私を本当の名前で呼んでください。
タイトルは師匠 ティク・ナット・ハン氏の、
Please Call Me By True Names という詩から取りました。
今日は、あなたの本当の名前、そして意識と宇宙の関係のお話です。
【美しさを認識する】
花の美しさについて書かれた小林秀雄の文章じゃないけれど、美しさを認識できるのは、それは自分の中に美しさがあるから。
「わたしはあなた、あなたはわたし。」
スピリチュアルの世界ではそんな風に言われる事もあります。
例えば。
「あなたの優しさを見つけて、それは私自身の優しさの現れだったのだと気づく。」
こんな風に、すべてを自分自身に還して事象をみつめて行く練習があります。
これはすべては繋がっている。という意識を育むのにとても良いんです。
【苺と宇宙】
今日はイチゴを食べる時に
へたの葉の形がとても美しいな、と気づきました。
なんでこんな造形美を作り出せるのだろう?
すこし感じるだけでも、
大地と太陽、水、空気,時間と空間、星々の流れ、苺を育てて下さった農家の方、その農家の方々が日々食べている食事、初めて苺を食べられると発見した人、スーパーまで苺を輸送し、そして陳列してくた人達、苺を食べるすべて人達…
いくらでも挙げられますが、宇宙すべての作用によって、苺とその美しさが形成された様です。その要素の中には、実は私達の存在も含まれています。
苺が苺として存在できるのは、
いちご以外のすべての要素があるから。
これが般若心経で言われている、空(くう)の意味です。
すべての事象は、ただそれだけで独立して存在できない。
つまり、すべては私たちが日常的に考えるような形ではなく、とても深く繋がっているとも言えます。
【根っこを掘り起こすと…】
ある禅僧がこんなお話を書いていました。
(内容はすこし変えてあります)
ある日、畑のカボチャ達がお話できる様になりました。
彼らは話し始めます。
「やい、お前の形はなんて醜いんだ。俺の体を見ろ、とても逞しいだろ?」別のかぼちゃが「ちょっと静かにして下さいます? それからあんまり近づき過ぎないで下さい。距離を取ってください。」
喧嘩したり、そっぽを向いて、距離を置いたり…
その時、お坊さんがよっこらしょと、つるに手を掛けました。ほい!のひと言で、カボチャ達はみんな引き抜かれました。
引き抜いたカボチャを土の上に置いて、
お坊さんが「お前達、下をみてご覧なさい。」と言ってスタスタと帰って行きました。
カボチャ達は、言われた通りに自分の足元をよく見つめると、あらら不思議。
みんな繋がっている事を知りました。
その途端、喧嘩していた子も、孤立していた子も、みんな笑顔になって
「なぁーんだ!」と声をあげて笑いました。
【あなたは誰ですか?】
カボチャのお話、いかがでしたでしょうか?
私たちは、個の意識を持ちつつ存在している様に見えますが、本当にひとつの有機体として生きているのかもしれません。
それを思想的にだけでなく、全力で体現しようと実践して来たのが、ブッダやキリストと呼ばれるマスター達だったのかもしれません。
瞑想の実践としては、
悟りの意識につながる質問として、
「 Who am I ? (私は誰?) 」
と、ひたすら心に聴いて行く実践があります。
この実践もまた、
苺と宇宙のつながりや、カボチャ達がそれぞれ独立した存在ではなかったのと同じように、あなたの本当の姿を導いてくれる質問になり得ます。
良かったら、試してみて下さい。
【こきゅうの時間】
ここでゆっくりと呼吸を3回ほどしてみて下さい。
次の言葉を使って、目が健康である事を噛み締めて、
そして目に感謝のエネルギーを送るのも良いでしょう。
「息をすって、両目を感じる。」
「息を吐いて、両目に微笑みかける。」
今回は、意識と宇宙(せかい)の関係、みなさんの「本当の名前」に関する話題でした。それでは、また。
【お詫び】
簡単な呼吸法の紹介は、次回に書きます。
ごめんなさい。