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ビリヤニの基礎 その4 〜 1時間で炊く!割り切り本格ビリヤニレシピ

それではいよいよ、ビリヤニを炊いてみましょう。入手しやすい材料だけで、ゆるくて簡単だけど「ほんとビリヤニ」の良さを感じられる、「割り切った超入門編」を目指しています。総作業時間は、ゼロからはじめて盛り付けまででちょうど1時間くらいです。コンロは二つ使います。

分量の目安も書いていますが、肉の量と塩の割合以外はあまり厳密じゃなくて大丈夫です。せっかく炊くので、ホールスパイスとしてクミンシード・ベイリーフは使うことにしました。比較的手に入りやすく、他の料理にも使いやすいものですので、お持ちでない方はなんとか調達していただけると嬉しいです。でも無かったら省きましょう。

また、カレー粉やガラムマサラはそういった名前が付いているものならなんでも大丈夫です。試作では、おそらくスーパーで一番見つけやすいSBの赤缶のカレー粉にGABANのガラムマサラを使いました。

バスマティ米は、問答無用で良いやつを使いましょう。どれにしたら良いかわからなかったらこの辺の米で良いでしょう。

0. 材料と道具 (2人前)

バスマティ米 200グラムぐらい
鳥もも肉 300グラムぐらい
玉ねぎ 100グラムぐらい
トマトジュース(なければ生でも缶詰でも) 100グラムぐらい
ヨーグルト 30グラムぐらい
ニンニク 2片ぐらい
ショウガ 親指大程度を1個半くらい(半個の方はトッピング)
レタス 4枚くらい
レモン 1/4個くらい
サラダ油 大さじ4/60ccくらい(大さじ3をソースに、大さじ1を米茹でのお湯に)
海塩 20グラム(小さじ1/5グラムを肉の下味用に、大さじ1/15グラムをコメ茹でのお湯に)
カレー粉 小さじ2くらい(ソース)
ガラムマサラ 小さじ1くらい(肉の下味)
黒胡椒 小さじ1くらい (コメ茹で用)
ベイリーフ 6枚くらい(ソース、コメ茹で半々)
クミンシード 小さじ2くらい(ソース、コメ茹で半々)
水 米の浸水用+1050cc(ソースに50cc、コメ茹でに1000cc)

フライパン 1つ(2リットル以上、米茹で用)
ザルかアク取り網 1つ(茹でた米を鍋に移動させるのに使います)
鍋 1つ(1.2リットル以上のもので、フライパンに乗せられるサイズのもの)
木ベラかシリコンベラ 1つ(鍋をかき混ぜたり、鍋肌をこそげたりします)
ボウル 3つ(米の浸水用、鶏肉のマリネ用、炊けた白いお米の一時退避用)
小皿 4つ(生姜・にんにくのすりおろしをいれておくもの、玉ねぎのすりおろしをいれておくもの、生姜の千切りとレモンをおいておくもの、トッピング用玉ねぎとちぎったレタスをおいておくもの)
ビリヤニを盛るおおぶりな器 1〜2つ
他、包丁・まな板・計量カップ・キッチンスケール・軽量さじなど

1. 漬け込み(作業目安5分程度、漬け込み完了目安30分程度)

1.1 まずボウルにあけたバスマティ米を、研がずに水でさっと洗い流して一度水を切り、十分かぶる水量で浸水を開始します。
1.2 鳥もも肉300グラムを3〜4センチ角、カレーのスプーンに乗るくらいのサイズにカットして、ガラムマサラ小さじ1・海塩小さじ1・ヨーグルト30グラムとよく混ぜて室温に置いておきます。

2. 下ごしらえ(作業目安10分程度)

2.1 生姜親指大1個分をすりおろし、残り半個をトッピング用の細い千切りにします。
2.2 にんにく2個をすりおろし、2.1のすりおろし生姜と合わせておきます。
2.3 玉ねぎは繊維を断つように3〜4ミリ幅で2枚ほど薄切りにし、トッピング用に取り分けておきます。残りはすりおろします。
2.4 レタスは手でちぎって一口大にしておきます。
2.5 レモンはトッピング用に1/8サイズ以下に切っておきます。

3. グレービー作り(作業目安15分程度)

3.1 鍋に中火でサラダ油大さじ3を温め、クミンシード小さじ1・ベイリーフ3枚を入れて油に浸します。
3.2 クミンから泡が出てきたら、すりおろした生姜とにんにくを鍋に入れ油の中で加熱します。こびりつきやすい鍋の場合は、にんにくと生姜のこびりつきが茶色になる(黒くはしない)程度まで。こびりつかない鍋の場合は全体が飴色っぽくなるまで炒めます。
3.3 すりおろし玉ねぎを鍋に入れ、玉ねぎの水分で鍋のこびりつきを一度こそげ落とします(木ベラやシリコンベラを使うと便利です)。玉ねぎが飴色っぽくなるか、もしくは再度こびりつきが始まる程度までこまめにかき混ぜながら加熱します。
3.4 カレー粉小さじ2を鍋に加え、中の油にしっかり馴染ませます。加熱しながら油とともに多少練りこむようにしますが、3.3で玉ねぎのこびりつきが始まっている場合は黒く焦げる前に次の手順に進みます。
3.5 トマトジュースを鍋に入れ、トマトの水分で鍋のこびりつきをこそげ落とします。その後全体を煮詰めながら、ケチャップ程度の硬さを目指します。煮詰まりすぎたり、こびりつきが落としきれない場合は分量外の水50ccを加えてこそげましょう。
3.6 1.2で漬け込んだ鶏肉を漬け込みのヨーグルトごと鍋に入れ、グレービーに絡めながら、鍋肌をこそげながら、鶏肉の表面に少し火を入れます。
3.7 水50ccを加え、改めて鍋肌をこそげてこびりつきを落とし、沸騰状態になるまで待ちます(沸騰を待たずに4.1の作業に入りましょう)。その後そのまま煮込みながら、火力は沸騰をキープできる程度にします。水分が減りすぎて焦げ付きそうな時は、分量外の水50ccを足してこそげましょう。

4. 炊き込み(作業時間25分程度)

4.1 フライパンに水1リットル・海塩大さじ1/15グラム・黒胡椒小さじ1・クミンシード小さじ1・ローレル3枚・サラダ油大さじ1を入れて強火で沸騰させます。
4.2 浸水した1.1のバスマティ米をフライパンの湯に入れます。軽く混ぜて米を湯に馴染ませて、再度素早く沸騰させます。
4.3 フライパンのバスマティ米の入った湯が再沸騰した後、沸騰状態を3分継続をさせたらバスマティ米をスパイスごとザルなどの網ですくい、全量を沸騰している鍋のグレービーの上に乗せ、平らにならします。
4.4 グレービーの鍋の上にキッチンペーパーを挟み、鍋に蓋をします。米を茹でていたフライパンにそのまま鍋を乗せ、鍋ごとフライパンで湯煎加熱すると底が焦げつきにくくなります。その際、鍋の蓋の隙間から蒸気が出る程度の火力を必ず維持し、15分間加熱します。

5. 盛り付け(作業時間5分程度)

5.1 鍋の蓋をあけ、上の方にある白い部分の米をそっと別の器に取り分けておきます。
5.2 下の方の白くない米の部分を取り出し、空気を含ませて水分を飛ばすようにしながら器に盛ります。その上に、トッピング用のレタスと玉ねぎをバラっと半量乗せ、そっと混ぜます。
5.3 その上に、取り分けて置いた白い部分の米をふりかけます。上の方の米は水分量が少なめなので、下の方の米の水分過多を中和してくれます。また、少し時間がたつと水分は落ち着きます。
5.4 最後にその他のトッピング(残りのレタス・玉ねぎ・生姜・レモン)を飾りつけます。


この稿の写真は、実際に試作してみた時に撮影したものになります。普通のビリヤニとは見栄えもレシピも少々違ったものになっていますが、食べてみるとビリヤニです。鍋や火加減で水分量はばらつきが出ますが、美味しいと思います。

また今回レシピ外でしたが、食べる際はぜひヨーグルトも使って(ビリヤニと一緒に食べて)みてください。そのままかけても良いですが、少しレモンを絞ってキュウリのみじん切りを和えればライタになります。

次稿基礎編の最終回では、これまで触れたポイントや前回の構成要素になぞらえながら、今回のレシピを考察していきます。

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