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読書note No.5「『教養』を本当に学びたいですか?~『ファスト教養』を読んで考えた」

『教養としての○○』といった類の本が、書店のビジネスコーナーに、毎日のように置かれている。このような光景を見ると、こんな疑問が浮かぶ。

『教養』を本当に心の底から学びたいのか

「ビジネスに役立つための教養」、「激動時代を生き抜くための教養」。そう、『教養』があらゆる場所で、氾濫している。

わたしたちは、『教養』に駆り立てられすぎている。『教養』の定義を確認しよう。

人間の精神を豊かにし、高等円満な人格を養い育てていく努力、およびその成果を指す。

日本大百科全書(ニッポニカ)

私は今、特撮に夢中だ。そんな中でも、昭和の仮面ライダーが大好きだ。

勧善懲悪のストーリー、人間味ある悪の大幹部、今では考えられないスタンドアクション、俳優の男前さ‥‥‥‥見所については、語り尽くせないほどある。

それが、『教養としての昭和ライダー~昭和ライダーからビジネスの極意を学ぶ』って本が出たとする。まさか出てないと思うが‥‥‥‥。

ビジネスに利用するなよ!

これが、素直な感想だ。特撮でもなくていい。自分が、心の底から好きなものが、『教養としての○○」に利用されていたらどうだろうか。

勿論、こういった本が、興味をもつきっかけになればいい。

ただ、この本にも書かれているように、『教養』が「とりあえずおさえておきたい知識」の一つとして、取り上げられてしまっているのが、現状だ。

そこに、「心の底から学びたい!」はない。

私が考えている『教養』は、「すぐには役立たず、それさえあれば心がワクワクするもの」だ。

先ほど挙げた昭和ライダーだけではない。
哲学も好きなので(詳しくないけど)、哲学も、私にとっては『教養』だ。

少なくとも、「ビジネスやお金儲けに繋がるか」といった視点は入ってこない。むしろ、入るべきではない。

しかし、この※『ファスト教養』は、働くわたしたちのニーズに的確に応えた「使える」道具であることは、間違いない。そのため、これを利用しない手はない。

実際私も、歴史.宗教のジャンルについては知識が不十分なので、参考にする程度だが利用している。

※『ファスト教養』‥‥‥‥ファストフードのように簡単に摂取でき、「ビジネスの役に立つことこそ大事」という画一的な判断に支えられた情報を指す。(本作品10頁の記述を引用)

したがって、必要に応じて、この『ファスト教養』も利用し、自分が大切にしたい(ビジネス目線とは距離を置いた)『教養』を持てば、人生は豊かになるはずだ。

『教養』は、人生を豊かにさせる「手段」の一つであって、駆り立てられるものではない。

それを忘れてはいけない。


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noteの更新は、これから月曜日、水曜日、金曜日に変更します。





















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