全国制覇まであと3県の私が語る、行ってよかった地域〈瀬戸内編〉
自己紹介は、何歳になってもする機会は巡ってくる。
小中高のクラス替え、大学のサークルや課外活動、就職活動、合コン、婚活パーテイーでもする機会はあるだろう。
自己紹介をする時、私は必ず「趣味は旅行です」という。というのも、旅行が嫌いという人はほとんど聞いたことがないし、修学旅行に行ったことがある人なら誰しもが、「旅行」として他の地域を訪れた経験があるはずだ。
この自己紹介をすると、決まって聞かれる質問もある。「今まで行ってよかった地域はありますか?」という質問だ。鉄板の質問なのに、いつも即答できず迷ってしまう。
質問される「よい」という言葉は、定義が広すぎてしまうからだ。
その地域の景色がよかったのか、体験がよかったのか、一緒に行った人がよかったのか。「よかった」というのは上記全てを総合しての「よい」になるため、必ずしも相手にオススメをしたところで質問をした相手が同じ「よい旅」をできるか…。そんなことを考えてしまうため、いつも迷ってしまうのだ。
今回は、私の中で「よい旅」だったと心を込めて言える地域について紹介をしていきたいと思う。まず第一弾は、瀬戸内エリア。
親戚がこのエリアに住んでいるわけでもなければ、高校生の時の修学旅行で広島に行ったくらいでほぼ無縁の地域だった。
だが、大学生になってから、本格的に旅行をするようになってからは、人のあたたかみ、文化、食など行けば行くほど魅了されてしまい、1年に一回はこの瀬戸内エリアのどこかを訪れている。行くたびに違う魅力に気づくことのできる〈瀬戸内〉の魅力を私の経験から3つに絞り紹介をしていきたい。
瀬戸内エリアとは
日本で一番大きな内海であり、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県の7県のことを指している。(私は全て制覇しています)
詳しい観光情報は、瀬戸内DMOが運営をする瀬戸内finderを見れば瀬戸内がどんな場所であるか一瞬でわかるだろう。
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1:広島県(尾道市)**
まずは、瀬戸内エリアの大黒柱である広島県から紹介をしたい。
広島県といえば、まず始めに思いつくのは宮島(厳島神社)や広島風お好み焼きだろう。海にせり出した厳島神社は荘厳な雰囲気があるし、広島風お好み焼きを一口たべれば、大阪風お好み焼きとは少し違う優しい味わいから広島を感じることができる。
だが、私が広島の中で一番おすすめしたい場所は広島県尾道市である。
猫好き、文豪好き、アニメ好き…などなど、様々なファンが集まる尾道は、ここ最近では観光プロモーションに力を入れている。特に、サイクルツーリズムは全国でトップクラスに力を入れており、しまなみ海道は日本人だけでなくサイクリング好きな外国人も多く訪れる場所へとここ数年は変化を遂げている。
そんなしまなみ海道の一番の魅力は、海の上を自転車で走ることができること。
広島県尾道市と愛媛県今治市を起終点とし、6つの島を縦断することができるのだ。初心者から上級者まで様々なコースがあり、誰でも楽しめることが特徴。
私は、生粋の文化系部活に所属をしていたため運動は大の苦手。そんな私でも海を見ながら楽しくサイクリングができた。運動を普段していない自転車素人にとって、もっともきついこととは、坂道のアップダウンであると思う。しまなみ海道は自転車用に道が全て整備されており、走りやすくなっているし、自転車をレンタルしても乗り捨てがどこでも可能となっているのだ。
私は、大学卒業旅行の2月と、社会人になってからの5月の2回、尾道に来ているが冬場でもそこまで冷えることなく走ることができたし、5月はとても走りやすい季節であったためどちらの時期も心から楽しむことができた。
そして、尾道に宿泊をするなら必ず泊まって欲しい宿泊場所がこちら。
<img src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27076437/picture_pc_c5047823c1bf72c63d277a80a114fb29.jpg" alt="画像1">
〈あなごのねどこ〉というゲストハウスである。
このゲストハウスは、空き家を再生したゲストハウスで、シャッター商店になりつつあった商店街を活性化させるために2012年にオープンをしたそうだ。「よそもの」と「若者」にきてもらうためにオープンをしたこのゲストハウスは今では国内外から多くの人が訪れている場所へと変化を遂げている。また、入り口からユーモアで可愛らしい内装をしており、併設されているカフェも可愛らしく、インスタ映えしてしまうレトロな雰囲気には誰もがカメラを向けてしまうだろう。
何より、一番の魅力はそこにいる人たちである。ゲストハウスのホストさんもとても気さくで優しく、誰でも受け入れてくれる優しさに溢れていた。泊まりに来ている人もとても面白かった。私が友人と泊まりにきたときには、長期滞在している外国人や、日本全国を周遊している「元」消防士の方など様々な人がおり、共有スペースで全く違う環境で生活をしている人たちと雑談をするのは、本当に面白く、旅の面白さを加速させてくれる。
このゲストハウスは一度は訪れて欲しい、旅の暖かみを感じることができる場所である。
2:香川県(直島)
次に紹介したい場所は香川県直島。「アートの島」として有名な直島は日本の離島で一番現代アートの多い島とされている。さらに、島の至るところに現代アート作品がオブジェとして置かれており、自由に写真を撮ったり作品の中に入ることができるため、アートとカメラが好きな私にとっては至福の場所であった。
直島に行ったのはゴールデンウィークのタイミングであったため多くの人がいたため、順番待ちをして撮らなければいけないが、平日に行くことができればこの絶景を独り占めすることができるだろう。
草間彌生の「赤かぼちゃ」は直島に来たことがない人でも知っている人が多いのではないだろうか。
直島には1泊2日で滞在し、その間は一緒に行った親友をカメラに納めながら美術館を巡り、その後はアートを全身で感じることのできるアーティスト・大竹伸朗が手がけた「I♥湯」でお風呂に浸かり、その後は瀬戸内の海鮮を美味しくいただき、民宿で22時過ぎには寝るというとても心身ともに健康な2日間を過ごした。
特に、瀬戸内の海鮮も美味しかったが、「醤油」が異常に美味しかったのが印象に残っている。
http://benesse-artsite.jp/art/naoshimasento.html
特に一番感動したのは、地中美術館である。
「自然と人間を考える場所」として、2004年に設立された地中美術館には、
「睡蓮」でお馴染みのクロードモネ、日本では金沢21世紀美術館や、大地の芸術祭が開催される新潟県十日市にも展示されているジェームズ・タレル、ランドアートのパイオニアともされるウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄の建物に恒久的に展示されている。
〈写真はホームページより拝借〉
特にモネの睡蓮は今でも目に焼き付いている。地中美術館で、初めてモネの作品を間近に見ることができ、そこからことあるごとにモネの睡蓮を見に行くようになった。この旅行の後、フランスのオランジュリー美術館や、上野西洋美術館で開催されていた『松方コレクション展』でもモネの作品を見たが、地中美術館に展示されている空間、そして作品にはパワーがあったように感じる。
直島という名前を知った時は、モダンアートだけの島というイメージであったが、
そのイメージは良い意味で覆されたとおもう。今度は瀬戸内国際芸術祭が開催されるタイミングで足を運んでみたい。
3:徳島県(三好市)
最後に紹介するのは、徳島県三好市。上の2つに比べると認知度は少し下がるかもしれないが、日本三大秘境とも言われている場所である。
私がこの地に行ったのは今から6年前の2014年。徳島三好市を訪れた理由は親友と高知県内をゆっくり巡る旅ということで、高知市と四万十川を巡る予定だった。その時、四国の中で徳島県に行ったことがなかった私はどうしても徳島の地に降り立ちたくお願いをして徳島を、そして一番近い観光地である祖谷を旅行コースに入れてもらったのだ。しかも、当時は女子2人旅。挙句、車の免許は持っているものの二人ともペーパードライバーということもあり、車がないと厳しいと言われている四国を電車で乗り継ぎ制覇したのだ。祖谷から高知県四万十までは電車で4時間半ほど。今では考えられない移動距離であるが、この時の旅行は今でも親友と話題になるほど濃く、面白い体験となった旅行だった。
車では2時間半だけども電車だと4時間半かかる大移動。
特に、一番思い出深いのは祖谷(いや)のかずら橋。全長45m、幅2m、祖谷川の水面から14mの高さに架かる橋で、国の重要有形民俗文化財に指定されている。
〈写真はホームページより拝借〉かずら橋
植物で作られた橋で、日本三奇橋のひとつとして知られており、重さ約5トンにもなるシラクチカズラで作られている。一歩歩くだけでゆらゆらと揺れ、高所恐怖症の私には人生最初で最後の試練だったかもしれないと思ってしまうほど、足元がすくむのである。
この橋を渡った時小学三年生の時の国語の教科書で「つり橋わたれ」という本を読んだことを思い出した。この物語を読んだことある人は、ピンとくるかもしれないがこの物語の題材になった吊り橋がこのかずら橋だそうだ。<img alt="画像17" src="https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27716208/picture_pc_1bdeda1dcd1e11526682dacb53db3732.png" width="1" height="1">
また、祖谷は温泉が有名であるがそれ以外にも珍スポットとして有名な場所も。
なんと、高低差約200メートルの断崖絶壁に小便小僧が鎮座しているのである。
この小便小僧をバスに揺られかなりの時間をかけて見に行ったのであるが、これを見に行く過程でも地元の人との交流や、無料でタクシーに乗せてくれたりと地元の人の優しさに触れることができた旅だった。
最後に:よかった地域の基準は十人十色**
いかがだっただろうか。冒頭にも記載した通り人によって「よい」の基準は全く異なるため一概に「一番良かった地域」を決めることができない。
これからも、「今まで行ってよかった地域はありますか?」と聞かれ、迷ってしまうことはこの先の人生、後100回以上はあると思う。どの地域にも「よい」魅力はあるため甲乙つけがたいが、よい旅行というのは、地域資源や出会った人、一緒に行った人、その日の天気、自分のコンディション含め複合的に良かった時が「よい旅行」なのだと思う。
これからも、「よい旅行」をし続けていきたい。