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こまち通信 6月号
今年の田植えは天候に恵まれ、順調に進みましたが、田植え途中で田植え機の故障があり、故障の原因は金属疲労とのことで、壊れるはずのない部品が壊れたので驚いております。
毎年、田圃で、何回か田植え機が埋まり、大変な思いをしましたが、今年は田植え機が埋まることはなかったので、ホッとしております。
また昨年から、GPS装置(自動運転システム)が装着された田植え機を使っているため、濁り水に浸かっていてもまっすぐに植えることができるので、植付け後の稲が、とてもきれいになっております。
GPS装置が装着されていない時は、広い田圃を真っ直ぐ植付けできず、他の方がきれいに植えた田んぼと比較され、とても恥ずかしい思いをしました。
GPS装置でまっすぐに植えることはできますが、自動で苗を足したり、自動で方向を変えて戻ってくることができないため、まだ人間の運転が必要です。
農業者の離農により耕作面積が増えてくると、全面積の苗を育てることができなくなるので、今後は直播が増えることになるのではないでしょうか。
秋田県山間部の農業地帯では、農業後継者がおらず、現状のままでは地域農業が維持できなくなるため、基盤整備が進んでおりますが、その地域で農業をする人がいないため、他の地域や農業外から人を探さなければならず、地域農業を維持することは、極めて難しい環境になっております。
また、やっと探し当てた農業者も、作物の栽培技術がないと農業経営をすることができません。
雨、風等の影響を受けない工場生産は、製造マニュアルを守れば計画した通りの生産ができますが、自然相手の農業は、計画した通りの生産ができません。
そこで、初めて農業に取り組む方でも、安心して農業技術を学ぶことができる環境が必要になります。
「基盤整備をすること、面積を拡大すること、法人化すること、6次産業化に取り組むこと」は、一定の条件が整えば、誰でもできますが、最先端の農業技術を学ぶことは、誰でもができることではありません。
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そのため、国の研究機関である農研機構が有している最先端の農業技術を、NTT東日本グループが有している最先端の通信技術で全国の農業現場に配信し、初めての方でも、安心して農業に取り組める環境整備が必要になります。
自然環境に対応できる農業技術がないと、基盤整備をしても、面積を拡大しても、法人化しても、再生産できる農業経営ができません。
農業経営の安定のためには、日本最先端の農業技術を、いつでも、どこでも、誰でもが学べる環境を整備することが必要であり、日本農業の発展のために必要不可欠なことと考えております。
秋田さきがけ新聞の「時代を語る」で、45回に亘って私の取り組みが連載され、多くの方から励ましの言葉を頂いております。
53年前の入植と同時に始まった減反政策を巡って、私は「ヤミ米農家、行政に従わない農家」等、様々な非難を受けてきましたが、今では私の取り組みは、国も農業の6次産業化として推奨しております。
しかしながら、農業者の減少速度が速く、このままでは日本農業の維持ができなくなろうとしております。
今こそ、新たな取り組みが必要になりますが、農業者の多くは自分の経営を維持することに全力で取り組んでおり、余裕がありません。
74歳の今だからこそ、できることがあるのではと真剣に考え、もう一度、50年前に戻った気構えで、日本農業は如何にあるべきかについて、新たな取り組みに挑戦しており、7月の通信でご紹介できればと考えております。
6月は梅雨等で天候不順な日があるかと思いますので、皆様にはお身体に気を付けて頂きたく存じます。
令和5年6月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹