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パン屋がナースやってます

私は平日、訪問看護の仕事をしている。
そして、週末や休みの日にパン屋を
している。
パン屋は、配達、出店、通販というスタイルで
工房は持つが店舗は持たない。
楽健寺酵母というりんご、人参、長芋、ごはん
で作った自家製酵母を使ってパンを
焼いている。
酵母を作るのに、8時間以上、
パンを焼くのに6時間以上かかる。
工房も家庭用台所に毛が生えたような
大きさなもので、
大量に焼くことができない。

それを訪問看護の仕事の合間に
やってるものだから、
睡眠時間や自分の時間はなくなる
4月から息子の各種送迎に時間をとられ
目が回る状態だ。

パン屋一本にしないの?
とよく聞かれる。
この質問はパン屋がやりたいことで
訪看が仕事と思ってやっているように
見えるからなのか
質問の意図はわからないが。

何で訪看の仕事をやるのか、
やり続けているのかというと
好きだから、というのと
ターミナル(終末期医療)の方の
看護をしたいからに他ならない
病院でもターミナルケアはできるが
在宅でターミナルケアをしたいのだ

大学病院のあと、総合病院、療養型
各施設など色々経験したが
訪問看護の仕事が自分に1番しっくりくるし
面白いのだ

病院では、患者さんをこちら側の環境下で
こちらの管理下に置いてしまう
ところがある
真の患者さんの姿はみえない

実際、退院時カンファレンス
(退院に向けて、在宅生活で関わる関係者、
ケアマネージャー、施設、ヘルパー、福祉用具、往診医、訪看などが集まり、今後の
在宅生活を話し合うもの)
では、めちゃくちゃ衰弱した病人
そのものなのに、
退院して自宅に戻った途端に 
生き生きして、食べるようになったり
するのだ
見た目も別人28号になってしまうから
不思議!

在宅での優先順位は治療ではなく、
本人がどうしたいかが重要で
治療的にはこうした方がいいけど
本人はもう必要ない、何もせず
自分らしくいたいと言えば
その意見が実現できるように寄り添うのだ
その中での最大限穏やかに過ごせる方法を
導き出し、サポートする

とりわけ、人が旅立つまでのアプローチは
崇高なのだ
本人と家族の思いを受け止めながら
大切な時間を穏やかに過ごせるよう  
主治医と薬の調整をはかっていく

旅立ちまでの今どの段階にいるかの
見極めが重要で
それに合わせて家族と
伴走していく感じだ

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