ガラ」やら「枝」やらと言われるほどひょろひょろと痩せている。薄っぺらくて骨ばっているし、少しでも体調を崩したりすればさらに痩せて肋骨が浮き出るほど肉が少ない。
私自身はこの痩せた身体が心底嫌なのだが、痩せている方がいいじゃない、などと言われてたいていあしらわれる。
ただちょっと待って欲しい。
痩せてることを「マッチ棒」やら「枝」やらと言うことは、太っている人に「デブ」とか「豚」とか言うのと同等の悪口だ。
世間では太っている悩みに比べて、痩せている悩みはやや軽視されているのではないかと常々感じる。
それはやはり少数派だからだろうか。
私はキレイに太ることを「デブエット」と称して、どうすれば太れるのか色々と調べようとしたことがある。
栄養学の本を読んでみたりネットを漁ったり、知人に相談などもしてみたけれど、総じて「しっかり食べて運動しろ」ということくらいしか結論を得られなかった。
そんなことは分かっている。
バランスの取れた食事と適度な運動は、痩せたい人も含めて、健康的な体を得るために必要な基本的な条件だろう。
だけどもっとそれぞれのライフスタイルや体質に合わせた、幅広い多様な情報が欲しいのだ……!
■痩せすぎの弊害
まず見た目が貧相なこと。
ファッション誌などを見ると「痩せ見え」「着痩せ」などという言葉はよく使われるが、痩せた身体をメリハリがあるように見せることはとても難しい。
手足やウエストがスラっと細いだけならそれは素敵なスタイルなのだろうが、私はそうではない。
慎まし過ぎるバストとヒップにとても悩まされている。
襟元の広く開いた服はスカスカで胸元が気になるし、タイトなパンツでもヒップ部分が余る。ベルトもモノによっては一番端の穴に合わせても緩いことがある。
そして体力が無い。
これは元来の体質もあるのかもしれないが、子供の頃から疲れやすく病気がちだ。
痩せている人は標準体型の人に比べて平熱が低い場合が多い。
平熱が1℃下がると免疫力が30%ほど落ちると聞いたことがある。
それを体現するように、私は冷え性で体調を崩しやすいし、ひと冬の間に感染性胃腸炎に2度かかったこともある。本当に死ぬかと思った。
またPMSや生理痛もきつい。
■太れない原因
痩せすぎについて人に相談すると、決まって「もっと食べろ」と言われる。
だけどそれが出来たら苦労しない。
私はたくさん食べることができないのだ。
子供の頃から少食で、大人になった今でも私より食が細い人を見たことがないほどだ。
すぐにお腹がいっぱいになってしまって、無理して食べようとすると吐き気がしたり、食べた後お腹を壊してしまったりする。
例えばカフェや定食屋で出される一般的な一人前は基本的に食べきれない。いつも一緒に居る友人に食べて貰ったり、予め店側に依頼して量を減らして貰ったりしている。
バイキングなどは確実に元が取れない。
「バランスよく食べましょう」などと言われても、そもそもバランスを取るほどの品数や十分な量を食べることができないのだ。
量が食べられないなら、カロリーの高いものを摂取すればいいじゃないかとも言われたこともある。
しかしそれもまた単純な話ではない。
私は脂質や糖質が多すぎるもの、香辛料などの刺激が強い食品も苦手なのだ。
苦手と言っても、それらの味や食感が嫌いというわけでは無い。
私は胃腸が弱く、過剰な脂質や香辛料などの刺激に身体の方が耐えられないのだ。
スイーツや揚げ物などハイカロリーなものは脂質が多い。
ケーキ1ピース、とんかつ1枚、ドーナツ1つ。体調にもよるがそれだけで胃もたれや腹痛、下痢を起こしてしまう。
少食な私もスイーツや揚げ物自体は好きなのだ。美味しいと思う。
だからこそ本当に悲しい。
■現在のデブエット計画
胃が小さく胃腸が弱い私は一体どうすれば太れるのか。
量をたくさん食べたり、高カロリー食品を摂取するという方法は使えない。
現状、無理のない程度で軽めの筋トレを続けている。
一時期YouTubeのダンスレッスン動画を見ていたが、有酸素運動は脂肪を燃焼させるから痩せてしまうかもな、と思い控えている。
そして一度の食事でたくさんは食べられないけれど、少量ずつ小分けには食べられるので間食にナッツを食べたりしている。それで少しでも一日の摂取カロリーを増やそうという算段だ。
だらだら食べるのは消化に良くないという話もあるので、こちらは体調をみながらという感じだ。
なかなか痩せられずに苦しい思いをしている方ももちろん沢山いるだろう。
太りたいのに太れない私の方が辛いなどという気はない。
しかし太りたい私には参考にできる情報が圧倒的に乏しく、そのことは本当にしんどい。
太っていることを笑うことは咎められがちなのに、痩せていることは平気で笑われるのもしんどい。
私はこれからも地道に、自分に合ったデブエット方法を探し、試していく。
何か成果が得られたらまたここに記したい。
ここまで読んでくださった誰かが、太れなくて辛い誰かが居るということを少しでも理解してくれたら、とても嬉しい。