こまい わかな

詩未満、ポエム未満を月、木、土に更新予定。気まぐれ。 ただ書いていたいだけ。将来の夢は売れない文字書き。

こまい わかな

詩未満、ポエム未満を月、木、土に更新予定。気まぐれ。 ただ書いていたいだけ。将来の夢は売れない文字書き。

最近の記事

幸せになりたいだとか

幸せになりたいだとか、 愛されたいだとか、 そんな短絡的な言葉を並べたって 幸せになれるわけでも、 愛されるわけでもないのに、 それでも諦められず貪欲に、 無駄な言葉を吐いている 世界がパンケーキであれば、 世界がふわふわの幸せな塊であれば、 誰もが幸せを求めずに、 愛に飢えることもなく、 日々を笑って過ごせるのだろうか いや、愚かな私はふわふわに飽きて、 たまにはクリームソーダも飲みたいだとか、 もっと歯ごたえのあるものが良いだとか、 毎日パンケーキは飽きるだとか、 たま

    • 砂漠のカエル

      喧騒、 響くネオンの心地よさ、 柔和な慈雨に皮膚は溶け 気怠さ、詰まったリュックサックに 昨日の期待が哀れみを向けている ああ、どうせどうせって、 慣れないヒール履いて、 人懐っこさを装って、 愛嬌の防具を纒っているのだ イガイガの喉、 よく咽る弱い気管支に酒をぶち込んで、 私、フラフラがえるになるんだろう 脳天が射抜かれる妄想、 世界を更地にしてしまえたら きっと全てが丸くなる、 そんな滑稽な幻想抱いて喉を渇かしている、 誰もが、そう 砂漠のカエルだった …… ああ、

      • 世界を回していた

        要するに、世界は私が回していた 柔らかな日差しは私を祝福し、 生まれたての瑠璃鳥は可愛らしく囀る お洒落な紅茶を一杯、 クラシックに耳をすませながら 私は愛くるしいノートに詩を綴る なんて夢見がちに語っても、 私の部屋は、 いつまでも散らかっている 寝癖は酷いもんだし、 朝はいつだって弱い 平日も酒をやめられず、 無気力に日々を生きている それでも、 私が世界を回している、 そんな馬鹿みたいな実感を得ている 勘違いでも良いと、 馬鹿になっている 馬鹿になれている お洒落な

        • オトナになる、ということ

          トースト焼くのも面倒臭いので、 お湯だけで作れるスープにする 明日やると言ったきり手つかずのレポートが 今の私自身だった いつだって等身大でいたかった 繭に包まれたまま いつまでもぬくぬくしていたかった 永遠にBボタンを連打して 「変わらぬ私」でいたかった 幼い少女はジャンヌ・ダルクの夢を見る あの頃よりもずっと、 体重は増えたし、悩みも増えたし、 やらればならぬことも増えた 時が来れば私も、綺麗な女性になるのだろうと信じて疑いやしなかった だけれども、毎日目にする鏡の女

          抱擁

          冷たい棘が刺さっている それは喉につっかかって 時折、ふと思い出したように チクチクと私を責め立てる あの日、壊した傘の感触、 あるいは引っ張ってしまった髪の感触、 そしてざらついた喉に張り付いた、 「嫌い」の2文字 数年前、十数年前の、風化した記憶 記憶は時を重ねるごとに色褪せていくものだった しかし、それと同じくらい 記憶は私を強く強く、縛るようにもなった 私は決して無垢ではなく、 掌はささくれ塗れである 誰かに許されたい、なんて傲慢であった 自分勝手な我儘は、 私

          遅ればせながら、はじめましてと自己紹介

          はじめまして。 こまいわかなと申します。 漢字で書くと、氷魚 若菜です。 あと数年は20代の女です。 好きな食べ物はオムライスとタルト。 好きな色はオレンジとラベンダー。 好きな動物はホワイトタイガー。 推しは多く、興味関心も広い女です。 プロフィールにも記載済みですが、主に詩っぽいものを書きます。 あくまでも自分の作品は詩ではない(まだ詩とは言えない)と思っていますが、詩タグをつけている愚か者です。 いつか売れない文字書きになれるように、日々精進しております。 私は私

          遅ればせながら、はじめましてと自己紹介

          ただ、くまちゃんの夢を見ている

          ハンドソープをワンプッシュした時にできる、くまちゃんが好きだった 少女は、まだ陣痛を知らない 重ねる掌の温かささえ、寂しさを埋める夜でさえ、少女同士事足りることだと思っている 月はいずれ欠けるものである 矢継ぎ早のお誘いに段々嫌気は差すもので、「冬の海が好きだ」と言った君にただ「寒いね」と返すだけだった LINEの返事は2週間後が当たり前だった、誰からもペースを乱されたくなかった 街で流れる音楽よりも、自分で作った曲を愛している、私はそんな人間である 誰もが指を指したとて

          ただ、くまちゃんの夢を見ている

          ペンと瘡蓋、あるいは私自身のこと

          登らなくともいい山を登っている 見ず知らずの声が丘をくだり、背骨を砕く その痛みがただ、 傀儡の足を突き動かしている 指先は爛れ、垢に塗れて、 誰もが物言えぬ海月になっている 登らなくてもいい山は、 誰かが作ったものだった よく見ればただのハリボテであった 誰もが無知なままでいて、 誰もが緩やかに忘却し、 残るのはただ、 目の前の粗雑な険しさのみである 私は彼らの背中に宿る、 兎の皮を被されたハイエナを眺めながら、 傷口にペンを突き立てた 偏屈な砂利道も、かつては白い砂浜であ

          ペンと瘡蓋、あるいは私自身のこと

          かつては宝石だった、あの日々のこと

          全てはやがて川となる 下らないと投げ捨てた あれやこれやが凝り固まって 私の素足を撫ぜてゆく そのやわやわとした輪郭は かつてのやるせなさだった あるいは半端な劣等感だった もしくは幼稚な少女の面影だったか いっそのこと全てが濁っていたならば 愛しいと思わずに済んだのに 川は無邪気に澄んでいる 下らないと投げ捨てた、 あれやこれやを飲み込んで

          かつては宝石だった、あの日々のこと

          世界は餃子になれるのか、あるいはひよこはいかなる時でもひよこであるということ

          ひよこはひよこのままであった ひよこはひよこのままでいて、 世界はやはり潰れた餃子の皮だった ぺちゃんこ、すかすかな世界の底、 ペンキで塗りたくることは、実にたやすいことだけれども こくりこくり頷く先で愛でる入道雲は、なんとなく卑猥に見えたりもする 電車の窓、通り過ぎるカレー屋の看板が、歌姫のように見えたりだってする ひよこはひよこのままだった ひよこはひよこのままでいて、 無知に卵焼きになるのかもしれなかった 無駄にひよこなのかもしれなかった もしくは綿あめかもしれなかった

          世界は餃子になれるのか、あるいはひよこはいかなる時でもひよこであるということ

          ライフ・イズ・オムライス

          もしも生まれ変わるなら、オムライスになりたい お月様みたいにふわふわな、 毛布にくるまって心地良く、 惰眠をむさぼる赤ちゃん、そのあたたかさ ベビーパウダーの甘い匂いに包まれて、 さらさらぷにぷにのおてて、 その無邪気で容赦のない愛撫を、 許され、頭を撫でられ、 ぎゅうと抱きしめられて、名前を呼ばれて、 愛されている実感をして、 やがて少女は大人になるのだ 別に形はどうでもいい、結果美味しければどうでもいい 卵がきれいに割れなくとも、 ぼろぼろのスクランブルエッグになったとし

          ライフ・イズ・オムライス