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SNS柴犬アカウントの功罪

世の中には犬アカウントというものがあると、ここ最近知った。

柴の子犬を迎える際、どちらかと言えば消極的だった自分のモチベーションを少しでも上げるため、Xやインスタグラムの柴犬のおもしろ&可愛く切り取られた映像を見たり、柴犬との素敵な暮らしを綴っているブログ記事などを読んでみたりした。

SNS上には無数の犬アカウントが存在しており、中でも柴犬アカウントは国内外問わず非常に多い。
単に自分が関心がなかっただけで、世間一般ではごく当たり前に認知されていたのだろうけど、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。
有名犬もとい、犬にもいわゆるインフルエンサーなるものが存在するというのもこの時に知る。

SNSのタイムラインで流れてくる柴犬の映像を見ていると、どの犬も表情が豊かで、生活の中に面白おかしく溶け込む姿を見ていると、犬を飼う事に対してのハードルが下がるような錯覚に陥ってくる。

それに関連して、かつて知人が飼っていた柴犬の事を思い出した。
その犬はとても穏やかな性格をしていて、初対面の人がどれだけ触ろうが全く吠えたり噛んだりしなかった。
その犬の思い出と、SNSで見るような愛らしい柴犬の印象と相まって、比較的飼いやすそうな犬種なのだろうと思い込もうとするようになった(希望的観測)。

ところが、である。

いざ現実を目の当たりにし、そんな希望的観測は単なる幻想であったということを、実際に子犬を迎えたあとに痛いほど思い知ることになった。

子犬との生活で、「困ったな」と思う行動が発動するたびに情報を集めると、決まって問題行動を起こす代表格として柴犬が挙げられている。

子犬を迎える以前は、SNS上の幸せそうな柴犬との暮らしばかり追っていたが、迎えてから以降はそのような投稿を見にいく機会は激減した(むしろあまり見たくなくなっていった)。
逆に柴犬の問題行動に悩む飼い主の悲痛な記録や、それをプロの指導で解決するような、言ってみればネガティブなコンテンツばかりを追い求めるようになっていった。

これらのようなネガティブな情報は、実際に犬を飼うようなことがなければ、自分から取りに行くような機会はまずなかったことだろう。

もし、犬を迎える前にこのようなネガティブなコンテンツとの接点があったとしたら、当初の飼う飼わないの家族会議の結果も、また違う結末を迎えたのかもしれない。
否、きっと私は大反対して、飼うべきではないという主張を押し通したことだろう。(それでも飼うと押し通されたかもしれないが)

世の中に流通している柴犬に対してのポジティブなイメージと同じくらい、ネガティブな現実についての情報も流通してほしいと切に思う。
(実際にはたくさん流通してはいるけれど、犬を飼っていない人とネガティブ系情報との接点は意外と少ないのでは?という私の勝手な推測から)

迎え入れた柴犬がインフルエンサー犬のように穏やかで攻撃性のない個体に当たる確率なんて、当たれば儲け物といったくらいのスタンスで臨み、それでもどうしても柴犬を飼いたいという強い気持ちがあった上で、飼う飼わないを判断すべきだろう。

実態をしっかりと把握したうえでの決断であれば、少々のトラブルに直面しても、「こんなはずじゃなかった」という後悔は回避できるはずだ。

理想と現実とのギャップに打ちのめされ、メンタルと体調を崩してしまった飼い主のSNSアカウントをいくつか見かけた。

そのようなアカウントの方々は、例外なく勉強熱心で、日々甲斐甲斐しく労力と愛情を注ぎ、同じ柴飼いとして非常に頭が下がる思いだ。
しかし、常に全力投球で飼い犬に向き合っていらっしゃるのに、そのような努力に反し、月日を重ねるごとに攻撃的になっていく柴犬。

そして、そんな攻撃的な噛み犬にさせてしまったのは今までの自分の接し方が悪かったのだと自身を責め、「覚悟が足りませんでした」という飼い主の方の悲痛な言葉を見ていると、本当に胸が痛む。
過去ログを遡り、当時はまさかそのような経過を辿るとは想像していなかったであろう、充実した日々の投稿が余計に悲しく感じる。

もし、犬の迎える前の私のように、「自分自身は犬が苦手で飼いたくはないけれど、家族が飼いたいとしつこく言うから折れそうになっている。まあ、飼ってしまばなんとかなるでしょ…。」という、非常にフワッとした考えの人がいるとしたら、参考材料の一つにでもなればという想いで、このnote記事を書き綴っている。

ちなみに、もうすぐ生後5か月になる我が家の子犬は、ここ数日間ペットシーツの上に排泄した糞と、床に粗相した尿を守り、学校から帰宅した娘たちを威嚇し、処理しようとすると嚙みついてくるような状態で困っている(妻や私が帰宅したときにはもう守っておらず、私が始末したぶんには無反応だった)。
これも柴犬あるあるなのだろうか?謎…。

これについてはまた別の記事に書いてみようと思う。


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