おろし金あれこれ
狛江スリムはキッチンスペースが極端に狭かったので、店内調理は選択肢が限られていました。それでもこだわる部分はきちんとこだわりたいので、扱う素材や調味料には「違いがわかるように」と心を砕きました。ある種の悪ノリと言ってもいいかもしれません。
麺類をお出しする際にも、ねぎは刻みたて、生姜は下ろしたてでお出しします。手返しは悪くなるのですが、香りも気分も一段二段上がります。その際にはおろし金を使うのですが、狭いにもかかわらずなぜか3つも置いてありました。ちょっと紹介してみたいと思います。
1. 有次
職人目立て、プロ御用達の逸品です。大根をおろすにはとても良いのですが、店では生姜をおろす機会が多かったため、その他のおろし金が導入されると出番は大幅に減りました。しかし見た目がカッコよく、コンロ周りの吊り下げフックにぶら下がって存在感をアピールしていました。
2. マイクロプレイン ゼスター
おろし金というよりはグレーターの位置付けで、チーズをおろしたりチョコレートを削ったり、からすみをおろしたりするのにも活躍しました。これで生姜などの薬味をおろすと、「擦る」というよりは「細かく刻む」ような形で潰れきらないので、良くも悪くも食感が残ります。
生姜をお出しする機会が多かった兼ね合いで、このおろし金も出番が限定的になりました。
3. ツボエ さめ吉
これは実はワサビおろしで、鮫皮に代わるところから「サメ吉」と名付けられているのですが、このおろし金は「おろし目がとても細かい」「後片付けがものすごく楽」という特徴があります。
生姜の繊維もきちんと断ってくれる上に、すり潰す細かさがあるので香りがよく出ます。ニンニクをこれでおろすと粘りを感じるくらいに細かくおろせます。そしてなにより、水で流せば繊維カスが残らず洗える簡便さが強烈に魅力でした。
ゼスターも流せばまぁまぁ落ちるのですが、歯応えが残るおろし具合なので使い所を選びます。有次は職人目立てのありがたみは強いのですが、生姜の繊維が目立てた刃先に残らないように毎回きっちり洗うのは、深夜の営業後にはあまり考えたくないなぁというのが正直な印象でした。
このサメ吉はあまりに気に入ってしまい、友人や知り合いのお店などにも片っぱしからプレゼントしていました。肝心の本ワサビにはあまり使えていないのですが、今では子供も毎朝の味噌汁にこれで生姜を擦って入れています。
お値段もお手頃ですので、もしよかったら、どうぞ。
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