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大阪市の神社と狛犬 ❼都島区②桜宮御旅所~秘蔵のTHE浪速狛犬~
大阪市都島区の地図と神社
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大阪市には、現在24の行政区があります。淀川のすぐ南側には5つの区がありますが、都島区は大川(旧淀川)を挟んで北区の東側に位置します。南北に細長い区で、南は寝屋川と接しています。
都島という名称は、仁徳天皇の高津宮や孝徳天皇の長柄豊碕宮が近くにあったことによると言われますが、一説には、長柄豊碕宮の東岸(向かい側)に位置していたことから、この付近を宮向島と称したことに由来するともいいます。
都島区には、桜宮御旅所を含めて神社が4社あります。旧太閤園庭園内の網島神社を含めると5社になります。
桜宮御旅所は、淀川神社から大川沿いに1kmほど南に下ったところに鎮座しています。大阪メトロ谷町線の都島駅からは500mほどです。
桜宮御旅所
■所在地 〒534-0015 大阪市都島区善源寺町1-11-26
■主祭神 櫻宮大神・楠龍王大神
■由緒 この地は、大江山の鬼退治で有名な源頼光の荘園だった所で、明治42年(1909 )まで旧善源寺村の産土神社(八幡宮)が鎮座していた。その後、桜宮(桜宮神社)に合祀され、現在は御旅所になっている。
境内には源頼光自らが植えたという樹齢900年の楠があったが、戦災で枯死してしまった。源頼光の四天王のひとり渡辺綱が、この楠に馬を繋いだと伝えられることから、「渡辺綱・駒繋ぎの楠」と呼ばれている。
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狛犬1
■奉献年 文化八辛未年 九月建之(1811)
■石工 不明
■材質 砂岩
■設置 社殿前
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道路に面して鳥居と瑞垣があり、その中に小さな社殿がある。社殿の背後には、戦災で枯死した樹齢900年の楠が今なお保存されている。狛犬の存在は、社殿正面の小さな金属製の門扉から中をのぞくまで気がつかなかった。一見して、江戸の浪速狛犬の全盛期のものだとわかる。台座を調べると、「文化八辛未年 九月建之」の文字が刻されていた。文化8年は、西暦1811年である。
丸い目の下に山型の鼻があり、鼻の上には二本の皺がある。耳は分厚い横耳で、吽形は頭上にはっきりした角を持っている。
文化・文政・天保の40年間は、狛犬の制作・奉納が盛んになった時期で、典型的な浪速狛犬が多数造られた。この狛犬も、その貴重な一例だといえる。
狛犬2
■奉献年 大正十年十月吉日(1921) 職工一同
■石工 不明
■材質 花崗岩
■設置 楠玉神社鳥居前
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桜宮御旅所のある善源寺町には、かつて日本製紙(株)都島工場・日本板紙(株)大阪工場があった。工場には守護神として楠玉神社が祀られていたが、平成12年の工場閉鎖に伴い、氏子の希望により、この桜宮御旅所に合祀されることになった。
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鳥居前に安置されている狛犬は花崗岩製で、やや大雑把な印象を受ける。台座に「大正十年十月吉日」とあるので、楠玉神社が製紙工場内に祀られていたときのものであろう。別の面には「職工一同」の文字もある。
桜宮御旅所は、もとは八幡宮があったところだけに、御旅所とはいえ、小さいながら歴史を感じさせる神社である。すぐ近くに都島神社があるのに、離れた桜宮(桜宮神社)に合祀されたのには、どんな経緯があったのだろうか。
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