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散歩中の犬に急接近しようとする人たち

朝晩の散歩が日課として定着してきた今日この頃。
犬を飼わなければ経験しなかったであろうことのひとつとして、今まで関わり合いのなかった近隣の人々との交流が挙げられる。

子犬を連れて歩いていると、色々な人に話しかけられる。
犬を連れている人はもちろん、ウォーキング中の年配の人、仕事帰りの同世代の人、学校帰りの高校生など、性別年代問わず、犬好きと思われる人たちに話しかけられる機会が多い。

中でも、かつて犬を飼っていたという年配の人から声を掛けられる機会が多く感じる(町内が高齢化してきているということもあるが)。
そして、どの犬も総じて長生きだったと、当時の思い出話を聞かせてもらったりする。
こちらが連れている子犬の名前や月齢を尋ねられ、子犬の顔を触ってしばらく可愛がるという一連の流れのあと、その場を後にする。

今まではお互い顔くらいは知っていたけれど、犬を飼わなければ立ち話をするような間柄には発展しなかったであろう。
最初のうちはこのような機会が珍しかったので、こちらとしても最大級の愛想を振りまき対応していたのだけど、時々ちょっと困ったなと感じるようなことも増えてきた。

それは、子犬が嫌がっているのに、それを無視して強引に触ろうとしてくる人に対しての対応だ。

先日、犬を飼っている人同士(+飼ってはいないけど犬好きな人)が複数名集まって井戸端会議をしている場面に遭遇した。

以前ならそのまま素通りをしていたけど、子犬の散歩中に顔見知りになった人だちばかりだったため挨拶がてら、一緒に散歩していた妻とともにその会話に加わってみることにした。

総勢8名+3頭の会合になったのだけど、紀州犬の血を引くという体格の良い元保護犬(体重27㎏とのこと)に我が家の子犬は恐れをなしている様子。

元保護犬が子犬へ近づいてきたので互いに匂いを嗅ぎ合うも、恐怖心から子犬は唸ってしまい、それに対して吠え返されると子犬は完全に意気消沈した様子で、垂れた尻尾を股間に挟むようにし、身体全体を小さくすくめてその場から全く動けなくなってしまった。

そんな様子を見た元保護犬の飼い主夫妻の奥様は、安心させようと思ったのか子犬に近づき顔をワシャワシャした途端、子犬はいままでに見たことのない程の怒りの表情を見せ、その奥様に対して激しく吠えたてた。
その瞬間、元保護犬は子犬を激しく威嚇し、子犬はますます萎縮してまい、ちょっとしたパニック状態に陥ってしまった。

これはちょっと良くない雰囲気になったように感じたため、適当なところで話を切り上げてこの場を立ち去ろうとしていたのだけど、会合に参加していた犬好きの親子の父親(犬は飼っていないが、町内の犬事情について詳しい)が子犬の顔を撫でようとし、またしてもの凄い剣幕で激しく吠えたてた。
更に息子さんも子犬に触れようとするも、同じように唸って威嚇した。
これで終われば良かったのだけど、再びその父親は子犬に触れようとするもやはり唸るためやっと諦めたが、「この前は大丈夫だったのに」と言い、どこか不服そうに見えた。

元保護犬の飼い主夫妻のお宅では、いままで保護犬を三代続けて飼っているとのことで「小さいうちにこういう場面にも慣らしておいた良い」と、ご主人からアドバイスを受け、奥様には「私は今までに沢山咬まれて何針も縫った」という手の傷跡を見せてもらったりした。

このご夫婦も犬好き親子にしても、犬慣れしているからこその行動なんだろうけど、初対面の怖がっている子犬を無理やり接近するという行為に、ちょっと配慮が足りないのでは?という疑問を抱きつつも、唸って吠えたことに対するお詫びとお礼を伝え、妻とともにその場を後にした。

後から考えると、もう少し早い段階でこの場を立ち去るべきだったと反省もしたが、このときの出来事を境に、他所の犬への接し方について、自分なりに改めて考えてみることにした。

散歩中の犬に触ってくる人に対して、世間一般の人々はどのような感情を抱いているのだろうか?

この疑問について、ネット上の記事を色々と読み漁ってみると、「正直やめて欲しい」という意見の割合が過半数を占めており、散歩中の犬に対して飼い主の許可なく触るという行為は、マナー違反であるという記事が目立った。これは自分の肌感覚と一致した。

こちらの同意も得ずに不用意に触れられて、万が一相手に怪我でもさせてしまったらこちら側も責任を問われるし、今後の関係性にも響くだろう。それに犬自身にとっても不必要なトラウマを植え付けることになるかもしれない。

私自身は犬が苦手であり、そもそも他所の犬と関わりたいと思っていないため、今までに散歩中の他所の犬を触ったことはないし、今後も触るようなことはしないだろう。
かつてはそんな社交的でない自分に対して劣等感を抱いたりもしていたけれど、結果として上記のマナーは守れていることになる。意図したことではないけれど(笑)

これから先、急接近してこようとする相手への対処として、子犬との距離感をコントロールすることや、角が立たないようにその場をやり過ごすことは必須だと思うのだけど、そもそもそのようなシチュエーションにならないように事前に察知し、速やかに避けるというのが一番良いのかもしれないと思った。


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