【与田祐希】 量産型リコ を観たら人生が変わるかも
モノづくりの心は全てに通ずる。
僕の大好きなグループ、乃木坂46には与田祐希さんというメンバーがいます。彼女は2022年に放送された「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」というドラマで主演を務めていました。
僕にとってドラマと言えば60分枠で制作・放送される映像作品なのですが、最近は30分枠のドラマがかなり増えているようです。この作品も同様に30分枠でした。
全話を観終えてから思うのは、この作品を30分枠にしておくのはもったいないということです。心の底から誰かにおすすめできる良作であり、60分枠でじっくりと時間を掛けて物語を進めて欲しかったと思わずにはいられません。
このドラマは、登場人物達が主に仕事で生じた悩みをプラモデル作りから得たヒントによって乗り越え成長していく姿を描いています。自ら「人生組み立て記」と銘打つことに恥じない作品です。
その姿は僕個人にとって非常に共感できるものでした。僕も彼らと同じような経緯で成長して人生を変えてきた経験があり、観賞中はまるで昔の自分を見ているような感覚がありました。
人一倍共感できる内容だったからこそ、僕はこのドラマに感銘を受けているのだと思います。
今回は、僕が「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」から読み取った、人生を変える方法をまとめてアウトプットします。
なお、このnoteで述べる人生を変えることとは、なんとなく生きている人生をより活力をもって楽しく生きられるようになることを指しています。
確かにドラマ自体は架空の人物や世界を描いたものです。しかし、この作品から読み取れる人生を楽しく生きるコツは、我々が生きる現実世界で十分に通用します。
たとえ架空の話だとしても、それは決して軽んじてはいけません。
特に、どうにも溌剌としない人生を送っていると自覚している方へこのアウトプットを届けたいです。そして、その人生を変えることに少しでも寄与できれば嬉しいです。
また、読者の方がこのドラマを初めて或いは改めて観賞するきっかけになれば良いと思います。
ちなみに、この記事はドラマのネタバレを含んでいます。まだドラマを観賞していない方が読まれる際には、予めそれを了承の上での拝読をお願いします。
あらすじ
伝わりやすい内容のnoteにするためにも、このドラマのあらすじを簡単に記しておきます。
与田祐希さんが演じる小向璃子は、イベント広告会社に勤めています。彼女はドキドキしたり熱中できたりするものが特になく、平凡な毎日をなんとなく過ごしていました。
それに加えて彼女の仕事ぶりはこれまたごくごく平凡なものでした。与えられた業務を淡々と捌いていくことの繰り返しで、その姿を見ている人に熱意や積極性を感じさせるものではありませんでした。
同時期に入社してめきめきと業績を上げている友人からは、そのような様子を「いつの間に量産型の人間になってんだよ」と揶揄されてしまいます。
また、上司からは「ときめいたり熱中できたりするものはあるのか?」とか「鼻血が出るくらい爆発していけ」とか、抽象的ではあるもののどこか核心を突いた問いかけや助言を受けます。
それらの言葉に困惑している帰宅途中、彼女は個人経営の模型店を偶然見つけて引き寄せられるように入店します。
その店主から量産型ザクのプラモデルを紹介されたことをきっかけに、作中を通して様々なプラモデルを作っていきます。
時には同じ会社の人間を連れ込んで一緒にプラモデルを作ります。その時の交流やプラモデル作りの工夫から、彼女達は仕事のヒントとか新たな気付きとかを得ます。
そしてそれらを仕事に活用することで、人として成長したり失いかけていた情熱やワクワクを取り戻したりしていきます。
リコがプラモデル作りで得たもの
小向璃子の人生は、プラモデル作りに熱中するようになってから変わり始めていきます。
話数が進むにつれて、作中のところどころで彼女が仕事を楽しんでいる様子を見て取れるようになります。そして彼女は以前よりも仕事に積極的に取り組み、成果を出していけるようになっていきます。
同部署の先輩からは「最近仕事スイッチ入った?」と訊ねられたり、上司からは「お前がそんなに主張するの珍しいな」と言われたりするほどに彼女の成長や変化や積極性は明示的になっていきました。
仕事は人生の大部分を占める重要な要素であり、これの質が上がるだけで人生の質も大きく向上します。仕事を楽しめる人は人生を楽しめる。
きっと小向璃子は、周囲からの反応も助力して、以前よりも充実した人生を送れていることを強く実感しているはずです。
では、なぜ彼女はプラモデル作りによって仕事の質を上げ、延いては人生を変えていくことができたのでしょうか。
僕は、彼女がプラモデル作りによって論理的思考力を会得していったことが理由だと考えています。どういうことなのか、詳しく述べていきましょう。
基本的に仕事で成果を出していくには、業務の進捗を管理したり、問題を解決したり、目標に対する不足を補うための施策を考案したりする必要があります。特に、小向璃子と同じようなオフィスワークに分類される職業ではこれらが顕著でしょう。
それらを実行する上で論理的思考力は欠かせません。
論理的思考や論理的思考力そのものについて書き始めると、それだけで1冊の本になってしまうほどの文量になります。このnoteには適さないのでアウトプットは控えます。
なお、それらについては下記のnoteにアウトプットしてあるので興味があればご拝読ください。
ただ、概念だけは述べておきます。
論理的思考とは、物事を因果関係で段階的に繋げていく思考であると僕は考えています。そして論理的思考力とは、その思考を行使する能力です。
より簡単に言えば、論理的思考とは「こうだから、こうなる。こうなるから、こうなる。」という調子で原因と結果を繋いでいく思考のことです。
実際に論理的思考を行使する時や論理的思考そのものを説明をする時、僕はよく下図を想像します。
まず、目の前に起こった事象を大結果と捉えます。
次に、なぜこのような事象が発生したのかという疑問をもちます。そして、その疑問の答えとして大原因を仮定します。
それから、大原因と大結果の間にある段差を埋めるように、件の調子で物事を詳細な因果関係で繋いでいきます。そして、最終的に大原因と大結果を繋いで一つの理論を作り上げるのです。
以上のように、理論を作り上げていく過程が論理的思考であり、その有り様を図式化すればまさに段階的になります。
そのような思考力が備わっているからこそ、業務の進捗を管理したり、原因を特定して問題を解決したり、目標に対する不足を補うために新たな施策を考案したりすることができます。
さて、考えてみると、プラモデル作りには仕事に必要な論理的思考と共通した要素があります。故に、その実践は論理的思考力を会得するための方法になり得ると思います。
プラモデル作りは、完成形を見据た後、それに至るための工程を確認して各部品を順序よく組み立てることや、完成図や後に控える工程から逆算してより良い工程を考案・選択することの連続です。
どの段階までにどの部品の塗装を終わらせておくべきなのか。どの部品のゲートを敢えて残しておくのか。これらの部位同士を組み合わせるにはどの作業が終わっていなければならないのか。なぜそのような工程を採用するのか。
ただただ部品を組み立てたものを完成形と見なすのであれば話は別です。しかし、より完成度の高いプラモデルを作り上げるためには、これらのようなことを考えて簡易的にでも独自の設計計画を立てる必要があります。
それは、散りばめられた物事を順序立てて段階的に繋いでいく思考の実践そのものです。
また、小向璃子は最初こそ説明書が示す工程通りにプラモデルを作っていました。しかし、話数を重ねるごとに塗装や装飾や設計に独自性を加えて、趣向を凝らしたプラモデルを作るようになっていきます。
それを作り上げるには既存の説明書が示す工程では不可能です。理想の完成形を想像し、それ専用の工程を自ら考案しなければなりません。
プラモデルはどこまでも自由です。完成図や説明書通りに作らなければならないという掟はないのです。だからこそ、完成形やそれに至るための工程を自分で定義する必要があります。
このように、より完成度が高く個性的なプラモデルを作ろうと思えば、物事を段階的に繋ぎ合わせていく思考と、理想の結果に至るための工程を新たに考案する思考を自ずと用いることになるでしょう。
これらこそが仕事で成果を出すために必要な論理的思考と共通した要素です。
小向璃子はプラモデル作りを通してこれらの思考を知らず知らずのうちに実践していったはずです。それによって生じた思考回路は、論理的思考の思考回路と同様の構造になっています。
その思考回路は、あとは繋ぎ合わせる物事を原因と結果に差し替えるだけで論理的思考に相違ないものとなります。であれば、この状態は論理的思考力をほとんど会得したと言って差し支えないでしょう。
なるほど、まず最初に思考回路を脳内に取り込むというのは、論理的思考力の会得の仕方として非常に効率的だと思います。論理的思考力を解説した本を読むよりもよほど早くそれを身につけられるのではないでしょうか。
そして彼女は、いつの間にか会得していた論理的思考力を仕事で無意識に発揮し、徐々に成果を上げていきました。ついに、仕事を充実させることで人生を変えていったのです。
自分の考えに基づいた行動で自分の理想を叶えた時、人は自分の人生を切り開いて思い通りに生きていることを実感します。これこそが人生を楽しく生きるコツです。
人生の中でそれを最も体現しやすい身近な出来事と言えば、仕事ではないでしょうか。
であれば、人生を変えるには仕事を充実させるのが手っ取り早く、そして仕事を充実させるには論理的思考力を身につけることが最も効果的です。
価値を提供するための創作
前章で述べた通り、小向璃子はプラモデル作りを通して論理的思考力を身につけ、それを仕事で発揮することで人生を変えていきました。
僕もnoteの記事を作ることで論理的思考力を会得し、同様の流れで人生を変えてきました。
引き続き論理的思考力を活かし、読者に価値を提供するための記事を執筆したり、職場の業務効率化を実現するためのプログラムを作って提供したりすることで仕事を充実させ、楽しい人生を生きることができています。
そのような経験がある身から言えるのは、価値を提供するための創作は人生を変えるということです。こちらも詳しく述べていきましょう。
そのような創作をしている最中は、ああでもないこうでもないと頭を悩ませることになります。もはや苦行と言えるほどにしんどいです。意図的な価値を生み出すのは簡単なことではありません。
しかし同時に、自分が思い描いたように成果物を作っていくことは、とてもワクワクドキドキして没入するほどに楽しいです。
そうなんです、成果物を徐々に理想の形に近づけていく工程に身を置くことは、ただただ楽しくて仕方ないのです。
情熱が行動に表れたわけでも忍耐力を鍛えているわけでもなく、どうしてしんどいことを進んでやるのかと質問を受けたら「だって楽しいんだもん」と答える他ありません。
創作に極限まで没入すると、とんでもない量の血液が脳に流れ込み、脈打つほどの血圧で脳が爆発してしまうかのような心地よい頭痛が生じます。なんというか、脳みそで運動して汗をかくような感覚です。
また、成果物をようやく作り上げた時の達成感やある種の苦行が終わった時の解放感は、中毒性があるくらいに爽快で心地よいです。
そのように楽しみながら自分だけの成果物を生み出す行動をし続ければ、生きて命を燃やしていることを強く実感できるでしょう。単純に、快感を感じる時間が長くなって人生の幸福度が上がります。
そして何より、完成した成果物で誰かに意図的な価値を提供し貢献できた時の充実感は幸福そのものです。やりがいとはまさにこれのことです。
前章の内容によれば、人生を変えるには論理的思考力を会得するのが効果的です。しかし、それだけでは足りません。
論理的思考力を活かして成果物を生産し、他者に意図的な価値を提供して貢献するからこそ、幸福を享受して人生が変わるのです。最後に必要なのは生産・貢献という行動です。
小向璃子と僕はそのように、成果物の創作と成果物による価値提供を手段にして以前よりも充実した人生を勝ち取ったのです。
さて、ここで考えてみたいことがあります。小向璃子が創作した価値を提供する成果物とはいったい何でしょうか。
ドラマの題名が相まって、プラモデルが真っ先に思いついたかもしれません。しかし、それは違うと思います。
確かに、小向璃子はプラモデルを作って自分の仕事机に飾っています。とはいえ、社内の人にそれを積極的に見せるような描写はありません。それで価値を提供していると解釈するのは無理があるでしょう。
小向璃子にとってプラモデル作りは、あくまで論理的思考力を会得する手段であって、価値を提供する成果物の創作ではないのです。
そこで、ドラマ全体を振り返ってみると小向璃子がプラモデル以外のものを作っていることに気づきます。
あらすじでも述べた通り、小向璃子はイベント広告会社に務めています。つまり、彼女が創作した価値を提供する成果物とは、顧客の商品を広告するイベントの企画です。
この様子は特に第2話で分かりやすく描かれています。
小向璃子は先輩と一緒に、若者へスポーツカーを宣伝するイベントの企画立案とその発表を担当することになります。
最初のうち彼女達は企画の採用を獲得する気が毛頭なく、顧客への発表を切り抜けることを目的にしてしまいます。その結果、過去の広告企画を模倣した独自性に欠けるありきたりな企画を立案します。
案の定、別部署の先輩からは企画の訴求力の乏しさを指摘されます。そして、広告を請け負うということは魅力を伝えるということであり、その魅力は商材を好きになるからこそ見えてくるという助言を受けます。
小向璃子は改心し、目的を若者にスポーツカーを宣伝するという本来あるべきものに切り替えます。さっそく先輩の助言に則り、スポーツカーを好きになるためにそのプラモデルを作ってみることにしました。
その後、彼女は自分なりの視点でスポーツカーの魅力を知って、それが訴求された独自性のある企画を作り上げました。その企画は見事に顧客の心を射止めて採用を獲得したのです。
そのような成功体験があれば、小向璃子は自らの成果物で他者に価値を提供して貢献する幸福や仕事の充実をなおさら強く実感しているはずです。
ちなみに、その企画は僕個人にとっても興味深いものであり、もしもそのイベントが実際に開催されるなら是非とも参加してみたいと思いました。
繰り返す通り、価値を提供するための創作は人生を変えます。これこそが人生を楽しく生きるコツです。
人生の中でそれを体現しやすい最も身近な出来事と言えば、やはり仕事ではないでしょうか。
会社の業務だけが仕事ではありません。
たとえ会社の業務時間外に自宅で趣味として行っていることであっても、他者に意図的な価値を提供するための創作ならば、それは仕事です。場所や時間は関係ありません。もはや形式すらも関係ありません。
もし自分の人生が溌剌としていないと感じているならば、自分がどのような価値を提供するために、どのような創作をしているのかを考えてみてほしいです。
もしかしたら何も創作していない。たとえ何かを作っていたとしても、それは模倣や作業によるものであって仕事によるものでない。つまり、自分が意図した価値を提供するための創作ではない。
場合によっては、そもそも仕事をするための能力が培われていないということも考えられます。
大好きなもの
前章では、価値を提供するための創作が人生を変えるということを述べてきました。それはつまり仕事のことです。
そして、仕事を充実させるためには論理的思考力を会得するのが最も効果的であるということは前々章で述べた通りです。
論理的思考力を会得するためには、結局のところ論理的思考を部分的にでも実践し続ける他ありません。人間が何かしらの能力を得るためには、その能力を必要とする行動を続けるしかないのです。
では、論理的思考をより実践しやすくするためには、どんなことが効果的なのでしょうか。
小向璃子の経験や僕の実体験をもとに考えれば、自分が大好きなものを見つけることが非常に効果的だと考えられます。詳しく述べていきましょう。
ちなみに、小向璃子は同じ会社の大石という先輩に恋心を懐いており、最終話で大好きだと告白します。以前には、甥っ子から大石を見ている時とプラモデルを見ている時に同じ目をしていることを指摘されます。
要するに、小向璃子はプラモデルが大好きなのです。
人間は大好きなものに対して絶えず興味をもち続ける生き物です。興味とは好奇心であり、好奇心とはつまり疑問です。
「なぜ?」や「どのように?」という疑問は、論理的思考を実行する上で必要不可欠な原動力です。大好きなものに対してであれば、わざわざ能動的に絞り出さずとも、これらのような疑問が自然と湧き上がってきます。
そして興味を起点とした疑問をもつと、それに対する合理的な答えが得られないままでは気持ち悪くて仕方ありません。故に、合理的な答えを得るために自らの頭脳で考えるようになります。
これは前々章で述べた、理想の結果に至るための工程を新たに考案する思考と同じ部類のものです。表現が違うだけであり、論理的思考と共通した要素です。
自ら疑問を生み出し、それに対する合理的な答えを自ら考え導き出す。これは論理的思考の実践に他なりません。大好きなものさえあれば、この一連の流れをそれほど抵抗なく実行していけるでしょう。
だからこそ、自分が大好きなものを見つけることには論理的思考を実践しやすくする効果が期待できます。
きっと小向璃子はプラモデルやその制作技法に絶えず興味を懐いているでしょう。
実際に彼女は作中全体を通して様々な造形のプラモデルを作ります。また、特に第4話で彼女が積極的に新しい制作技法を学ぼうとする様子が顕著に見受けられます。
幸運なことに、小向璃子の場合は得たいものとそれを得るための行動の到達点が一致していました。故に彼女はプラモデルだけでなく、それを作ることにも親しみをもって取り組めたのだと思います。
前々章で述べた通り、プラモデル作りは論理的思考力を効率よく会得する効果が期待できます。大好きなものを見つけたことにそれが加わって、小向璃子はより加速度的に論理的思考力を会得していったのだと思います。
さて、ここからは僕の実体験を述べておきます。
僕は乃木坂46が大好きであり、乃木坂46やその活動には常に興味をもっています。
そして乃木坂46がなにか新しい活動をしたら、その意図や戦略を自然に考察するようになっています。
これの最も顕著な例は、新曲発売決定時の選抜発表ですね。僕は選抜が発表されたら、なぜこのような編成にしたのかという疑問を中心にした考察をnoteでアウトプットしています。
考察という行為は論理的思考の成分が非常に強く、それを実行してアウトプットすることは論理的思考力を会得し鍛える効果がありました。
また、僕は乃木坂46の記事を公開することで読者に乃木坂46の魅力を届けたいと考えています。そのような価値を提供するための記事を執筆することは本当に楽しく、これまた論理的思考力の会得に効果的でした。
ちなみに、このようなアウトプットは僕なりの乃木坂46に対する貢献でもあります。
僕は乃木坂46が大好きであり、乃木坂46のメンバーには幸せになってほしいと思っています。彼女達が幸せであり続けるためには、乃木坂46の人気がこれからも継続・向上していく必要があります。
そのために僕ができるのは、多くの人に乃木坂46の魅力を伝え広めていくことです。その手段として乃木坂46のnoteを書いて公開しています。
乃木坂46を大好きになるまで、まさか自分がこれほど精力的に仕事に取り組む人間だとは思いませんでした。
では、大好きなものを見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。
こればかりは行動あるのみです。小向璃子も僕も、大好きだと言えるものに出会ったのは偶然です。偶然の機会を得るためには、行動量を増やしてそれに立ち会う確率を上げる他ありません。
小向璃子は、会社からの帰宅途中に模型店を偶然見つけたことがきっかけでプラモデルを大好きになったのです。
僕は、鑑賞した舞台に生駒里奈さんが偶然出演していて、それがきっかけで乃木坂46を大好きになりました。
大好きなものがない人は、行動量が少ないが故それに出会えていないのだと思います。少なくとも、自分が現時点で知っている世界の中には大好きなものがないということは明らかです。
であれば、新しい体験を繰り返すことで大好きなものが見つかるかもしれません。これこそが人生を楽しく生きるコツです。
自分の知らない世界に触れれば、まるで童心に帰ったように知識欲を刺激できます。それによって興味が生じます。であれば、新しい体験をし続けることで論理的思考を実践する好機がいずれ巡ってくるはずです。
そして次から次へと疑問が生まれてきた時、自分が大好きなものに出会えたことを実感するでしょう。
大好きなものがあるだけで人生は本当に明るくなります。また、色々な体験をした方が人生は豊かになります。当然と言えば当然のことですよね。
余談:好きになる方法
このドラマの中で僕は第2話が特に気に入っています。
スポーツカーを全く好きじゃなかった小向璃子が、最後には他者へスポーツカーの魅力を伝える企画を考案するまで成長した姿に感心しています。
ここで考えてみたいのは、そもそも何かを好きであるとはどういう状態なのかということです。
僕が思うに、それは何かに関する情報を豊富にもっているという状態です。絶対的ではないかもしれませんが、よく知っているから好き・よく知らないから好きじゃないという単純な感覚的理論がそこにあると思うのです。
もしこの見解がおおむね正しい場合、何かを能動的に好きになりたいのであれば、それを知れば良いということです。
繰り返す通り、小向璃子はスポーツカーを好きになるためにスポーツカーのプラモデルを作りました。それを作る過程でスポーツカーやそれを構成する部品のことを知っていきます。
最終的に彼女は、顧客への企画発表の場でワクワクした表情を浮かべながらスポーツカーのことを語り始めるくらいに、スポーツカーが好きになっていました。
この方法論に見事に当て嵌まっていますね。何かを能動的に好きになる方法として、まずはその造形に触れてみるというのは非常に合理的かつ効果的だと思います。
ちなみに、小向璃子は自分の仕事机に飾っている量産型ザクのプラモデルを見て、スポーツカーのプラモデルを作ってみることを思いつきました。
きっと量産型ザクを作っていた時に没入するほど楽しかったことを思い出して、スポーツカーを知ることに効果的だと発想したのでしょう。
これは非常に優れた着眼点だと思います。
人間、何かを能動的に好きになるのは簡単なことではありません。そもそも興味がないことを無理に知ろうとしても、その知識は全然頭に入ってこないものです。
しかし、自分の好きなことを通してであれば、その抵抗を緩和して何かの情報を取り込みやすくなるはずです。
だからこそ小向璃子は、スポーツカーを好きになる手段としてプラモデル作りを採用したのだと考えられます。
何かを能動的に好きになるために、自分の好きなことを通してその情報を取り込む。
僕も何かを能動的に好きになる必要を迫られた際には、この方法論を実践してみようと思います。
それにしても、まずは造形に触れるということにおいて、プラモデルを作る以上に安価で効率の良い方法はないかもしれませんね。
まとめ
やはりこの物語を30分枠にしておくのはもったいない。
60分枠のドラマに対して、30分枠のドラマを制作することのメリットと言えば、第一に考えられるのは制作費の削減ではないでしょうか。
しかし、そのメリットを得るために作品の品質が犠牲になっているように思います。
30分枠で1話分の起承転結を描くためには、次から次へと物語を進めていく必要があります。それに伴い、各話の展開が大雑把になりがちです。さらに、描ける内容が少なくなって物語が薄っぺらくなってしまうでしょう。
その結果、30分枠のドラマには無理矢理な展開や不自然な描写がちらほら見受けられます。
残念ながら「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」においても、このような現象は少なからず発生していたように思います。
せっかく良質な物語を生み出して、しかも俳優達の芝居品質は変わらないのに、放送枠の短さによって作品の品質が全体的に低下してしまうのは非常に残念です。
制作費を削減して品質が低下した成果物を作る。まさに量産型の成果物を生産する時の構図ですね。
このドラマは、いわゆる第2シーズンあるいはスピンオフとして「量産型リコ -もう一人のプラモ女子の人生組み立て記-」の放送を2023/06/29に控えています。こちらもどうやら30分枠のようです。
僕はこれにも大いに期待を寄せています。そして「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」で見受けられた品質の低下が最小限に抑えられていることを祈ります。
以上、「量産型リコを観たら人生が変わるかも」でした!!
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