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追われた天狗 本牧十二天社
失われた名所、本牧十二天社。東京湾に顔を向けたひとこぶラクダの形の神奈川県。本牧はラクダの喉仏の部分にあたる。
本牧は「牧馬の地」でやがて漁村となり、江戸時代には景勝地として賑わい谷崎潤一郎もかつて居を構えていた。本牧塙にある十二天社は天狗が住むとされ、漁民から大変に恐れられていたという。
戦後GHQに接収された本牧。神社は移され、埋立地と港湾に姿を変えた。移された十二天社へ向かうと、不穏な空模様。天狗の使いとされる鳥たちが大群で飛びたった。令和にも残る少し独特な空気。神社への信仰は今も篤く、立派なしめ縄がずしり。
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大型狛犬が頼もしい。
かつて十二天のあった緑地へ向かう。途中、大粒の雨がフロントを叩き始めた。台風の余波か天狗の涙か。十二天緑地に着くときには小降りとなって一安心。僅かに残された緑地。歴史を語るパネルが静かに並んでいるのだった。
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さて今日はこの辺で切り上げて、みなとみらいでフレンチトーストをいただきましょう。