ライフ・イズ・オムライス

もしも生まれ変わるなら、オムライスになりたい
お月様みたいにふわふわな、
毛布にくるまって心地良く、
惰眠をむさぼる赤ちゃん、そのあたたかさ
ベビーパウダーの甘い匂いに包まれて、
さらさらぷにぷにのおてて、
その無邪気で容赦のない愛撫を、
許され、頭を撫でられ、
ぎゅうと抱きしめられて、名前を呼ばれて、
愛されている実感をして、
やがて少女は大人になるのだ
別に形はどうでもいい、結果美味しければどうでもいい
卵がきれいに割れなくとも、
ぼろぼろのスクランブルエッグになったとしても、
なんとかオムレツ型に整えて、
ライスとケチャップで良い感じにすれば、
オムライスだと言い張ってしまえば、
きっとそれはオムライスなのだろう
もしも二人で生きるなら、
それでも君はオムライスだと、
言ってくれる人が良い
そっと口に含むオムライス、
その柔らかさと円やかさ、鼻を抜けるケチャップの爽やかさ
もしも人生に味があるなら、この味が良い
そして君もそう思っているのなら、
なお素敵なんだと思う