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仕事の流儀#01 グローバルステーショナリー事業 商品開発職【 清水 陽芳】

文具メーカー、空間設計の老舗企業として100年の歴史を持つコクヨは今、次の100年を目指して、大きな変革を起こそうとしています。

人々の創造性の解放へ挑戦を続けてきたコクヨがこれからの時代で目指すのは、「一人ひとりの価値観が尊重され、​社会や人とのつながりも​大切にされる自律協働社会​」を創ること。

本企画、「仕事の流儀」では、そんな自律協働社会を創るコクヨの様々な職種のメンバーにインタビューを行い、これまでの挑戦や経験の中から生まれた未来を創るための仕事の流儀を明らかにしていきます。

第1回ではグローバルステーショナリー事業から商品企画職の清水さんにご登場いただきお話をお伺いしました。

清水 陽芳(しみず きよし)/グローバルステーショナリー事業 商品企画職
2003年にコクヨへ入社し「まなびすと」、「ネオクリッツ」、「Wammy」など学童系、創育系商材の企画開発職、toC向け商品の販売企画職を経て、現在はカテゴリ横断商品「KOKUYOME」、「PERPANEP」などを扱かう
商品企画グループのリーダーとして活躍している。

身を持って経験した"マーケットイン"への転換期

ーーこれまで、企画開発や商品企画などものづくりに上流から関わられてきたキャリアの中でご自身のターニングポイントとなったプロジェクトはありますか?

清水さん:入社3-5年目に担当した学童文具「まなびすと」シリーズの企画は自分のターニングポイントになったと感じています。
このシリーズの商品までコクヨはBtoBのオフィス向け商品を中心に展開していたのですが、戦略的に若年層レイヤーからコクヨの文具に触れてもらうことで、ユーザーを育成しLTV(ライフ タイム バリュー/顧客生涯価値)を高めていかなければならないというタイミングでした。しかし、当時は学童文具カテゴリーはもちろん、toC商品の展開に対する知見も少ない中、ゼロから市場調査やコンセプト設計、具体商品の企画と一連の流れを体験できてたことは非常に大きな学びだったと感じます。

ーー今ではあたり前に言われている「マーケットイン」思考での商品開発というのは2007年ごろにはあまり浸透していなかったのでしょうか?

清水さん:当時はまだまだ「プロダクトアウト」思考で商品を企画・開発していくプロセスが世間的にもコクヨ的にも主流で、私が入社してから数年間で少しずつ、「マーケットイン」での商品企画・開発をしないといけないということが言われ始めたタイミングでした。そこで、toC向け商品を開発するということもあり、本格的にマーケティングという部分を意識しだしたという感じです。

ただ、初めて行う仕事の中で、ある種、誰も正解を持っていない世界で自由に熱量を持ってものづくりを進めていける喜びを味わえたこと、常に仕事のことを考えた生活をするような自分を追い込む経験を積めたことは私のキャリアにおいてとてもプラスになりましたね。

やりたいことが実現できる、積み上げてきた土壌

ーー多くのプロジェクトをご経験されてきた中で感じる商品企画職の仕事の面白みについて教えてください。

清水さん:まず、コクヨの商品企画の特徴として、総合文具メーカーとして業界No.1を維持し続けているだけの領域の広さやそれに伴う知見や技術力があり、やりたい!と思ったことは大体のことが実現できる環境があります。この環境の中で、「万人にとって使いやすいロングセラー」商品を企画することもできるし、 近年では、より個々のお客さまにフォーカスしたものづくりを意識して、「KOKUYOME」や「PERPANEP(ペルパネプ)」など、新しい商品が生み出されています。

その中でも、如何に目的達成のために思考をシャープにするか、既成概念に囚われないアクションを起こすかを考えるのが面白い部分です。

例えば、ロングセラー商品を作るには、あまり要素を詰め込み過ぎず、商品の強みを尖らせながらコンセプトを磨き上げることも必要ですし、紙に強みを持つコクヨが紙とペンの相性が生む「書き心地」までデザインすることで、「紙とペンの巧みな出会い」をコンセプトにしたノートとペンの新ブランド「PERPANEP(ペルパネプ)」を立ち上げようと考えるのであれば、ペン作りはその領域に強みを持つゼブラ株式会社、プラチナ万年筆株式会社と会社の壁を超えてコラボレーションするなどが例として挙げられます。

特にコクヨが次の100年を目指していくためには、コクヨという枠、文具のカテゴリーの枠に囚われず、変化の中にチャンスを見出していくことが必要だと思います。

世の中を構造的に捉え、解像度を高めていく

ーーこれまでのキャリアを振り返って、ご自身の中にある仕事の流儀やマイルールはどんなものがありますか?

清水さん:自分の中で常に大切にしていることは、「世の中を構造的に捉え、解像度を高める」ことですね。よく、「問いを持つことが大切」と言われますが、世の中には大量の情報があり、何となく世界を眺めていても問いは生まれないと思うんです。
日常で目にする様々な物や商品、流行などをただインプットするだけではなく、要素分解してみたり、歴史や因果を紐解いてみたり、逆説を構築してみたりといろいろな角度から切り刻み、構造的に捉えることをしてみて、初めて物事への解像度が高まり、問いが生まる、発想やひらめきに繋がるインプットに昇華されると考えています。

もう一つ、「直感を信じる」ことも私にとって大切なことです。
先程お話しした「世の中を構造的に捉え、解像度を高める」ということを日々積み上げていくと、商品を企画する際にしっかりとした与件(物事を考えるときに事前に整理すべき情報)の整理ができ、思考フレームが出来上がります。このフレームの中から、どうやって商品、ブランドを尖らせるために狙ってはみ出していくか?が商品企画の醍醐味でもありますが、この前段の思考のクオリティが高ければ高いほど、ひらめきも生まれやすい。だからこそ、「日々の自分の思考の積み上げを信じることと、そこから生まれるひらめき・直感を信じること」は繋がっていると思うんです。

特にこれからの時代は、より生活者の想像を超える商品を生み出していく必要があるとすると、コクヨの中にも絶対の正解は無いので、日々の思考の積み重ねと、そこから生まれるひらめき・直感を信じて、勇気を持った決断をしていくことがより重要になると思います。

大切なのは、熱意や挑戦への火種を消さないこと

ーー現在はリーダーとして部下を持つ立場ですが、マネジメントポジションとして大切にしている流儀やマイルールはありますか?

清水さん:大切にしたいのは、若いメンバーが持っている熱意や挑戦への火種を消さないようにすることですね。商品企画職の仕事は、インプットの量を増やさないといけないし、市場分析からコンセプト設計、社内で企画に共感してもらえるよう、分かりやすい言葉で伝える力や資料づくりの能力、ターゲットに刺さるデザインやキャッチコピーを創ることまで左脳・右脳をフルに活用していく仕事です。

この仕事をする時には、どこまでも考えを突き詰めたい瞬間やこだわり抜きたい瞬間がやってくるので、どれだけ効率よく働こうとしても仕事時間が増えてしまうことがあるなと思います。その時に、「時代だから」と言って、部下が頑張る時間を奪ってしまったり、逆に根を詰めすぎて疲弊し過ぎたりしないように一人ひとりが気持ちよく、熱意や熱量を仕事に注げるようにしていくことを意識しています。

ーー清水さん自身はマネジメントポジションに就いても、企画者としての熱意や挑戦の火種を持ち続けていますか?

清水さん:まだまだ、熱意に溢れています!国内でヒット商品を生む、という目標はある程度叶えてこられたという実感があるので、次は海外でヒットする商品を創りたいという野望を持っていますね。

企画者として、売れる商品を創るということに加えて、「なぜそれをやるのか?」、「世の中の何を変えていくのか?」というビジョンの部分でも社内のメンバーを巻き込みながら、数字的成果とビジョンの達成を両立するゲームを楽しめる年齢になってきたので、マネージャーとして後進にこれまでの経験を伝播しつつ、企画者としても生涯現役でヒット商品を出し続けていきたいです!




第1回「仕事の流儀」を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
商品企画職の仕事の面白みから、企画者個人として、そしてマネジメントポジションとしての仕事の流儀を語っていただいた今回のインタビューでは、日々のインプットから、良質な「問い」や「発想やひらめき」を産み出すために大切なことを、分かりやすく教えてくれました。

清水さん、ご協力ありがとうございました!

第1回からたくさんの金言が飛び出した「仕事の流儀」は、引き続きコクヨの様々な職種のメンバーへインタビューを行っていきます。

それでは、どうぞ次回もお楽しみに!(採用チーム 渡邊)


関連情報

商品企画職 清水さんが携わったコクヨ商品はこちら。(一部抜粋)

紙とペンの巧みな出会い「PERPANEP(ペルパネプ)」

ペンスタンドになるペンケース「ネオクリッツ」

文具クチコミアプリ「meeket!」

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