國學院大學ポッドキャスト番組「学問のNUMA」 蒙古襲来の歴史が眠る、水中遺跡の発掘に挑戦<後編>
元寇船のいかりの引き揚げに成功! 保存の決め手はまさかの「○○」!
第4回のゲストは、研究開発推進機構の池田榮史教授。<前編>では、池田教授が考古学のNUMAに引きこまれたきっかけや元寇船の発掘プロジェクトについて語っていただきました。
<後編>のおもなテーマは「木製のいかりを引き揚げたどー!」。
令和4(2022)年、池田教授の発掘グループは、元寇船のいかりを引き揚げることに成功。しかし、大変なのはここから。陸に上がった遺物は腐食が進んでしまうので、すぐに保存しなくてはなりません。
従来の保存方法だと数十年単位の時間と莫大なコストがかかりますが、池田教授は遺物にあるものを染み込ませる保存方法で、これを見事に切り抜けます。
今後、元寇船の引き揚げに成功すれば、当時の造船技術や軍備を解明するきっかけになるとのこと。タツオさんも「水中考古学、アツい! 今後は陸上の考古学にも影響を与えそう」と、期待を寄せました。
ーー収録を終えて、いかがでしたか?
宮田:情報量が多くて、メモがすごいことに……。蒙古襲来は教科書の知識しかありませんでしたが、池田教授の活躍で現代とつながっていることがわかりました。
タツオ:ぼくが水中考古学に挑戦するなら、蒸気船を発掘してみたいですね。けど、元寇船のロマンには敵わなさそうだなあ。
池田教授:水中考古学はまだ歴史が浅いので、掘り下げがいのある学問です。これからも様々な発見があるでしょう。各大学の連携も広がりを見せていて、水中考古学の専門家を育成する環境も少しずつ整ってきていますよ。
みなさんを学問の沼へ誘う「学問のNUMA」の第4回<後編>は、好評配信中!ぜひお聴きください!
取材・文:名嘉山直哉 撮影:押尾健太郎 編集:篠宮奈々子(DECO) 企画制作:國學院大學