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黒のユニフォーム

いよいよ店が開く。憧れのシチュエーションを目の前にして、店主連も色めき立ちます。さて何を着よう。狛江スリムはスナック居抜きの極小店舗ですので、あまり堅苦しくても場に合わないし、かと言って自由すぎてもイマイチな気がします。

それでも、なんだかんだ言って最初に思い立ったのはバーコートでした。やっぱりそれっぽい雰囲気があった方が「バーやってる」って気にもなるし、何より形から入った方が気分がアガります。

ただ、毎週店主連のどちらが店に立つかわからないケースも予想される中で、洗い替えの管理も含めて毎回ちゃんと準備する、っていう手間を考えた時に、まずは「定期的にかかる手間コストの最小化」を重視してやめることにしました。

その代わりに決めたのが「上はなにか黒いものにしよう」という、緩めのルールでした。

黒であればなんとなく「きちんと感」が出やすそうな気がするし、白と比べると汚れも目立ちにくいので、例えばお酒や果汁が多少跳ねてもごまかしが効きます。ということで、開店当初は店主連はどちらも上は黒い服を着ている、というのが狛江スリムの定番のスタイルでした。

とはいえ、このルールも数ヶ月立つ頃には若干曖昧になっていて、おそらくそんなユニフォームのルールがあったなんて認識しているお客様はいないかもしれません。

でも、時折黒のジャケットを見ると、開店当初のワクワク感を思い出して、今でもどこか懐かしくなります。

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