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水道工事狂想曲 第二楽章

予想だにしていなかった保健所からの不合格。びっくりして「水道業者と確認をとって工事したのでそんなはずはない」と悔い下がりますが、トイレに単独の手洗いがないのは絶対に通せないので、他のチェックも行わずに帰りますと取り付く島はありません。

仕方ないので、再訪のアポをできるだけ早く入れますとお伝えしてその日は終わりました。急ぎ業者に連絡を取りますが、「え?そうなんですか?」と訝しげです。とにかくこのままでは開店ができないと対策を依頼しましたが、古い部材は廃棄してしまったので入手が難しいかもしれないと言います。

もう部材が古かろうが新しかろうがなんでも良いので、誤った情報で撤去されてしまった手洗いをとにかく戻してくれと伝えます。結果的には幸運な事に、廃棄されようとしていた部材は廃棄前にどうにか取り戻せましたが、一部追加の作業費をさらに請求されてしまうよく訳のわからない状況になりました。

本来であれば別な業者に切り替える等の手を検討するべきだったと思うのですが、年内開店をどうにかして達成させたい思いがあったために、色々と飲み込んで追加の作業を依頼し前に進むことを決意します。

果たして作業は行われ、トイレの手洗いは復活し、2度目の保健所の検査は無事通過することができました。色々と愉快でないこともあったものの、店を開けられる喜びと安堵がそれを覆い隠しました。ただ、トゲのように心にどこかにひっかかるものも残りました。水道業者はついに最後まで、一言も謝ることはありませんでした。

その後消防・警察等の手続きも終え、店は無事スタートします。開店当時は慣れないカウンターの中ただただ忙しく、毎日が過ぎていきます。しかし数ヶ月立った後、新たな問題に直面することにその時は全く気づいていませんでした。

(第三楽章へ続きます)

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